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Uberにつづいて、シェアで車社会の不便を解消するサービスがぞくぞく登場

ニューズウィーク日本版 2015年8月25日 16時0分

 "空き"の有効活用がどんどん加速化してる。「シェアリングサービス」などとも呼ばれるが、そんなサービスの代表格がハイヤー配車サービスの「Uber」だ。先日のロイターの記事 によると、同社の今年の予約売上げは108億4,000万ドルが見込まれている。

 アメリカのロサンゼルスに移住してから、Uberには頻繁にお世話になっている。乗車する度に運転手とのおしゃべりが弾むのだが、そのほとんどが本業を別に持つ兼業者だ。電気修理屋さんから俳優に至るまで、空き時間を上手く活用してUberでお小遣い稼ぎをしている。

 車社会のアメリカでは、Uberを筆頭に車にまつわるサービスが次々に登場している。ニューヨークやサンフランシスコなどの都市圏にある不便が、駐車場が見つからないこと。レストランに行こうにも、近場に駐車スペースの空きがなく、ぐるぐる周辺を走り続けることも少なくない。そんな不便を解消してくれるのが、「MonkeyParking」や「Haystack」などのバレーパーキングだ。




 また、サンフランシスコの「Shuddle」は、家族のためのライドシェアを提供している。両親が子どもの学校への送り迎えなどができない場合に、子どもを送り迎えしてくれるもの。Forbesの記事によると、新たに近所の車とカープール(相乗り)できるサービスも開始したようだ。カープールの値段は、子ども1人につき8ドル。車に乗ると、両親にはスマホで現在地がわかる仕組みで安心なのだと言う。




 日本、アメリカ、イギリス、イスラエルなどさまざまな国のスタートアップと話す機会があるが、その土地柄や文化が面白いほどサービス内容に反映されている。アメリカで車関連のサービスが多く登場し、浸透しているのは、車移動が大前提の社会だからこそだ。

 しかし、国やサービス内容が違っても、何かしらインパクトをもたらすことに成功しているサービスには、「不便の解消」を試みているという共通点がある。今後も、この「困りごとの解決」にチャレンジするさまざまなサービスやトレンドを紹介していくつもりだ。


[執筆者] 三橋ゆか里(ITライター)
フリーランスのITライター。IT系メディア「The Bridge」や、女性誌「Numero」や「Hanako」などで幅広く執筆。三省堂の「ICTことば辞典」を共著。現在はロサンゼルスに在住しながら、世界各国のスタートアップを取材し続けている。


三橋ゆか里(ITライター)

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