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イタリアメディアを脅かすマフィアの暴力

ニューズウィーク日本版 2015年2月25日 14時43分

 イタリアでマフィアによるジャーナリストへの暴力行為が最も過激化したのは90年代のこと。だが最近になって、マフィアのメディア攻撃が再び激しさを増している。

 マフィア一族の犯罪について報じた新聞記者が殺害予告を受けて警察の保護下に置かれたり、飼い犬を殺されたりするケースが続発。昨年1〜10月の調査では、ジャーナリストへの身体的攻撃が43件、自宅や車への放火事件が7件報告されている。

 身の危険を感じる状況で、自由で公正な報道をするのは容易なことではない。NGOの国境なき記者団が先週発表した今年の「報道の自由度ランキング」で、イタリアは180カ国中73位。昨年の49位から大きく順位を下げた理由の1つとして、マフィアからの圧力が強まっていることが挙げられた。

 記者が名誉毀損で訴えられるケースが増えていることも、イタリアメディアの手足を縛っている。裁判に負けて巨額の賠償金の支払いを命じられるリスクを考え、報道内容を自己規制する記者も少なくない。

[2015.2.24号掲載]
キャサリン・フィリップス

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