マサチューセッツ総合病院の外科医師団は昨日、世界で3例目、アメリカでは初となるペニスの移植に成功したと発表した。移植を受けたボストンの男性は、陰茎がんのため数年前にペニスを切除していた。手術には15時間を要した。
患者はマサチューセッツ州ハリファックスに住む64歳のトーマス・マニング。医師団が先週述べたところによれば、術後の経過は良好で、ドナーの臓器に対する拒絶反応や出血、感染症の兆候もなく、一定期間を経れば排尿機能も性機能も回復する見込みだ。
今回の画期的な手術を準備するために、医師団は3年半以上を費やした。形成外科や泌尿器科、精神科、感染症科、看護師、ソーシャルワーカーなど多くの専門家の協力が不可欠だった。
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マサチューセッツ総合病院が今回の手術を最初に検討したのは2012年。極めて複雑といわれる手の移植手術に成功した後だ。ニューイングランド臓器バンク(NEOB)との連携も功を奏した。
患者のマニングは、病院が発表した声明のなかで医師団に感謝の意を表し、この手術は多くの男性の人生を変える可能性を秘めていると述べた。「本日、わたしの人生は新たな幕開けを迎えました。この先の人生は、わたし個人の希望だけでなく、生殖器を負傷したほかの人々、とりわけ戦場で自らの命を危険にさらした結果、深刻な損傷を負った兵士たちへ向けた希望で満ちています」とマニングは述べた。「この成功を皆で分かち合いながら、こうした移植手術の輝かしい未来が開かれるよう願っています」
米軍兵士に負傷者が急増
過去には、2006年に中国の男性がペニス移植手術を受けたが、拒絶反応のため失敗した。また2015年3月には、南アフリカのケープタウンに住む男性が移植手術を受けた。割礼儀式の失敗による感染症が原因でペニスを失っていたが、手術は成功し、男性の恋人は4カ月後に妊娠した。今回の手術はこれらに次ぐ3例目だ。
ペニス移植の必要性は近年、著しく増加している。戦闘で性器を負傷する軍人が増えているためだ。「ジャーナル・オブ・メンズ・ヘルス」誌に2014年に発表された研究によると、こうした負傷は2000年代初頭から350パーセント増加している。同論文の執筆者たちは、テロリスト掃討作戦のなかでは、大砲やミサイルといった従来型兵器ではなく、足元で爆発する手製爆弾(IED)がより頻繁に使われるようになっているためとみられている。
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ペニスの再建手術は何十年も前から行われ、一定の性機能および排尿機能の回復に大きな成果を上げてきた。ただし、再建されたペニスは必ずしも本物に似ているわけではなく、勃起組織も含んでいない。つまり患者は、性行為中の勃起を維持するために、器具の移植を受ける必要もあるのだ。
ペニスを失った男性には将来、第3の選択肢が与えられるかもしれない。「再生ペニス」だ。北カリフォルニアのウィンストン・セーラムにあるウェイクフォレスト大学再生医療研究所の科学者たちは先ごろ、ウサギの細胞を使って勃起組織を生成し、再生ペニスをオスのウサギに移植する手術を行った。
同研究チームはすでに、ヒトの細胞からペニスをつくることにも成功している。現在は人間への移植テストの実施に向けて、米食品医薬品局(FDA)から承認が下りるのを待っているところだ。ほかの科学者たちも、耳や鼻、膣など、ほかの身体部位の生成に成功している。
ジェシカ・ファーガー
患者はマサチューセッツ州ハリファックスに住む64歳のトーマス・マニング。医師団が先週述べたところによれば、術後の経過は良好で、ドナーの臓器に対する拒絶反応や出血、感染症の兆候もなく、一定期間を経れば排尿機能も性機能も回復する見込みだ。
今回の画期的な手術を準備するために、医師団は3年半以上を費やした。形成外科や泌尿器科、精神科、感染症科、看護師、ソーシャルワーカーなど多くの専門家の協力が不可欠だった。
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マサチューセッツ総合病院が今回の手術を最初に検討したのは2012年。極めて複雑といわれる手の移植手術に成功した後だ。ニューイングランド臓器バンク(NEOB)との連携も功を奏した。
患者のマニングは、病院が発表した声明のなかで医師団に感謝の意を表し、この手術は多くの男性の人生を変える可能性を秘めていると述べた。「本日、わたしの人生は新たな幕開けを迎えました。この先の人生は、わたし個人の希望だけでなく、生殖器を負傷したほかの人々、とりわけ戦場で自らの命を危険にさらした結果、深刻な損傷を負った兵士たちへ向けた希望で満ちています」とマニングは述べた。「この成功を皆で分かち合いながら、こうした移植手術の輝かしい未来が開かれるよう願っています」
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過去には、2006年に中国の男性がペニス移植手術を受けたが、拒絶反応のため失敗した。また2015年3月には、南アフリカのケープタウンに住む男性が移植手術を受けた。割礼儀式の失敗による感染症が原因でペニスを失っていたが、手術は成功し、男性の恋人は4カ月後に妊娠した。今回の手術はこれらに次ぐ3例目だ。
ペニス移植の必要性は近年、著しく増加している。戦闘で性器を負傷する軍人が増えているためだ。「ジャーナル・オブ・メンズ・ヘルス」誌に2014年に発表された研究によると、こうした負傷は2000年代初頭から350パーセント増加している。同論文の執筆者たちは、テロリスト掃討作戦のなかでは、大砲やミサイルといった従来型兵器ではなく、足元で爆発する手製爆弾(IED)がより頻繁に使われるようになっているためとみられている。
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ペニスを失った男性には将来、第3の選択肢が与えられるかもしれない。「再生ペニス」だ。北カリフォルニアのウィンストン・セーラムにあるウェイクフォレスト大学再生医療研究所の科学者たちは先ごろ、ウサギの細胞を使って勃起組織を生成し、再生ペニスをオスのウサギに移植する手術を行った。
同研究チームはすでに、ヒトの細胞からペニスをつくることにも成功している。現在は人間への移植テストの実施に向けて、米食品医薬品局(FDA)から承認が下りるのを待っているところだ。ほかの科学者たちも、耳や鼻、膣など、ほかの身体部位の生成に成功している。
ジェシカ・ファーガー