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ロシア警察、人型ロボットを逮捕?

ニューズウィーク日本版 2016年9月29日 16時29分

 ロシアで人型ロボットが警察に逮捕された、と米オンラインマガジンInverseなどが報じ、ネット上で大きな話題になっている。ただし、開発元によるプロモーションの一環である可能性を指摘するメディアも多い。

政治集会で警察に囲まれるロボット

 Inverseの記事によると、このロボットの開発元はロシアのプロモボット(Promobot)(ロボットの名称も同じ)。国会議員に立候補しているValery Kalachev氏が9月14日に開いた集会で、プロモボットが有権者たちの意見を記録していたところ、通報を受けた警官らに逮捕されたという。同社の広報担当者がInverseにメールで伝えたところによれば、「警察はロボットに手錠をかけようと試みた」とのこと。また、「逮捕されるとき、プロモボットは抵抗しなかった」と述べている。




 同社サイトの製品ページを見ると、今回逮捕されたと報じられているのは、「Promobot V.2」のようだ。サイズは高さ145センチ、幅76センチ、奥行86センチで、時速0.5キロメートル。価格は7000ドル(約71万円)で、販売台数は合計215台だという。



過去には「脱走」の前科も

 Inverseは、プロモボットが今年6月に2回、開発研究所から「脱走した」ことも報じている。以下の動画は、公道の真ん中でバッテリーが切れて止まり、交通の邪魔になっている様子を報じるニュース映像だ。




 ただし、これらの動画はみな、YouTubeのプロモボット公式チャンネルに投稿されている。つまり、開発元はこれらの出来事を不祥事ではなく、宣伝材料としてとらえているということだ。今回の件はプロモボットが警官に囲まれたところを「逮捕された」と誇張したのかもしれないし、脱走の件は「仕込み」があった(わざと逃がした)のかもしれない。

「ポケモンGO」ブームにも便乗

 プロモーション用途のロボットらしく、話題作りには工夫を凝らしているようだ。7月には、プロモボットが「Android」OSのエミュレーターを走らせ、その上で「ポケモンGO」をプレイしている動画も投稿されている。




 同社サイトによると、10月26日にはプロモボットの最新版「V.3」の発表イベントを開催する予定だという。

高森郁哉

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