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フランス警官、イスラム女性にブルキニを「脱げ」

ニューズウィーク日本版 2016年8月26日 17時2分

 フランス・ニースの海岸で警官がイスラム女性を取り囲み、服を脱がせる写真が話題になっている。今フランスでは、顔と手足以外の全身を覆うイスラム風の水着ブルキニの着用を禁止する自治体が相次ぎ、20カ所以上にのぼっている。ニースもそうした海岸の一つだ。だが、何も悪いことをしていない女性が武装した警官に命じられて服を脱ぐ光景は、まさにブルキニ禁止の理不尽さを象徴する光景。ロンドンのフランス大使館前ではブルキニ禁止に抗議するデモも行われた。

French mayor Henri Leroy: We have to remind people they are French first and Muslim second https://t.co/4N4oyInCcV pic.twitter.com/CvulYqFyeA— Daily Mail Online (@MailOnline) 2016年8月25日

南仏ニースの海岸で服を脱ぐ女性。警官に命じられたとみられる


We installed a beach outside French Embassy to protest latest example of islamophobia. #BurkiniBan #WearWhatYouWant pic.twitter.com/OZWR1t0gli— Fran Grobke (@franziska_g) 2016年8月25日

ブルキニ禁止に抗議するデモ(ロンドンのフランス大使館前)


 そもそもなぜブルキニがだめなのか? フランスが既に禁じているイスラム女性のスカーフ、ブルカやニカブと違い、ブルキニは顔を覆わない。ブルキニがだめならダイビングスーツもだめになる。尼僧はどうなんだ、という声もある。

 ブルキニは、公の場で肌や髪を出せないイスラム女性のために考え出された水着に過ぎない。「フランスの価値観に反する」(バルス首相)、「公共の秩序を乱す」(ニース市長)などと理屈をいくら言われても、イスラム差別の口実ではないか、と思う。警官の写真で、それが確信に変わった人も多かったのではないか。

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

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