※インタビュー前編:個人の身の丈に合った「ナリワイ」で仕事と生活を充実させる
会社員が「ナリワイ」を持つことのメリットとは
個人が少ない元手と多少の訓練で始められる事業を「ナリワイ(生業)」として実践していることを前編で話しました。
儲かるところには人が押し寄せます。そこを避けて、ほどほどにやるのも平和に生きたい人の処世術ということで、大規模化しないものをナリワイのタネに選んでいますが、まだまだ空き地はあって参入の余地は大きいと思います。
例えばこれは島根県の話ですけど、山あいのエリアに移住してきた人は小さな仕事をいくつか組み合わせて生計を立てていることが多いそうです*。まさにナリワイの発想ですよね。中山間地域は生活コストが低いから支出を押さえられますし、企業が進出しないので隙間を埋めるサービスを個人が展開しやすいこともあるでしょう。こういう志向性のある人はいるところにはいるわけです。
【参考記事】「ホームレス」を生み出さない社会を目指して
自分自身に紐づくセーフティネットが得られる
興味があれば、会社勤めをしながらナリワイを実践することも可能でしょう。タイの武者修行ツアーを企画している人も、普段は会社で通訳の仕事をしています。もちろん副業規定に違反しない範囲でということになりますけどね。
ただ、人事に詳しいある方は「独自に稼げるほど能力のある人をクビにする会社はありません」と言っていました。よほど辞めさせたい人なら副業を理由にクビにする、でもそういう人はこの時代どちらにしてもリストラされますよ、と。そう考えると、やる気があるなら副業に挑戦した方がいいのかもしれません。
別に会社勤めをしている人に退職をけしかけているわけじゃないんですよ。ただ、ナリワイという選択肢もあるよということを伝えたい。
会社だけに収入を頼ることは今の時代リスクでもあるし、閉塞的な環境で働くストレスもあります。僕自身かつて会社勤めをしていたときは、相当な無理をして心身ともにボロボロでした。それがナリワイを始めて自分のペースで仕事も生活もできるようになったし、何より人間関係が大きく広がって精神的な安定にもつながっていきました。会社やポジションに紐づくのではなく、自分自身に紐づくセーフティネットが得られるということです。
【参考記事】「独立から起業へ」飛躍するために必要なこと
いま会社勤めをしている人がナリワイを始めようと思ったとしても、別にすぐ辞めなくていいと思います。ナリワイ的生き方を視野に入れながら今は会社の仕事を一生懸命やるのもいいだろうし、会社8割ナリワイ2割とか比重を変えるのでもいいでしょう。それでも会社勤め以外に生計を立てる方法があることを知っておくだけで、だいぶ気分が違うんじゃないでしょうか。
ナリワイと会社勤務が相互に行き来できる世の中に
一方で、ナリワイは企業のビジネスに可能性をもたらすものでもあると思います。
個人がビジネスをやりやすくするツールを作れば事業として成り立ちます。決済システムは格段に進歩しているし、Airbnbも個人が宿泊体験業をやるためのインフラともいえますよね。個人レベルの小さな事業は企業から見れば魅力的に映らないかもしれないけれど、でもだからこそ取り組んでみると他の企業が得られない鉱脈を見つけられるかもしれません。
それから、会社組織では基本的に分業が行われているので、ナリワイを通して事業の川上から川下まで経験すると個人の対応力が上がります。自分で作ったものは自分で販売せざるを得ないので、会社で販売を担当していなくても、なるほどこういうことかと理解が深まる。そういう人が仕事をした方が部門間の連携もスムーズに行くはずだし、それは会社にとってもメリットになるでしょう。
もう1つ、ユーザーや市場からのフィードバックをダイレクトに受けられるので、やる気が高まるのも利点です。僕自身、遊撃農家でミカンを販売して、お客さんから「めっちゃうまくて、あっという間になくなりました」とか言われるとやってよかったと思います。会社で販売以外の仕事に従事していたら、こういう生の声に触れることもできません。
究極的には、ナリワイと企業勤めの間の垣根が低くなることが望ましいですね。タイミングが合ったからナリワイをしばらく休んで数年企業で働くとか、相互の行き来がしやすい世の中になればいい。固定されたり選択肢が限られたりするよりは、風通しがいい方が生活も仕事ものびのびできますよね。
ナリワイ的生き方に身を投じる前に自分が譲れないものを明確にしておく
僕の場合、今のところ食べていくのに困らない収入は得られています。たまに海外調査に行って、新しいツアーのヒントになりそうな面白い場所を探るくらいのことができて、美術作家の作品が2、3点買えるかなという感じ。先ほどの島根の例でも、家族を養いながらナリワイ的な生き方をしている人が多いわけで、やろうと思えばできることなんです。
ただ、ナリワイ的生き方に身を投じる前に、自分にとって譲れないものが何かを明確にしておく必要はあろうかと思います。中高一貫の私立校に子どもを入れさせたい、それ以外の道は考えられないというような価値観の人には向いていません。自分たちが健康に暮らしていくのはともかく、子どもの大学進学や留学の際に世間的なステータスを求める姿勢は噛み合わないと思います。
伊藤氏はできる範囲で名刺を手書きしている。出会いを大切にする姿勢がにじみ出ているようだ。
「ハイコストなものもみんなで共有すれば維持できるし、面白いことにも出合える」と、シェアオフィス「スタジオ4」(東京・品川)を運営。これも伊藤氏のナリワイの1つだ。
それから年金についてよく質問を受けますが、これについては会社勤めを全うしたところでちゃんと厚生年金がもらえるのか、そもそも国の年金制度が永続的に機能するのかという疑問もあります。
なので年金というより、引退した後どうするか、貯金でやっていくのか、引退してもできる仕事を考えるのか、何らかのビジネスオーナーで多少の収入をもらうのかといった選択肢をこれからの日本人は考えることになると思います。ナリワイ的生き方では、生涯現役かつゆるやかに自給的生活にシフトしていく、ということをイメージしています。さまざまなナリワイを経験していけば、低コストで楽しく生きていける技が溜まっていくのではないでしょうか。
海外でナリワイ的生き方がどう受け止められるか
ナリワイの今後の展開としていくつか考えていることがあります。
1つは、海外にこういう考え方がどう受け止められるかを確かめたい。『ナリワイをつくる』という僕の本の韓国語版を読んだ韓国人の方が、土窯パン屋のワークショップにいらしたんですよ。読んで行動した人がいたことに可能性を感じます。
韓国語版はエージェントから勧められての発行でしたけど、さらに他の国でも展開できればと思って、先日は友人に紹介してもらって台湾の出版社に台湾語ができる人と押しかけて直談判しました(笑)。ついでに台湾で仕事を作れたらいいなとも目論んでいます。個人の働き方と生き方と現代社会システムとの関係性は世界的なテーマであると思うので、日本にこだわりはないです。
あとは個人的に作ったいろいろなナリワイについて、他の人が始めやすくする情報インフラを作れたらと思っています。シンプルなウェブサイトで、告知ができる程度でもいいかもしれません。
それから土窯パン屋のような暮らし方と生業のワークショップについてはバリエーションを増やそうと思っています。例えば豆腐屋さんや製塩業など田舎でやれる自営業のモデルをいろいろ発掘して、そこに直接見習いできる学校をやりたいなと。これは編集やライターをしている人の協力をまず得て、現場を取材して一緒にプログラムを考えて、募集の文章を書いて受付対応するという流れになると思います。他の人にも利益が回ることを仕事にしていけたらいいですね。
武者修行ツアーも、モンゴルとタイ以外の国へ発展させていきたい。「フィンランドでやってほしい」という声もあがっているので、実現に向けて模索しているところです。いろいろ計画があるので楽しみながら進めていきたいと思っています。
WEB限定コンテンツ
(2015.10.23 品川区のスタジオ4にて取材)
※インタビュー前編:個人の身の丈に合った「ナリワイ」で仕事と生活を充実させる
「個人で元手が少なく多少の訓練ではじめられて、やればやるほど健康になり技が身につき、仲間が増える仕事」をナリワイとして伊藤洋志氏が提唱。自力で仕事や生活を作る人のネットワークでもある。2007年より活動。
http://nariwai.org/
伊藤氏の著書『小商いのはじめかた――身の丈にあった小さな商いを自分ではじめるための本』(東京書籍)では、ナリワイの作り方を具体的に指南している。
* 島根県では平成10年に「中山間地域研究センター」を設立。翌11年に「島根県中山間地域活性化基本条例」を制定し、中山間地対策を最重要課題と位置づけた。 県が目指す中山間地域の姿は「にぎわい」「生きがい」「なりわい」「助けあい」があるというもの。「半農半X」や「6次産業化」も活用しながら、個人が複数の事業を組み合わせて生計を立てることを推進している。
伊藤洋志(いとう・ひろし)1979年生まれ。香川県丸亀市出身。京都大学大学院農学研究科森林科学専攻修士課程修了。「ナリワイ」代表。会社員、ライターを経て、2007年より、生活の中から生み出す頭と体が鍛えられる仕事をテーマにナリワイづくりを開始。現在、シェアオフィスの運営や、「モンゴル武者修行ツアー」、「熊野暮らし方デザインスクール」の企画、「遊撃農家」などのナリワイの傍ら、床張りだけができるセミプロ大工集団「全国床張り協会」といった、ナリワイのギルド的団体運営等の活動も行う。著書に『ナリワイをつくる』、共著に『フルサトをつくる』(ともに東京書籍)。
※当記事はWORKSIGHTの提供記事です
WORKSIGHT
会社員が「ナリワイ」を持つことのメリットとは
個人が少ない元手と多少の訓練で始められる事業を「ナリワイ(生業)」として実践していることを前編で話しました。
儲かるところには人が押し寄せます。そこを避けて、ほどほどにやるのも平和に生きたい人の処世術ということで、大規模化しないものをナリワイのタネに選んでいますが、まだまだ空き地はあって参入の余地は大きいと思います。
例えばこれは島根県の話ですけど、山あいのエリアに移住してきた人は小さな仕事をいくつか組み合わせて生計を立てていることが多いそうです*。まさにナリワイの発想ですよね。中山間地域は生活コストが低いから支出を押さえられますし、企業が進出しないので隙間を埋めるサービスを個人が展開しやすいこともあるでしょう。こういう志向性のある人はいるところにはいるわけです。
【参考記事】「ホームレス」を生み出さない社会を目指して
自分自身に紐づくセーフティネットが得られる
興味があれば、会社勤めをしながらナリワイを実践することも可能でしょう。タイの武者修行ツアーを企画している人も、普段は会社で通訳の仕事をしています。もちろん副業規定に違反しない範囲でということになりますけどね。
ただ、人事に詳しいある方は「独自に稼げるほど能力のある人をクビにする会社はありません」と言っていました。よほど辞めさせたい人なら副業を理由にクビにする、でもそういう人はこの時代どちらにしてもリストラされますよ、と。そう考えると、やる気があるなら副業に挑戦した方がいいのかもしれません。
別に会社勤めをしている人に退職をけしかけているわけじゃないんですよ。ただ、ナリワイという選択肢もあるよということを伝えたい。
会社だけに収入を頼ることは今の時代リスクでもあるし、閉塞的な環境で働くストレスもあります。僕自身かつて会社勤めをしていたときは、相当な無理をして心身ともにボロボロでした。それがナリワイを始めて自分のペースで仕事も生活もできるようになったし、何より人間関係が大きく広がって精神的な安定にもつながっていきました。会社やポジションに紐づくのではなく、自分自身に紐づくセーフティネットが得られるということです。
【参考記事】「独立から起業へ」飛躍するために必要なこと
いま会社勤めをしている人がナリワイを始めようと思ったとしても、別にすぐ辞めなくていいと思います。ナリワイ的生き方を視野に入れながら今は会社の仕事を一生懸命やるのもいいだろうし、会社8割ナリワイ2割とか比重を変えるのでもいいでしょう。それでも会社勤め以外に生計を立てる方法があることを知っておくだけで、だいぶ気分が違うんじゃないでしょうか。
ナリワイと会社勤務が相互に行き来できる世の中に
一方で、ナリワイは企業のビジネスに可能性をもたらすものでもあると思います。
個人がビジネスをやりやすくするツールを作れば事業として成り立ちます。決済システムは格段に進歩しているし、Airbnbも個人が宿泊体験業をやるためのインフラともいえますよね。個人レベルの小さな事業は企業から見れば魅力的に映らないかもしれないけれど、でもだからこそ取り組んでみると他の企業が得られない鉱脈を見つけられるかもしれません。
それから、会社組織では基本的に分業が行われているので、ナリワイを通して事業の川上から川下まで経験すると個人の対応力が上がります。自分で作ったものは自分で販売せざるを得ないので、会社で販売を担当していなくても、なるほどこういうことかと理解が深まる。そういう人が仕事をした方が部門間の連携もスムーズに行くはずだし、それは会社にとってもメリットになるでしょう。
もう1つ、ユーザーや市場からのフィードバックをダイレクトに受けられるので、やる気が高まるのも利点です。僕自身、遊撃農家でミカンを販売して、お客さんから「めっちゃうまくて、あっという間になくなりました」とか言われるとやってよかったと思います。会社で販売以外の仕事に従事していたら、こういう生の声に触れることもできません。
究極的には、ナリワイと企業勤めの間の垣根が低くなることが望ましいですね。タイミングが合ったからナリワイをしばらく休んで数年企業で働くとか、相互の行き来がしやすい世の中になればいい。固定されたり選択肢が限られたりするよりは、風通しがいい方が生活も仕事ものびのびできますよね。
ナリワイ的生き方に身を投じる前に自分が譲れないものを明確にしておく
僕の場合、今のところ食べていくのに困らない収入は得られています。たまに海外調査に行って、新しいツアーのヒントになりそうな面白い場所を探るくらいのことができて、美術作家の作品が2、3点買えるかなという感じ。先ほどの島根の例でも、家族を養いながらナリワイ的な生き方をしている人が多いわけで、やろうと思えばできることなんです。
ただ、ナリワイ的生き方に身を投じる前に、自分にとって譲れないものが何かを明確にしておく必要はあろうかと思います。中高一貫の私立校に子どもを入れさせたい、それ以外の道は考えられないというような価値観の人には向いていません。自分たちが健康に暮らしていくのはともかく、子どもの大学進学や留学の際に世間的なステータスを求める姿勢は噛み合わないと思います。
伊藤氏はできる範囲で名刺を手書きしている。出会いを大切にする姿勢がにじみ出ているようだ。
「ハイコストなものもみんなで共有すれば維持できるし、面白いことにも出合える」と、シェアオフィス「スタジオ4」(東京・品川)を運営。これも伊藤氏のナリワイの1つだ。
それから年金についてよく質問を受けますが、これについては会社勤めを全うしたところでちゃんと厚生年金がもらえるのか、そもそも国の年金制度が永続的に機能するのかという疑問もあります。
なので年金というより、引退した後どうするか、貯金でやっていくのか、引退してもできる仕事を考えるのか、何らかのビジネスオーナーで多少の収入をもらうのかといった選択肢をこれからの日本人は考えることになると思います。ナリワイ的生き方では、生涯現役かつゆるやかに自給的生活にシフトしていく、ということをイメージしています。さまざまなナリワイを経験していけば、低コストで楽しく生きていける技が溜まっていくのではないでしょうか。
海外でナリワイ的生き方がどう受け止められるか
ナリワイの今後の展開としていくつか考えていることがあります。
1つは、海外にこういう考え方がどう受け止められるかを確かめたい。『ナリワイをつくる』という僕の本の韓国語版を読んだ韓国人の方が、土窯パン屋のワークショップにいらしたんですよ。読んで行動した人がいたことに可能性を感じます。
韓国語版はエージェントから勧められての発行でしたけど、さらに他の国でも展開できればと思って、先日は友人に紹介してもらって台湾の出版社に台湾語ができる人と押しかけて直談判しました(笑)。ついでに台湾で仕事を作れたらいいなとも目論んでいます。個人の働き方と生き方と現代社会システムとの関係性は世界的なテーマであると思うので、日本にこだわりはないです。
あとは個人的に作ったいろいろなナリワイについて、他の人が始めやすくする情報インフラを作れたらと思っています。シンプルなウェブサイトで、告知ができる程度でもいいかもしれません。
それから土窯パン屋のような暮らし方と生業のワークショップについてはバリエーションを増やそうと思っています。例えば豆腐屋さんや製塩業など田舎でやれる自営業のモデルをいろいろ発掘して、そこに直接見習いできる学校をやりたいなと。これは編集やライターをしている人の協力をまず得て、現場を取材して一緒にプログラムを考えて、募集の文章を書いて受付対応するという流れになると思います。他の人にも利益が回ることを仕事にしていけたらいいですね。
武者修行ツアーも、モンゴルとタイ以外の国へ発展させていきたい。「フィンランドでやってほしい」という声もあがっているので、実現に向けて模索しているところです。いろいろ計画があるので楽しみながら進めていきたいと思っています。
WEB限定コンテンツ
(2015.10.23 品川区のスタジオ4にて取材)
※インタビュー前編:個人の身の丈に合った「ナリワイ」で仕事と生活を充実させる
「個人で元手が少なく多少の訓練ではじめられて、やればやるほど健康になり技が身につき、仲間が増える仕事」をナリワイとして伊藤洋志氏が提唱。自力で仕事や生活を作る人のネットワークでもある。2007年より活動。
http://nariwai.org/
伊藤氏の著書『小商いのはじめかた――身の丈にあった小さな商いを自分ではじめるための本』(東京書籍)では、ナリワイの作り方を具体的に指南している。
* 島根県では平成10年に「中山間地域研究センター」を設立。翌11年に「島根県中山間地域活性化基本条例」を制定し、中山間地対策を最重要課題と位置づけた。 県が目指す中山間地域の姿は「にぎわい」「生きがい」「なりわい」「助けあい」があるというもの。「半農半X」や「6次産業化」も活用しながら、個人が複数の事業を組み合わせて生計を立てることを推進している。
伊藤洋志(いとう・ひろし)1979年生まれ。香川県丸亀市出身。京都大学大学院農学研究科森林科学専攻修士課程修了。「ナリワイ」代表。会社員、ライターを経て、2007年より、生活の中から生み出す頭と体が鍛えられる仕事をテーマにナリワイづくりを開始。現在、シェアオフィスの運営や、「モンゴル武者修行ツアー」、「熊野暮らし方デザインスクール」の企画、「遊撃農家」などのナリワイの傍ら、床張りだけができるセミプロ大工集団「全国床張り協会」といった、ナリワイのギルド的団体運営等の活動も行う。著書に『ナリワイをつくる』、共著に『フルサトをつくる』(ともに東京書籍)。
※当記事はWORKSIGHTの提供記事です
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