中国などアジアの多くの国ではあす29日に、旧正月の「春節」を迎えます。連休を鹿児島で過ごそうと、鹿児島空港にはアジアからの観光客が続々と到着しました。
(記者)「国際線ターミナルです。空港内は明けましておめでとうと飾り付けられ、多くの海外からの観光客をもてなしています」
28日午前、台湾からの便が到着。大きなスーツケースを持った家族連れなどが次々と到着ロビーに姿をみせました。
鹿児島で暮らすこちらの女性は、台湾の家族を迎えに来ました。高齢で車いすの母が鹿児島を選んだと言います。
(台湾から)「移動が難しく、今後もっと旅行に行けなくなるので、この機会に遊びに来た。刺身が食べたい」
(鹿児島で暮らす女性)「私が日本に嫁に来ているので、どんな生活しているかな?と会いに来てくれた。鳥刺しなど鹿児島の珍しいところを紹介したい」
こちらは11人での家族旅行。5日間、県内で過ごす予定です。
(台湾から)「予算は1人あたり35万円」「美しい景色と、おいしい食事も楽しみたい」
28日は午後に上海からの定期便も到着し、本場大島紬クイーンらが出迎えました。
(上海から)「桜島も行きたいし、霧島にも行く予定」「天文館での買い物が楽しみ。気に入ったものがあれば全部買いたい」
宿泊施設で日本の正月文化体験 インバウンド客の割合は去年2割→今年6割に増加
鹿児島市の城山ホテル鹿児島では、海外からの宿泊客に日本の正月文化を体験してもらうイベントを開いています。
甘酒の振舞いに…。
「It’s good」
(韓国から)「おいしいけど酒とは思えない」
羽子板の絵付けや折り紙の体験も。
(アメリカから)「日本の正月文化は初めて。子どものころに戻った気分」
そのほか、コマや浴衣の着付けも体験することができ、それぞれ日本の伝統文化を楽しんでいました。
(韓国から・浴衣体験)「思ったよりきれいで満足している。後ろ姿が気に入っている」
城山ホテル鹿児島では、春節のインバウンド宿泊客の割合が去年は全体の2割だったのに対し、今年は6割を超えました。コロナ禍前の数に戻りつつあるということです。
春節の中国人観光客に変化?インバウンド消費は過去最高も「買い物ばかりが目的ではない」
鹿児島市の天文館では28日、買い物を楽しむ中国人観光客の姿が見られました。
(北京から)「天文館は店が多くて、いいもの、食べたいものがあれば買いたい」
去年、初めて8兆円を超え、過去最高となった外国人観光客のインバウンド消費。しかし、中国人観光客を取材してみると、かつて「爆買い」と呼ばれたような大量購入は見られず…
(上海から)「これを買った。商品名は分からないが、食べるとおいしかった」「買い物の予算ははっきり決めてない。そんなに買い物の欲がない」
湖北省から訪れたこちらのきょうだい。ディスカウントストアの大きな袋を提げていました。
(湖北省から)「日本の薬品を買った。家族全員分。(Q.いくらだった?)3万円くらい」
買い物のあと向かったのは、鹿児島名物「白熊」の店です。
(湖北省から)「SNSで白熊が紹介されていたから、来てみた」「おいしい」
SNSを参考にしながら、鹿児島の観光地をまわる2人。今回の旅行は買い物がメインの目的ではないといいます。
(湖北省から)「地域の食や景色、新しい文化にもっと触れたい。以前のように買い物ばかりが目的ではなくなった」
「モノ」の消費から食や体験などの「コト」消費へ。インバウンド消費のあり方は変化を迎えています。