鹿児島市と鹿屋市を30分で結ぶ高速船「なんきゅう8号」が今月8日、就航します。就航を前に試乗会があり、取材を進めると課題も見えてきました。
鹿児島市のマリンポートかごしまと鹿屋港の間に、あさって8日に就航する「なんきゅう8号」。全長18.5メートル、60人乗りの小型高速船です。
就航を前に試乗会があり、自治体や観光業界の関係者らが参加しました。
(鹿児島市から)「(揺れは)大丈夫」
(鹿児島市から)「スリルがあって楽しい」
マリンポートを出ておよそ30分。参加者は鹿屋港に着いた後、バスで佐多岬など大隅半島の観光地を巡りました。
(鹿児島市から)「鹿屋と近くなっていい。とてもいいこと」
「なんきゅう8号」は毎日、朝と夕方の1日2往復運航し、運賃は片道1800円です。
(高速船を運航 なんきゅうドック・今村弘彦会長)「60人乗りの半分ぐらい乗ってくれたらありがたい。最初の1年は(1便あたり)5人~10人だと思う。やってみないと分からないけれど、努力する」
薩摩半島と大隅半島の間の定期航路は、桜島フェリーに、鹿児島市と垂水市を結ぶ鴨池・垂水フェリー、指宿市山川と南大隅町根占を結ぶ「フェリーなんきゅう」に続いて4つ目です。
国内外のクルーズ船が寄港するマリンポートと大隅半島を30分で結ぶ定期船の就航に、観光振興への期待が高まる一方で…
(鹿屋市から試乗会に参加)「マリンポートからのアクセスはどうなのかな。鹿屋港までは車で来て置いておけるが、マリンポートからの移動はどうするのだろう」
課題となっているのが、マリンポートの交通アクセスです。鹿屋港の近くには路線バスの停留所がありますが、マリンポートにはありません。さらに、マリンポートは、最寄りのタクシー乗り場までおよそ1.5キロ、市電の電停までは2.3キロ離れています。
(高速船を運航 なんきゅうドック・今村弘彦会長)「マリンポートからの2次交通をどうするか。行政に考えてもらいたい。そこまで手がまわらない」
港の交通アクセスをどう充実させるかが、利便性向上や観光振興の鍵を握りそうです。