<あのノキアが帰ってくる! ガラケーで世界市場シェア40%を支配しながらiPhoneに技術で敗れた絶滅種のはずだった。噂ではそれが、ハイエンドで「ノキア感」たっぷりのスマートフォン2機種を投入してくるという>
そう遠くない昔、フィンランド企業のノキアが世界の携帯電話端末市場の4割を占めていたことをご存じだろうか。利益を稼ぎまくっていた2000年、ノキアの株式時価総額はフィンランドのGDPの2倍に達した。わずか10年後、ノキアは携帯電話事業を失っていた。
ノキアの凋落は、ハイテク業界の基準からいっても唐突だった。2007年のiPhone発売とともに爆発したモバイルインターネットの成長スピードについて行けなかったのだ。2014年4月、同社はマイクロソフトに携帯電話事業を売却した。今日ノキアの時価総額は、かつての10分の1程度だ。
【参考記事】ノキア+MSの新製品はiPhone以上
だが激動期が去った今、ノキアは再び携帯電話市場のトップを狙う野心に燃えている。ノキア専門ブログ「ノキア・パワーユーザー・ブログ」が先週、ハイエンドのアンドロイド端末2機種を今年中にも出すらしいという噂を報じた。新機種はメタリックのプレミアム・デザインで「有名なあのノキア感」も健在。アップルやサムスンの最上位機種のライバルになる可能性が高いという。
【参考記事】iPhoneもしのぐ世界最強ケータイ
この噂自体の真偽はともかく、近い将来ノキアのスマートフォンが市場に出回るのは間違いなさそうだ。ただしそれは、技術的には「ノキアの」端末とは呼べないものになるだ。
ベンチャーを通じて再起図る
今年5月、ノキアはヨーロッパのベンチャー企業、HMDグローバルと10年の独占ライセンス契約を結び、新世代のノキア・ブランドのスマホとタブレットを作らせることにした。HMDグローバルは同時に、マイクロソフトにノキアが売却した初心者向けの携帯電話端末事業を3億5000万ドルで買い戻した。
【参考記事】ジョブズがiPhone4のミスを認めるとき
AMDグローバルは、他にも特許やデザインなどノキアの一連の知的財産の多くを使用する権利を獲得した。調査会社IHSテクノロジーの携帯アナリスト、イアン・フォッグによれば、彼らの目標は新しい端末がノキア製と寸分も区別がつかないようにすることだという。
「ノキアは、HMDグローバルが成功すれば大きな報酬を得られるが」と、フォッグは本誌に言う。「万一失敗しても自分は傷つかないよう距離を置ける」
この低リスクのやり方は、ノキアが真に生まれ変わった印なのか、さらなる凋落の印なのか、もうすぐ明らかになる。
アンソニー・カスバートソン
そう遠くない昔、フィンランド企業のノキアが世界の携帯電話端末市場の4割を占めていたことをご存じだろうか。利益を稼ぎまくっていた2000年、ノキアの株式時価総額はフィンランドのGDPの2倍に達した。わずか10年後、ノキアは携帯電話事業を失っていた。
ノキアの凋落は、ハイテク業界の基準からいっても唐突だった。2007年のiPhone発売とともに爆発したモバイルインターネットの成長スピードについて行けなかったのだ。2014年4月、同社はマイクロソフトに携帯電話事業を売却した。今日ノキアの時価総額は、かつての10分の1程度だ。
【参考記事】ノキア+MSの新製品はiPhone以上
だが激動期が去った今、ノキアは再び携帯電話市場のトップを狙う野心に燃えている。ノキア専門ブログ「ノキア・パワーユーザー・ブログ」が先週、ハイエンドのアンドロイド端末2機種を今年中にも出すらしいという噂を報じた。新機種はメタリックのプレミアム・デザインで「有名なあのノキア感」も健在。アップルやサムスンの最上位機種のライバルになる可能性が高いという。
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この噂自体の真偽はともかく、近い将来ノキアのスマートフォンが市場に出回るのは間違いなさそうだ。ただしそれは、技術的には「ノキアの」端末とは呼べないものになるだ。
ベンチャーを通じて再起図る
今年5月、ノキアはヨーロッパのベンチャー企業、HMDグローバルと10年の独占ライセンス契約を結び、新世代のノキア・ブランドのスマホとタブレットを作らせることにした。HMDグローバルは同時に、マイクロソフトにノキアが売却した初心者向けの携帯電話端末事業を3億5000万ドルで買い戻した。
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AMDグローバルは、他にも特許やデザインなどノキアの一連の知的財産の多くを使用する権利を獲得した。調査会社IHSテクノロジーの携帯アナリスト、イアン・フォッグによれば、彼らの目標は新しい端末がノキア製と寸分も区別がつかないようにすることだという。
「ノキアは、HMDグローバルが成功すれば大きな報酬を得られるが」と、フォッグは本誌に言う。「万一失敗しても自分は傷つかないよう距離を置ける」
この低リスクのやり方は、ノキアが真に生まれ変わった印なのか、さらなる凋落の印なのか、もうすぐ明らかになる。
アンソニー・カスバートソン