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仕事に集中できない97%のネットユーザーのための「監禁」デバイス

ニューズウィーク日本版 2015年7月9日 19時50分

 インターネットで仕事をすると、ついつい関係のないサイトをのぞいて遊んでしまいがち。最近の調査では、35歳未満の就労者の73%が仕事中にネットで遊ぶことがあると答えている。

 何とか誘惑に打ち勝って、仕事効率を上げたい──そんなニーズに応える新製品が近く発売になる。

 北京に拠点を置くスタートアップ企業、セイント(スペルはSaent)は、仕事や勉強と関係のない「非生産的」なサイトやアプリケーションの利用をブロックして、生産性を上げるデバイスと付属アプリを開発した。デスク上に置いたデバイスにタッチすると、バーチャルな「監禁」状態になり、設定した作業時間(30、50、90分間)内はソーシャルメディアなどを使えなくなる。監禁が解けるとデバイスが光って「遊んでいいよ」と知らせてくれる。

 セイントによると、オンライン上でマルチタスクを効率的にこなせるのは、ネットユーザーのわずか3%程度。圧倒的多数のユーザーは、様々な仕事や仕事と無関係なサイトを渡り歩く「タスク・スイッチャー」。注意散漫になってミスを犯し、結果はお粗末なものになる。セイントのデバイスは、ユーザーが「もっと集中してより生産的な時間の使い方」をするようサポートする

 フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアのほかにはどんなサイトがブロックの対象になるのかなど、詳細はまだ明らかにされていない。

 セイントの創設者で北京在住のオランダ人、ティム・メッツによると、アプリはスタンドアローンでも使えるが、ワイヤレスのデバイスがロングセラーの決め手になるという。

資金調達も順調、先行予約も

 セイントのアプリをブルートゥースでパソコンと接続すれば、作業パターンに関するデータを集め、作業の進捗状況を追跡できる。1日のうち、どの時間帯が最も生産的で、どの時間帯に効率が落ちるかもチェックできる。

「データという目に見える形で初心を思い出させるモノがあれば、習慣を変える効果は絶大だ」と、メッツは話す。

 家族や同僚との競争を励みにするため、アプリのダッシュボードに作業の達成度をポイント表示する機能もある。

 メッツはクラウドファンディングの草分けサイト「インディーゴーゴー」で資金を調達し、昨年セイントを立ち上げた。インディーゴーゴーでは、セイント製品の先行予約も受け付けている。

 セイントのデバイスとアプリは今年11月以降にリリースされる予定で、価格は49〜60ドルになる見込みだ。

アイリッシュ・オガラ

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