<新作ドキュメンタリー『マライアズ・ワールド』は、ときにハチャメチャで、いつも楽しい歌姫のライフスタイルを垣間見せてくれる>
「マライアの世界へようこそ」というメッセージが大きなスクリーンに映し出され、報道関係者とセレブリティから選ばれた観客が席に着く。彼らがここに集まったのは、音楽界の伝説、マライア・キャリーの8話構成の新しいドキュメンタリーの試写会のためだ(「リアリティショーじゃないわよ、ダーリン」というマライアの叫び声が聞こえそうだ)。
シリーズを放送するE!エンターテイメントは、『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』、『Botched:整形手術の光と闇』、『WAGS――スター選手のカノジョたち』といった番組を手がけてきた。
【参考記事】自伝でうつ病を告白したスプリングスティーンの真意
世界でも指折りの有名ミュージシャンであるマライアが、いったいなぜ、自分の生活のすべてをテレビで見せる必要があるのだろうか? その理由は、正真正銘の「ラミリー(Lambily)」の一員である筆者にもよくわからない(「ラミリー」とは「ラム(lambs)」と呼ばれるマライア・ファンに「ファミリー」をかけた言葉)。
【参考記事】デビッド・ボウイ、最後のアルバムに刻んだ死にざま
歌姫はプライベートでも歌姫
マライアはその問いに、幕開けのエピソードで答えている。このドキュメンタリーシリーズは、2016年の3~4月にかけて行われた約10年ぶりのヨーロッパツアーを追ったもの。マライアによれば、再びできるかどうかわからないから、記録に残しておきたかったのだという。それに加えて、オーストラリア人の大富豪、ジェームズ・パッカーとの夢のような結婚式という、ちょっとしたイベントもあった。こちらも、マライアにとってはぜひとも記録に残しておきたい思い出だった(ふたりはその後、破局を迎えたのだが)。
想像通りのぶっ飛んだマライアに会えるドキュメンタリー E!/YOUTUBE
【参考記事】X JAPANの壮絶な過去と再生の物語
豪邸やプライベートヨットの扉を開け放って私生活をさらしても、マライアの「歌姫」イメージはほとんど揺らがない。歌姫という言葉は、5オクターブの声域を誇るマライアの代名詞になっている。マライア自身、その役回りを積極的に演じている。そこから生まれたのが、ばかばかしいほど楽しいマライアの世界を覗く「マライアズ・ワールド」だ。その世界はあまりにもシュールで、人工知能の反乱を描くHBO制作の『ウエストワールド』に出てくる殺人ロボットが現実的に見えるほどだ。
ここでは、初回放映分のなかから、とびきりクレイジーな場面を5つだけ紹介しよう。
ランジェリー姿でインタビューを受けるのはあたりまえ?
きらびやかな女王にすれば、ありふれたリアリティショーに登場する自分語りの場面は、あまりにも古くさすぎる。ランジェリーと見事なダイヤモンドを身につけた姿で、超豪華な家具に横たわりながらカメラに向けて語りかけるのが、マライアのやり方だ。
【参考記事】マライア・キャリーはヌードで眠る
これはリアリティショーに革命をもたらすかもしれない。そんな予感がする。
マライアのツアーで涙は禁止
マライアがヨーロッパをめぐる「スイート・スイート・ファンタジー・ツアー」に乗り出そうと計画していたとき、非情な新マネージャー、ステラ・ブロチニコフは、新しいアシスタントとしてモリーを雇った。ブロチニコフのもとで働く人たちには、いくつかの基本ルールがある。「私の下で働く最初の1年間は、デートは禁止」とブロチニコフは言う。モリーのボーイフレンドにとっては悪いニュースだ。2つ目のルールは、「私のオフィスで泣くのは禁止」。モリーが両方のルールを破るまでに、そう時間はかからなかった。
マライアの睡眠習慣
マライアにはいくつかの変わった睡眠習慣がある。たとえば、眠るときには必ず、アップルTVをつけっ放しにする。テレビや映画のBGMがないと眠れないのだ。
「マライアは、アップルTVを流していないと眠れない。眠れなければ歌えない。歌えなければコンサートはできない。コンサートができなければ、すべてが崩れ去ってしまう」と、疲れたようすのモリーが語る。
数百万ドル規模のツアーの成功は、アップルTVにかかっているというわけだ。
絶対に美人に撮る
『マライアズ・ワールド』では、照明がすべてだ。蛍光灯の照らすリハーサルスタジオに入ったマライアは、こんなことを言う。「私のルールでは、蛍光灯の光の下に立つときは必ずサングラスをかけなければならないの」。これはジョークかもかもしれないが、たぶんジョークではないだろう。
ジョークに乗るのはお手のもの
外から見ると、マライアの世界は奇妙に見えるかもしれない。けれどもマライアは、ファンの期待に背いてはいけないことを知っている。「まったく、つらいわよ」とマライアは言う。「ヨットに乗っていても、ダイヤモンドをつけたドレス姿で水に入らないといけないんだから」。外の世界の人たちに滑稽に思われることなど、マライアは気にしていない――それが彼女の魅力のひとつだ。
(『マライアズ・ワールド』の初回は、アメリカでは12月4日にE! で放映される。イギリスでは12月5日に「hayu」でストリーミング放送されるほか、12月11日に「E! U.K.」でオンエアされる予定)
トゥファイエル・アーマド
「マライアの世界へようこそ」というメッセージが大きなスクリーンに映し出され、報道関係者とセレブリティから選ばれた観客が席に着く。彼らがここに集まったのは、音楽界の伝説、マライア・キャリーの8話構成の新しいドキュメンタリーの試写会のためだ(「リアリティショーじゃないわよ、ダーリン」というマライアの叫び声が聞こえそうだ)。
シリーズを放送するE!エンターテイメントは、『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』、『Botched:整形手術の光と闇』、『WAGS――スター選手のカノジョたち』といった番組を手がけてきた。
【参考記事】自伝でうつ病を告白したスプリングスティーンの真意
世界でも指折りの有名ミュージシャンであるマライアが、いったいなぜ、自分の生活のすべてをテレビで見せる必要があるのだろうか? その理由は、正真正銘の「ラミリー(Lambily)」の一員である筆者にもよくわからない(「ラミリー」とは「ラム(lambs)」と呼ばれるマライア・ファンに「ファミリー」をかけた言葉)。
【参考記事】デビッド・ボウイ、最後のアルバムに刻んだ死にざま
歌姫はプライベートでも歌姫
マライアはその問いに、幕開けのエピソードで答えている。このドキュメンタリーシリーズは、2016年の3~4月にかけて行われた約10年ぶりのヨーロッパツアーを追ったもの。マライアによれば、再びできるかどうかわからないから、記録に残しておきたかったのだという。それに加えて、オーストラリア人の大富豪、ジェームズ・パッカーとの夢のような結婚式という、ちょっとしたイベントもあった。こちらも、マライアにとってはぜひとも記録に残しておきたい思い出だった(ふたりはその後、破局を迎えたのだが)。
想像通りのぶっ飛んだマライアに会えるドキュメンタリー E!/YOUTUBE
【参考記事】X JAPANの壮絶な過去と再生の物語
豪邸やプライベートヨットの扉を開け放って私生活をさらしても、マライアの「歌姫」イメージはほとんど揺らがない。歌姫という言葉は、5オクターブの声域を誇るマライアの代名詞になっている。マライア自身、その役回りを積極的に演じている。そこから生まれたのが、ばかばかしいほど楽しいマライアの世界を覗く「マライアズ・ワールド」だ。その世界はあまりにもシュールで、人工知能の反乱を描くHBO制作の『ウエストワールド』に出てくる殺人ロボットが現実的に見えるほどだ。
ここでは、初回放映分のなかから、とびきりクレイジーな場面を5つだけ紹介しよう。
ランジェリー姿でインタビューを受けるのはあたりまえ?
きらびやかな女王にすれば、ありふれたリアリティショーに登場する自分語りの場面は、あまりにも古くさすぎる。ランジェリーと見事なダイヤモンドを身につけた姿で、超豪華な家具に横たわりながらカメラに向けて語りかけるのが、マライアのやり方だ。
【参考記事】マライア・キャリーはヌードで眠る
これはリアリティショーに革命をもたらすかもしれない。そんな予感がする。
マライアのツアーで涙は禁止
マライアがヨーロッパをめぐる「スイート・スイート・ファンタジー・ツアー」に乗り出そうと計画していたとき、非情な新マネージャー、ステラ・ブロチニコフは、新しいアシスタントとしてモリーを雇った。ブロチニコフのもとで働く人たちには、いくつかの基本ルールがある。「私の下で働く最初の1年間は、デートは禁止」とブロチニコフは言う。モリーのボーイフレンドにとっては悪いニュースだ。2つ目のルールは、「私のオフィスで泣くのは禁止」。モリーが両方のルールを破るまでに、そう時間はかからなかった。
マライアの睡眠習慣
マライアにはいくつかの変わった睡眠習慣がある。たとえば、眠るときには必ず、アップルTVをつけっ放しにする。テレビや映画のBGMがないと眠れないのだ。
「マライアは、アップルTVを流していないと眠れない。眠れなければ歌えない。歌えなければコンサートはできない。コンサートができなければ、すべてが崩れ去ってしまう」と、疲れたようすのモリーが語る。
数百万ドル規模のツアーの成功は、アップルTVにかかっているというわけだ。
絶対に美人に撮る
『マライアズ・ワールド』では、照明がすべてだ。蛍光灯の照らすリハーサルスタジオに入ったマライアは、こんなことを言う。「私のルールでは、蛍光灯の光の下に立つときは必ずサングラスをかけなければならないの」。これはジョークかもかもしれないが、たぶんジョークではないだろう。
ジョークに乗るのはお手のもの
外から見ると、マライアの世界は奇妙に見えるかもしれない。けれどもマライアは、ファンの期待に背いてはいけないことを知っている。「まったく、つらいわよ」とマライアは言う。「ヨットに乗っていても、ダイヤモンドをつけたドレス姿で水に入らないといけないんだから」。外の世界の人たちに滑稽に思われることなど、マライアは気にしていない――それが彼女の魅力のひとつだ。
(『マライアズ・ワールド』の初回は、アメリカでは12月4日にE! で放映される。イギリスでは12月5日に「hayu」でストリーミング放送されるほか、12月11日に「E! U.K.」でオンエアされる予定)
トゥファイエル・アーマド