【冬】晴れて寒い朝なら あたり前の光景ですが……
キーンと冷えた寒い朝、空高い所は青空ですが、空の低い所では白っぽく見えることがよくあります。どこでも見られる現象ですが、なぜ起こるのでしょうか?
原因は【逆転層】の発生
答えは「空気の温度が逆転した」、つまり【逆転層】ができたからです。
ふつう、大気は上空に行くにつれて《気温が低く》なっていくので
[上の層の気温] < [下の層の気温] となっています。
しかし今朝は、地上付近に気温の低い層ができてしまいました。その結果、気温の低い層の上に、気温の高い層ができてしまう、気温の逆転【逆転層】ができてしまったのです。
地上付近に気温の低い層ができた原因は【放射冷却】が強まったからです。
今朝の最低気温は、鹿児島市3.4℃(前日‐3℃)、鹿児島空港‐1.5℃(前日‐3℃)まで下がり、地上付近の大気の方が冷えてしまいました。
この逆転層は、地面に接しているので正確には【接地逆転層】と言います。
【接地逆転層】は大気の状態が安定する
接地逆転層は安定しているため、地面に近い気温の低い層で空気が滞り、空が霞んでしまうのです。
地面に接したほんの数百mの層だけ気温が低いため、日差しが出るとその数百mの層も気温が上がり、対流が起きて逆転層は解消され、霞んだ空も昼頃には、見通しが良くなることが多くなります。
もっと勉強したい方へ
もっと勉強したい方や、気象予報士を目指す方は「エマグラム」の画像を付けておきますので参考にしてください。なお、桜島の標高は1117mです。
下記は、鹿児島地方気象台がおこなったラジオゾンデによる上空の観測値です。00Z 22 JAN 2025=日本時間の1月22日午前9時の速報値です。
700hpa(3089m)‐4.7℃
850hpa(1536m)4.4℃
925hpa (845m) 6.8℃
1024hpa (4m) 5.4℃