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「中絶ドローン」がポーランドへ飛ぶ

ニューズウィーク日本版 2015年7月13日 18時49分

 カトリック国家ポーランドでは人工妊娠中絶が厳しく制限されている。認められるのはレイプ被害者など一部の例外のみ。そのため、望まない妊娠をした多くの女性は違法な中絶手術を受けざるを得ず、その数は毎年5万件に上る。

 そこで女性の権利拡大を訴えるオランダの非営利団体ウィメン・オン・ウェーブズは、中絶用ピルをドローン(無人機)でポーランド領内に届けることを計画した。妊娠9週までの女性がこの薬を内服すると自然の流産と同じような状態が生じ、外科手術なしで安全に妊娠を終了させられる。

「中絶ドローン」第一号は先週末にドイツ中部のフランクフルトを出発。ドイツ国境に近いポーランドの町スウビツェで薬を落とし、それを地元の女性団体などが配布するという。

 レベッカ・ゴンパーツ代表によれば、活動の狙いは「中絶が禁じられている国で女性がさらされる社会的不公正に注目を集めること」。ポーランドと同様に中絶が違法とされるアイルランドでも、中絶ドローンの活用を検討しているという。

[2015.7. 7号掲載]
アイリッシュ・オガラ

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