それはまるで、米ソ冷戦を描いた映画のワンシーンのようだった。今週初めのある夕方、バルト海の公海上で行われていたNATO(北大西洋条約機構)の合同軍事演習「BALTOPS 2015」の最中に、ロシア軍機が飛来。艦船や航空機の上空を飛行した。
米強襲揚陸艦サン・アントニオの海兵隊員がその撮影に成功し、米海軍がユーチューブに動画を公開した。それを見ると、艦船の上空を2機の未確認ジェット機が低高度、高速度で飛んでいるのがわかる。
「ロシア空軍のおかげで、米海軍と海兵隊は演習中に航空ショーを楽しめた」と、皮肉たっぷりの説明文が動画には付いている。
この合同軍事演習には、艦船に加え、5600人の地上部隊が参加。6月5日に始まり、19日まで続く予定だ。米海軍の公式サイトによれば、海上演習の目的は「幅広い作戦領域における協力体制、知識、技術を維持し、個々の部隊及び多国籍軍の能力を高めること」だという。
最近はバルト海だけでなく黒海でも、ロシア軍機が米海軍の軍艦上空に現れ、騒ぎになった。
NATO諸国の領空侵犯を繰り返す
今回の軍事演習にはNATO加盟の14カ国に加え、フィンランド、スウェーデン、ジョージア(グルジア)が参加したが、事前のNATOによる発表によれば特定の脅威を対象とするものではなく、現に今年で43年目となる恒例の演習だ。
しかし今年はその重要性がかつてないほど高まっており、ロシア機「乱入」も偶然とは思えない。昨年3月、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ南部のクリミア自治共和国を併合。その後も1年以上、ロシアはウクライナ東部の親ロシア派武装勢力を支援しており、欧米との関係は非常に悪化している。
ロシアはウクライナの親ロシア派への支援を否定しているが、欧米は昨年からロシアに経済制裁を実施している。一方、ロシアは何百回もNATO諸国の領空侵犯を繰り返し、東西冷戦終結以来最大ともいえる緊張状態にある。
ここ数週間、ウクライナ東部では戦闘が再燃、激しさを増している。今週、ウクライナ政府は8人の兵士が死亡、5人が負傷したと発表した。2月に結ばれた停戦協定はすでに有名無実化してしまったようだ。
クリストファー・ハーレス
米強襲揚陸艦サン・アントニオの海兵隊員がその撮影に成功し、米海軍がユーチューブに動画を公開した。それを見ると、艦船の上空を2機の未確認ジェット機が低高度、高速度で飛んでいるのがわかる。
「ロシア空軍のおかげで、米海軍と海兵隊は演習中に航空ショーを楽しめた」と、皮肉たっぷりの説明文が動画には付いている。
この合同軍事演習には、艦船に加え、5600人の地上部隊が参加。6月5日に始まり、19日まで続く予定だ。米海軍の公式サイトによれば、海上演習の目的は「幅広い作戦領域における協力体制、知識、技術を維持し、個々の部隊及び多国籍軍の能力を高めること」だという。
最近はバルト海だけでなく黒海でも、ロシア軍機が米海軍の軍艦上空に現れ、騒ぎになった。
NATO諸国の領空侵犯を繰り返す
今回の軍事演習にはNATO加盟の14カ国に加え、フィンランド、スウェーデン、ジョージア(グルジア)が参加したが、事前のNATOによる発表によれば特定の脅威を対象とするものではなく、現に今年で43年目となる恒例の演習だ。
しかし今年はその重要性がかつてないほど高まっており、ロシア機「乱入」も偶然とは思えない。昨年3月、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ南部のクリミア自治共和国を併合。その後も1年以上、ロシアはウクライナ東部の親ロシア派武装勢力を支援しており、欧米との関係は非常に悪化している。
ロシアはウクライナの親ロシア派への支援を否定しているが、欧米は昨年からロシアに経済制裁を実施している。一方、ロシアは何百回もNATO諸国の領空侵犯を繰り返し、東西冷戦終結以来最大ともいえる緊張状態にある。
ここ数週間、ウクライナ東部では戦闘が再燃、激しさを増している。今週、ウクライナ政府は8人の兵士が死亡、5人が負傷したと発表した。2月に結ばれた停戦協定はすでに有名無実化してしまったようだ。
クリストファー・ハーレス