バラク・オバマ米大統領が「拷問」と呼んだCIA(中央情報局)の「強化尋問テクニック」。米上院情報委員会が9日に発表した報告書の要旨で、その残酷きわまりない実態が明らかになった。
CIAはすでにテロ容疑者にこうした尋問を行っていたことを認め、テロに関する「唯一無二の、その他の方法では入手不可能な」情報を得るためには有用なテクニックだと主張してきた。しかし報告書を見ると、こうした手法が有効だった事例はほとんどなく、CIAは関係当局に事実を隠蔽するような報告を行っていた疑いがある。
CIAが用いた残酷なテクニックの代表格が水責めだ。傾斜した板に足を上にして容疑者を固定し、鼻と口に水を注ぎ続けて溺死寸前の状態に追い込む。CIA内部ではイニシャルのKSMで通っていたアルカイダの大物幹部ハリド・シェイク・モハメドには、水責めによる尋問が15セッション行われた(1回のセッションで繰り返し水責めに遭わされる)。
睡眠を奪うこともCIAの常套手段だ。テロ容疑者は「最高180時間、通常は立ったままか、苦痛を伴う姿勢で、ときには両手を縛って頭上に上げさせたまま」一睡もできなかったと、報告書は述べている。「長期間睡眠を奪われた被収容者のうち、少なくとも5人が幻覚に苦しむようになったが、そのうち少なくとも2人に対して、この処置が続行された」
CIAの内部文書から、長時間苦痛を与え続ける手段として、無理な姿勢をとらせる拷問が日常的に行われていたことが分かる。KSMに対する「最初の水責めセッションは30分間行われ、それに続いて体を横にした無理な姿勢をとらせたが、このやり方はCIA本部が事前に許可していなかったものだ」と、報告書は指摘している。「(グアンタナモ米軍)基地の責任者は法的に問題になるのを恐れて、医療スタッフにこの尋問について(上層部に)報告しないよう命じた」
また報告書によると、アブ・ズベイダ容疑者は「棺桶サイズ」の箱に11日と2時間閉じ込められ、引き続き「幅52.5センチ、奥行きと高さ0.75メートルの窮屈な箱」に29時間閉じ込められた。
報告書はさらに、「上級の尋問官」の証言として、「『自分たちが確認できただけでも』17日間立ったまま壁に鎖で縛り付けられていた収容者がいた」と語っている。
顔に平手打ちをくらわせる、全裸にする、壁にぶつけるなどの手法が多くの場合、複数同時に用いられていた。数人の尋問者が容疑者を取り巻き、「母親を連れてきて、目の前で性的に虐待してやろうか」とすごむこともあったという。
報告書は「荒っぽい連行」と呼ばれていた手法も伝えている。「5人ほどの捜査官が収容者に向かって怒鳴り散らし、独房から引きずりだして、衣服を切り裂き、絶縁テープで縛って体の自由を奪い、フードを被せ、長い廊下を延々と引き回しながら、平手打ちやパンチをくらわせる」というものだ。
食事と水分を摂ることを拒否した容疑者には「直腸から」の水分と栄養補給が強制された。ある容疑者は「無理やり直腸からボトル2本分の栄養ドリンクを注入され、その後同じ日に『ランチ・トレー』と称して、ヒヨコマメとゴマのペースト、ソースを絡めたパスタ、ナッツ、干しぶどうを『ビューレ状』にしたものを直腸に注入された」という。
こうした尋問に耐えかねて、自殺を図る容疑者も続出した。報告書要旨の序文で、ダイアン・ファインスタイン上院議員はCIAのテロ容疑者の扱いを「アメリカの法律にも、国際条約の遵守義務にも、アメリカ人の価値観にも反する」として、厳しく糾弾している。
テイラー・ウォーフォード
CIAはすでにテロ容疑者にこうした尋問を行っていたことを認め、テロに関する「唯一無二の、その他の方法では入手不可能な」情報を得るためには有用なテクニックだと主張してきた。しかし報告書を見ると、こうした手法が有効だった事例はほとんどなく、CIAは関係当局に事実を隠蔽するような報告を行っていた疑いがある。
CIAが用いた残酷なテクニックの代表格が水責めだ。傾斜した板に足を上にして容疑者を固定し、鼻と口に水を注ぎ続けて溺死寸前の状態に追い込む。CIA内部ではイニシャルのKSMで通っていたアルカイダの大物幹部ハリド・シェイク・モハメドには、水責めによる尋問が15セッション行われた(1回のセッションで繰り返し水責めに遭わされる)。
睡眠を奪うこともCIAの常套手段だ。テロ容疑者は「最高180時間、通常は立ったままか、苦痛を伴う姿勢で、ときには両手を縛って頭上に上げさせたまま」一睡もできなかったと、報告書は述べている。「長期間睡眠を奪われた被収容者のうち、少なくとも5人が幻覚に苦しむようになったが、そのうち少なくとも2人に対して、この処置が続行された」
CIAの内部文書から、長時間苦痛を与え続ける手段として、無理な姿勢をとらせる拷問が日常的に行われていたことが分かる。KSMに対する「最初の水責めセッションは30分間行われ、それに続いて体を横にした無理な姿勢をとらせたが、このやり方はCIA本部が事前に許可していなかったものだ」と、報告書は指摘している。「(グアンタナモ米軍)基地の責任者は法的に問題になるのを恐れて、医療スタッフにこの尋問について(上層部に)報告しないよう命じた」
また報告書によると、アブ・ズベイダ容疑者は「棺桶サイズ」の箱に11日と2時間閉じ込められ、引き続き「幅52.5センチ、奥行きと高さ0.75メートルの窮屈な箱」に29時間閉じ込められた。
報告書はさらに、「上級の尋問官」の証言として、「『自分たちが確認できただけでも』17日間立ったまま壁に鎖で縛り付けられていた収容者がいた」と語っている。
顔に平手打ちをくらわせる、全裸にする、壁にぶつけるなどの手法が多くの場合、複数同時に用いられていた。数人の尋問者が容疑者を取り巻き、「母親を連れてきて、目の前で性的に虐待してやろうか」とすごむこともあったという。
報告書は「荒っぽい連行」と呼ばれていた手法も伝えている。「5人ほどの捜査官が収容者に向かって怒鳴り散らし、独房から引きずりだして、衣服を切り裂き、絶縁テープで縛って体の自由を奪い、フードを被せ、長い廊下を延々と引き回しながら、平手打ちやパンチをくらわせる」というものだ。
食事と水分を摂ることを拒否した容疑者には「直腸から」の水分と栄養補給が強制された。ある容疑者は「無理やり直腸からボトル2本分の栄養ドリンクを注入され、その後同じ日に『ランチ・トレー』と称して、ヒヨコマメとゴマのペースト、ソースを絡めたパスタ、ナッツ、干しぶどうを『ビューレ状』にしたものを直腸に注入された」という。
こうした尋問に耐えかねて、自殺を図る容疑者も続出した。報告書要旨の序文で、ダイアン・ファインスタイン上院議員はCIAのテロ容疑者の扱いを「アメリカの法律にも、国際条約の遵守義務にも、アメリカ人の価値観にも反する」として、厳しく糾弾している。
テイラー・ウォーフォード