乗客・乗員298人を乗せたマレーシア航空17便が、ウクライナ東部で地対空ミサイルによって撃墜されたのは先週の17日。その後他のすべての航空会社と同様に、マレーシア航空もウクライナ上空の飛行は回避している。
ウクライナ上空はアジア各地の拠点空港とヨーロッパを結ぶ最短ルートだが、各航空会社は安全確保のために回避せざるを得ないのが現状だ。
しかしウクライナ東部と同様、迂回ルートにも危険が潜んでいる可能性はある。マレーシア航空は事故からわずか3日後の20日、クアラルンプール発ロンドン行きの4便を、内戦が続くシリア上空に飛行させ、再び批判にさらされている。
民間航空機の飛行ルートを追跡するウェブサイト「フライトレーダー24」によれば、4便(エアバスA380型機)は南側のヨルダンからシリア上空に入り、北西方向にシリアを横切って地中海に抜けていた。
これに対してマレーシア航空は声明を出し、飛行ルートはどんな規制にも違反していないと反論している。
「マレーシア航空4便の飛行計画は、国際民間航空機関(ICAO)が承認した飛行ルートと合致している。シリア民間航空局の航空情報によれば、シリア上空は飛行禁止の対象にはなっていない。4便は常時、ICAOが承認した空域を飛行していた。マレーシア航空は、乗客と乗員の安全を最優先している」と、声明は述べている。
建前上、マレーシア航空は正しい。ICAOは、民間航空会社に対してシリア上空の飛行を禁止していない。しかしICAOは、昨年3月に出した文書でシリア上空の飛行が極めて危険だと警告している。
「ダマスカス飛行情報区(シリア上空)を通過する民間航空機が巻き込まれる事件が最近発生している」と、ICAOのレイモンド・ベンジャミン事務局長はこの文書で警告している。「民間航空機が予期せぬ砲弾やミサイル攻撃のすぐ近くを飛行していたケースもあった」
他社との競争に晒される航空会社が、飛行時間の短縮や燃料コストの節約のために、紛争地域の上空と知りつつ飛行することは、よくあることだという。特にマレーシア航空は、今年3月にクアラルンプールから北京に向かっていた370便が南シナ海上空で消息を絶って行方不明になる事故が起こって以来、乗客が激減して経営が悪化していた。
アルベルト・リバ
ウクライナ上空はアジア各地の拠点空港とヨーロッパを結ぶ最短ルートだが、各航空会社は安全確保のために回避せざるを得ないのが現状だ。
しかしウクライナ東部と同様、迂回ルートにも危険が潜んでいる可能性はある。マレーシア航空は事故からわずか3日後の20日、クアラルンプール発ロンドン行きの4便を、内戦が続くシリア上空に飛行させ、再び批判にさらされている。
民間航空機の飛行ルートを追跡するウェブサイト「フライトレーダー24」によれば、4便(エアバスA380型機)は南側のヨルダンからシリア上空に入り、北西方向にシリアを横切って地中海に抜けていた。
これに対してマレーシア航空は声明を出し、飛行ルートはどんな規制にも違反していないと反論している。
「マレーシア航空4便の飛行計画は、国際民間航空機関(ICAO)が承認した飛行ルートと合致している。シリア民間航空局の航空情報によれば、シリア上空は飛行禁止の対象にはなっていない。4便は常時、ICAOが承認した空域を飛行していた。マレーシア航空は、乗客と乗員の安全を最優先している」と、声明は述べている。
建前上、マレーシア航空は正しい。ICAOは、民間航空会社に対してシリア上空の飛行を禁止していない。しかしICAOは、昨年3月に出した文書でシリア上空の飛行が極めて危険だと警告している。
「ダマスカス飛行情報区(シリア上空)を通過する民間航空機が巻き込まれる事件が最近発生している」と、ICAOのレイモンド・ベンジャミン事務局長はこの文書で警告している。「民間航空機が予期せぬ砲弾やミサイル攻撃のすぐ近くを飛行していたケースもあった」
他社との競争に晒される航空会社が、飛行時間の短縮や燃料コストの節約のために、紛争地域の上空と知りつつ飛行することは、よくあることだという。特にマレーシア航空は、今年3月にクアラルンプールから北京に向かっていた370便が南シナ海上空で消息を絶って行方不明になる事故が起こって以来、乗客が激減して経営が悪化していた。
アルベルト・リバ