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癌患者を救う?「ナノロボット」を開発

ニューズウィーク日本版 2014年1月24日 13時0分

 韓国で興味深い癌治療の研究が進んでいる。全南大学の研究チームは最近、癌を発見して治療もするナノ(超小型)ロボットを開発した。実用化されれば、癌の薬物治療による副作用も回避できる。

 研究チームはサルモネラ菌の遺伝子組み換えを行い、癌細胞の分泌物に引き寄せられるようにした。このサルモネラ菌が約3マイクロメートル(1マイクロメートルは1ミリの1000分の1)のナノロボットを運び、腫瘍にたどり着いたら薬物の入ったカプセルを自動的に投入する。

 最新の癌治療は、癌細胞の特徴の1つである速い増殖を化学物質の力で止めるものが主流だ。しかしこの方法だと、増殖が速いという同じ特徴を持つ他の細胞(例えば髪や骨髄、消化器管)も影響を受ける。化学療法が副作用を起こす原因の大半がここにあるのだが、ナノロボットを使えば、健康な細胞に影響を与えることなく、腫瘍だけを攻撃できる。

「バクテリオボット」と名付けられたこのロボットが今のところ探知できるのは、乳癌や大腸などの臓器に発生する癌だけだ。しかしいずれは、他の癌も治療できると研究チームは胸を張る。

[2014.1.21号掲載]
ライアン・ニール

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