<エストニアの三つ子姉妹ランナーに、地中海を泳いで生き延びたシリア難民の競泳選手――。フェルプス、ボルトだけじゃないリオ五輪の注目選手を一挙に紹介>(写真は前回ロンドン五輪で2大会連続・2種目金メダルを達成したボルト)
いよいよリオデジャネイロ五輪が開幕する。過去最多の206の国と地域を代表する1万500人のアスリートが参加する。すべての競技を見ることはもちろんできないが、そのうち世界が注目するアスリート10人(組)を見てみよう。
<参考記事>ドーピング防止には「生体パスポート」しかない
■10位 ライラ、リーナ、リリーのルイク三姉妹(女子マラソン・エストニア)
女子マラソンにエストニア代表として出場するルイク三姉妹は、今年30歳の「三つ子」トリオ。過去のオリンピックでは双子は約200組出場しているが、三つ子が揃って出場するのはこれが初めて。残念ながらメダルが期待できるような記録は3人とも持っていないが、それぞれの自己最高記録が、最初に生まれた長女のライラから、次女のリーナ、三女のリリーと順番になっているのは興味深い。
■9位 ナサール・アルアティヤ(男子クレー射撃・カタール)
6回連続でオリンピックのクレー射撃に出場する45歳のアルアティヤの得意種目は他にもある。4年前のロンドン五輪のクレー射撃で銅メダルを獲得したアルアティヤだが、約9300キロを走破するダカールラリーで2011年と2015年に優勝している。リオでは、カタール初の金メダル獲得を目指す。
■8位 トーマス・デーリー(男子高飛び込み・イギリス)
4年前のロンドン五輪で、10メートル高飛び込み個人で銅メダルを獲得し、一躍本国イギリスの人気タレントとなった。最近ではイギリスの民間放送局ITVがドキュメンタリー番組を製作している。昨年、アメリカの映画脚本家ダスティン・ランス・ブラックとの婚約を公表した。
■7位 ニーノ・サルクワゼ(女子ピストル・ジョージア)
ピストル競技でこれまでに金、銀、銅のすべてのメダルを獲得しているサルクワゼは、リオが8回目のオリンピックとなる。これは、女子ではドイツとイタリアの代表だったカヌー選手ヨセファ・イデムと並ぶタイ記録。またサルクワゼの18歳の息子もピストルでリオ五輪に出場するが、母子での五輪参加は史上初の快挙だ。
■6位 シディクール・ラーマン(男子ゴルフ・バングラデシュ)
バングラデシュから(抽選等の選考を経ずに)初めて実力でオリンピック出場を勝ち取ったのが、31歳のラーマン。今回のリオ五輪はゴルフのトッププレーヤーが次々に「ジカ熱」への懸念を理由に出場を辞退したため、ラーマンが出場資格56位に滑り込んだ。
■5位 キャスター・セメンヤ(女子陸上・南アフリカ)
ロンドン五輪の陸上800メートルで銀メダルを獲得した25歳のセメンヤは、リオ五輪出場が物議を醸している選手の一人だ。その理由は、男性ホルモンが通常の女性より多く分泌される「アンドロゲン過剰症」と診断されているため。女子競技に参加するには不適格ではないかという議論がある。
■4位 林丹〔リン・ダン〕(男子バドミントン・中国)
「スーパー・ダン」の異名を持つ、バドミントン界最強のプレイヤー。32歳の林丹は、リオ五輪で前人未到の男子シングルス・3大会連続金メダルの偉業達成を目指す。
<参考記事>「ジカ熱懸念」で五輪を辞退するゴルファーたちの欺瞞
■3位 ユスラ・マルディニ(女子競泳・難民選手団)
リオ五輪で初めて結成された難民選手団のメンバー。マルディニは18歳のシリア難民だ。約一年前、他の17人の難民と共にエーゲ海をボートで渡っていたところ、ボートが転覆して全員が海に投げ出された。3時間後に岸にたどり着くことができたのは、マルディニの他に2人だけだった。
■2位 マイケル・フェルプス(男子競泳・アメリカ)
すでに18個の金メダルを含む22個のメダルと数々のオリンピック記録を保持するフェルプスは、史上最高のアスリートと呼べるだろうか? それに反論するのは難しい。フェルプスは今30歳。5回目の今回が最後のオリンピックになるだろう。リオでは、100メートルバタフライと200メートルバタフライ、そして100メートル個人メドレーの3種目に出場する。
■1位 ウサイン・ボルト(男子陸上・ジャマイカ)
史上初となる100メートルと200メートルの2つの種目で2大会連続金メダルを獲得した「人類史上最速の男」。ボルトが選手村の食堂に姿を現すと、他の選手は総立ちになって喝采を浴びせるという。人々の尊敬を集めるその才能は、リオでもいかんなく発揮されるだろうか。
ジョン・ウォルターズ
いよいよリオデジャネイロ五輪が開幕する。過去最多の206の国と地域を代表する1万500人のアスリートが参加する。すべての競技を見ることはもちろんできないが、そのうち世界が注目するアスリート10人(組)を見てみよう。
<参考記事>ドーピング防止には「生体パスポート」しかない
■10位 ライラ、リーナ、リリーのルイク三姉妹(女子マラソン・エストニア)
女子マラソンにエストニア代表として出場するルイク三姉妹は、今年30歳の「三つ子」トリオ。過去のオリンピックでは双子は約200組出場しているが、三つ子が揃って出場するのはこれが初めて。残念ながらメダルが期待できるような記録は3人とも持っていないが、それぞれの自己最高記録が、最初に生まれた長女のライラから、次女のリーナ、三女のリリーと順番になっているのは興味深い。
■9位 ナサール・アルアティヤ(男子クレー射撃・カタール)
6回連続でオリンピックのクレー射撃に出場する45歳のアルアティヤの得意種目は他にもある。4年前のロンドン五輪のクレー射撃で銅メダルを獲得したアルアティヤだが、約9300キロを走破するダカールラリーで2011年と2015年に優勝している。リオでは、カタール初の金メダル獲得を目指す。
■8位 トーマス・デーリー(男子高飛び込み・イギリス)
4年前のロンドン五輪で、10メートル高飛び込み個人で銅メダルを獲得し、一躍本国イギリスの人気タレントとなった。最近ではイギリスの民間放送局ITVがドキュメンタリー番組を製作している。昨年、アメリカの映画脚本家ダスティン・ランス・ブラックとの婚約を公表した。
■7位 ニーノ・サルクワゼ(女子ピストル・ジョージア)
ピストル競技でこれまでに金、銀、銅のすべてのメダルを獲得しているサルクワゼは、リオが8回目のオリンピックとなる。これは、女子ではドイツとイタリアの代表だったカヌー選手ヨセファ・イデムと並ぶタイ記録。またサルクワゼの18歳の息子もピストルでリオ五輪に出場するが、母子での五輪参加は史上初の快挙だ。
■6位 シディクール・ラーマン(男子ゴルフ・バングラデシュ)
バングラデシュから(抽選等の選考を経ずに)初めて実力でオリンピック出場を勝ち取ったのが、31歳のラーマン。今回のリオ五輪はゴルフのトッププレーヤーが次々に「ジカ熱」への懸念を理由に出場を辞退したため、ラーマンが出場資格56位に滑り込んだ。
■5位 キャスター・セメンヤ(女子陸上・南アフリカ)
ロンドン五輪の陸上800メートルで銀メダルを獲得した25歳のセメンヤは、リオ五輪出場が物議を醸している選手の一人だ。その理由は、男性ホルモンが通常の女性より多く分泌される「アンドロゲン過剰症」と診断されているため。女子競技に参加するには不適格ではないかという議論がある。
■4位 林丹〔リン・ダン〕(男子バドミントン・中国)
「スーパー・ダン」の異名を持つ、バドミントン界最強のプレイヤー。32歳の林丹は、リオ五輪で前人未到の男子シングルス・3大会連続金メダルの偉業達成を目指す。
<参考記事>「ジカ熱懸念」で五輪を辞退するゴルファーたちの欺瞞
■3位 ユスラ・マルディニ(女子競泳・難民選手団)
リオ五輪で初めて結成された難民選手団のメンバー。マルディニは18歳のシリア難民だ。約一年前、他の17人の難民と共にエーゲ海をボートで渡っていたところ、ボートが転覆して全員が海に投げ出された。3時間後に岸にたどり着くことができたのは、マルディニの他に2人だけだった。
■2位 マイケル・フェルプス(男子競泳・アメリカ)
すでに18個の金メダルを含む22個のメダルと数々のオリンピック記録を保持するフェルプスは、史上最高のアスリートと呼べるだろうか? それに反論するのは難しい。フェルプスは今30歳。5回目の今回が最後のオリンピックになるだろう。リオでは、100メートルバタフライと200メートルバタフライ、そして100メートル個人メドレーの3種目に出場する。
■1位 ウサイン・ボルト(男子陸上・ジャマイカ)
史上初となる100メートルと200メートルの2つの種目で2大会連続金メダルを獲得した「人類史上最速の男」。ボルトが選手村の食堂に姿を現すと、他の選手は総立ちになって喝采を浴びせるという。人々の尊敬を集めるその才能は、リオでもいかんなく発揮されるだろうか。
ジョン・ウォルターズ