<トランプが首席戦略官に選んだ男は、右翼で白人至上主義者と言われる上に、女性差別主義者だ>
アメリカの次期大統領に選出されたドナルド・トランプは、首席戦略官としてスティーブ・バノンを起用した。同氏が側近としてホワイトハウス入りすることについて、女性の権利を訴える団体からは怒りの声があがっている。
バノンは、オルタナ右翼(「alt-right(オルタナ右翼)とはようするに何なのか」参照)との結びつきで有名な、保守系オンラインメディア「ブライトバート・ニュース」の会長だ。バノンは、大統領選挙期間の終盤である2016年8月になって選挙対策本部の最高責任者に就任し、すぐに側近の1人となった。
しかしバノンの経歴と評判は、女性蔑視(ミソジニー)的な言動や攻撃にまみれており、批評家たちは同氏の起用に抗議している。
【参考記事】日本と中東の男女格差はどちらが深刻か
「ドナルド・トランプは選挙期間中ずっと、ミソジニスト(女性蔑視者)として知られる人間たちを周囲に集めていた。それと同じことをホワイトハウスでもやろうとしている」。アメリカの政治活動委員会「エミリーズ・リスト」の代表者は本誌に対してそう述べた。「女性たちはトランプに説明責任を求めることができるし、そうするだろう」
フェミニストより癌がまし
ブライトバート・ニュースには次のような見出しが踊っている。「自分の子供がフェミニストになるくらいなら癌になるほうがましだ」「女性は避妊をすると醜くなったり頭がおかしくなったりする」「テック業界は採用で女性を差別はしていない。単に女性の面接結果が最悪なだけだ」
【参考記事】トランプの新たな個人攻撃、「ヒラリーは夫の不倫相手の人生を破壊した」
バノンは、障害を持つ女性を産休中に解雇したこともある。ニューヨーク・ポスト紙が入手した2005年9月の訴状にはこうある。「多発性硬化症を患う母親ジュリア・ペインリー=パチェッティは広報部長とマーケティング部長の職を解雇された。女性で、障害があるからだ」
ペインリー=パチェッティは当時、バノンの直属の部下だった。訴訟は2006年に和解した。
同じくニューヨーク・ポストが入手した裁判資料では、バノンが元妻に暴力をふるう様子が詳述されている。1996年の離婚手続書類には、バノンが当時の妻メアリー・ルイーズ・ピッカードの「喉元と腕」をつかみ、「双子の娘を連れて家を出ろ」と脅迫したと書かれている。
バノンは、アリゾナ州オラクルの研究施設「バイオスフィア2」の所長だった1990年代にもセクシャルハラスメントで提訴されている。前所長のマーガレット・オーガスティンは、バノンと友人の銀行家マーティン・ボーウェンが自分に対し「挑発的で猥褻な言葉を投かけられたこと、研究施設の女性職員たちを侮辱したことを証言した。
オーガスティンは、バノンがある職員について「問題は、男の仕事を女がやっていることだ」と言ったことがある。また女性の胸のことを卑猥な言葉遣いで話題にした。会社主催のパーティーでバノンと踊ったときは、「手首を強くつかまれて、自分と関係を持ったら、ほかの人とやりたくなくなると言われた」と申し立てている。
ルーシー・クラーク・ビリングズ
アメリカの次期大統領に選出されたドナルド・トランプは、首席戦略官としてスティーブ・バノンを起用した。同氏が側近としてホワイトハウス入りすることについて、女性の権利を訴える団体からは怒りの声があがっている。
バノンは、オルタナ右翼(「alt-right(オルタナ右翼)とはようするに何なのか」参照)との結びつきで有名な、保守系オンラインメディア「ブライトバート・ニュース」の会長だ。バノンは、大統領選挙期間の終盤である2016年8月になって選挙対策本部の最高責任者に就任し、すぐに側近の1人となった。
しかしバノンの経歴と評判は、女性蔑視(ミソジニー)的な言動や攻撃にまみれており、批評家たちは同氏の起用に抗議している。
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「ドナルド・トランプは選挙期間中ずっと、ミソジニスト(女性蔑視者)として知られる人間たちを周囲に集めていた。それと同じことをホワイトハウスでもやろうとしている」。アメリカの政治活動委員会「エミリーズ・リスト」の代表者は本誌に対してそう述べた。「女性たちはトランプに説明責任を求めることができるし、そうするだろう」
フェミニストより癌がまし
ブライトバート・ニュースには次のような見出しが踊っている。「自分の子供がフェミニストになるくらいなら癌になるほうがましだ」「女性は避妊をすると醜くなったり頭がおかしくなったりする」「テック業界は採用で女性を差別はしていない。単に女性の面接結果が最悪なだけだ」
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バノンは、障害を持つ女性を産休中に解雇したこともある。ニューヨーク・ポスト紙が入手した2005年9月の訴状にはこうある。「多発性硬化症を患う母親ジュリア・ペインリー=パチェッティは広報部長とマーケティング部長の職を解雇された。女性で、障害があるからだ」
ペインリー=パチェッティは当時、バノンの直属の部下だった。訴訟は2006年に和解した。
同じくニューヨーク・ポストが入手した裁判資料では、バノンが元妻に暴力をふるう様子が詳述されている。1996年の離婚手続書類には、バノンが当時の妻メアリー・ルイーズ・ピッカードの「喉元と腕」をつかみ、「双子の娘を連れて家を出ろ」と脅迫したと書かれている。
バノンは、アリゾナ州オラクルの研究施設「バイオスフィア2」の所長だった1990年代にもセクシャルハラスメントで提訴されている。前所長のマーガレット・オーガスティンは、バノンと友人の銀行家マーティン・ボーウェンが自分に対し「挑発的で猥褻な言葉を投かけられたこと、研究施設の女性職員たちを侮辱したことを証言した。
オーガスティンは、バノンがある職員について「問題は、男の仕事を女がやっていることだ」と言ったことがある。また女性の胸のことを卑猥な言葉遣いで話題にした。会社主催のパーティーでバノンと踊ったときは、「手首を強くつかまれて、自分と関係を持ったら、ほかの人とやりたくなくなると言われた」と申し立てている。
ルーシー・クラーク・ビリングズ