「この人に聞く」です。今回は鹿児島県警のトップ、岩瀬聡本部長です。就任からまもなく3か月。不祥事に揺れた県警の信頼回復に向けた取り組みなどについて聞きました。
(県警 岩瀬聡本部長)「職員と一緒に汗をかき知恵を絞りながらできることをやっていきたい」
鹿児島県警の岩瀬聡本部長。東京都出身の50歳です。京都大学を卒業後、1999年に警察庁に入りました。
内閣官房長官秘書官、警察庁交通局交通規制課長などを歴任し、去年11月、鹿児島県警の本部長に着任しました。
県警をめぐっては去年、警察官の不祥事が相次ぎました。そのうち、逮捕・起訴された前の生活安全部長は「本部長が不祥事を隠蔽した」と主張。一方の野川前本部長は隠蔽を否定し異動しました。
(県警 岩瀬聡本部長)「長い間勤務することによって、慣れや惰性が出てきてしまったのが非違事案が起きてしまう原因ではないか」
就任会見は、相次ぐ不祥事についての謝罪から始まりました。「信頼回復に努めたい」と決意を語ります。
(県警 岩瀬聡本部長)「本部長できたので、全ての責任を負うつもり。警察職員になったときの強い思いをもう一度思い返して、県民・国民のために働こうという意識をみんなが再度持つことが大事ではないか」
去年の能登半島地震では、交通規制課長として被災地で指揮。半島防災の課題に直面し鹿児島でも起こり得ると懸念しています。
(県警 岩瀬聡本部長)「発災直後にまず駆けつけることができなかった。主要な道路が通れなくなってしまった、壊滅的なダメージを受けた場合のルート確保が大きな課題になった」
Q.鹿児島でも?
「起こりうると思います」
これまで、茨城県警の捜査二課長や外務省出向中のベトナムで日本大使館一等書記官を務めてきた経験などを生かし、警察が時代の流れに取り残されないようにしたいと話します。
(県警 岩瀬聡本部長)「本部長はあらゆる分野に携わらなければいけないので、これまでの経験がいきるのではないか」
「社会はどんどん変わっている、例えば鹿児島でも高齢化や過疎化が進んでいる。そういう社会の変化に敏感になることが必要。警察だけが取り残されないように日々の社会の動きにしっかりアンテナを張っていきたい」
妻と2人の娘を東京に残し単身赴任中の岩瀬本部長。趣味の街歩きを楽しむのはもう少し先になりそうだと話します。
(県警 岩瀬聡本部長)「執務室から桜島や錦江湾が見えたり、南国らしい木が植わっていたり、そういうのを日々見ていて鹿児島に来たという実感はものすごくある」
「街歩き・旅行が好きでいろんな街を歩くのが好きなので、早くそういう機会を持ちたいと思っているがまだそこまで余裕がない」
県民からの信頼をどう取り戻すのか?およそ3000人の警察官を束ねる県警トップの舵取りに注目です。