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ターミネーターとロボニャンが奇跡の対面!

ニューズウィーク日本版 2015年7月10日 17時50分

 1984年に初公開された『ターミネーター』当時、若手俳優の中でも注目を集めていたアーノルド・シュワルツェネッガーを主役に抜擢し、一躍スターダムにのし上げた同作は、その後シリーズ化され、これまで全4作を発表。シリーズ全世界累計興行収入はおよそ1680億円以上、日本でも220億円を超える空前の大ヒットを記録した。映画の代名詞とも言える、シュワルツェネッガー演じるターミネーターの「I'll be back(また戻ってくる)」の名セリフを聞けば、「あの映画か」と思い出す人も多いだろう。

 映画史上、もっとも成功したこのSFアクション映画を支えたのは、もちろん、そのストーリー性や描写の素晴らしさもあるが、やはりシュワルツェネッガーの存在が大きい。ところが2009年に公開された「ターミネーター4」では、シュワルツェネッガーの出演はなく、さらに制作会社が倒産。実は、「ターミネーター4」はその後に続く第5作目以降の序章となる作品と位置付けられていたが、続編の制作中止が発表され、ファンは二重に失望させられることになった。

「これはリメイクじゃないし、リブートでもない。」

 しかし、その後、「スカイダンス・プロダクションズ」が映画化権を獲得。新作のプロジェクトは再び動き出し、今年ついに完成した。ファン待望のシリーズ5作目となる「ターミネーター:新起動/ジェニシス」は、7月10日(金)から劇場公開される。リブート作品と言われているが、実はそうではない。制作総指揮を務めたミーガン・エリソンは、次のように語っている。

「これはリメイクじゃないし、リブートでもない。ましてや続編でもない。ターミネーター1・2の監督を務めたジェームズ・キャメロンが創造した作品を元にした、リイマジニング=再構成版なんだ」

 基本となるストーリーは変わっていないが、そこにはさまざまな新展開が待っている。新旧ターミネーター対決や、ターミネーターが守護神となってサラ・コナーの父親役になっていたり、さらに新しいターミネーターが登場するなど、話題はたくさんある。その中でも最大の注目は、やはりシュワルツェネッガーが「ターミネーター3」以来、12年ぶりに主演に復帰したこと。さらに興味深いのは1作目から30年経った現在、67歳になったシュワルツェネッガーが、今作ではスクリーンでも年を重ねたターミネーターという設定で登場するのだ。

 そのシュワルツェネッガーが、「ターミネーター:新起動/ジェニシス」の日本公開に先立ち、7月6日(月)に六本木ヒルズアリーナで開催された「ジャパンプレミア」レッドカーペット・イベントに登場した。サラ・コナーを演じるエミリア・クラークとともに、レッドカーペットで、サインや写真撮影に応じ、ファンを熱狂させた。
「12年前に『I'll be back』と言った約束を守り、日本に来ました。今回の『ターミネーター:新起動/ジェニシス』では年をとったターミネーターを演じましたが、でもどうでしょう。私は見ての通り若いので、ちゃんと設定のような年寄りの役を演じられたのか心配です(笑)」とコメント。その結論は、映画の中で確認していただきたい。

世界進出を発表した「妖怪ウォッチ」のロボニャンも登場

 また、この「ジャパンプレミア」レッドカーペット・イベントには、ターミネーターとゆかりのゲストも出席。その中には、現在、小・中学生を中心に一大ブームとなっている「妖怪ウォッチ」のロボニャンの姿もあった。ロボニャンとは、ジバニャンの未来の姿で、実際に未来からやってきたロボットの妖怪。ロボニャンの決めゼリフである「アイルビーバック」はターミネーターの名セリフを彷彿とさせる。

「妖怪ウォッチ」は、原作ゲームのシリーズ累計出荷本数が『妖怪ウォッチ』『妖怪ウォッチ2 元祖/本家/真打』で750万本越え(DL版含む)、さらに2014年に公開された「映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」は、興行収入77億円を記録した日本を代表するコンテンツのひとつ。今後はアメリカを中心とした世界進出も発表され、その勢いは未だ止まらない状況だ。「妖怪ウォッチ」の強みは、ゲームを軸に、アニメ、コミック、さまざまなグッズを展開するクロスメディアプロジェクト作品であること。すでに世界有数の玩具会社「ハズブロ」、さらにテレビ放送ではアメリカの大手キッズチャンネル「ディズニーXD」とタッグを組むことが決定し、準備は万全だ。日本で社会化現象を巻き起こしている、ホットなコンテンツが、アメリカでどこまで飛躍するのか、ビジネスシーンでも注目が集まりそうだ。

 そんな「妖怪ウォッチ」にとって、今回のシュワルツェネッガーとの対面は、あらたなコラボレーション企画誕生の予感?と想像するのは早急だろうか。日本のゲームやアニメは、今では世界的にも評価が高く、日本経済にとっても重要な市場だ。クールジャパンのコンテンツのひとつとして、アメリカに渡った「妖怪ウォッチ」が成功を収め、さらにターミネーターと絡んだオリジナルの新しい展開を見せれば、もしかしたらロボニャンは世界的なヒーローになる可能性もあるはず。

 わずか数分だが、六本木ヒルズアリーナで実現したこの奇跡の対面が、そんな壮大な夢物語の始まりになることを期待したい。

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