トランプ大統領の就任演説が今夜に迫った。トランプ政権誕生により中国は何を狙うのか?グローバル経済のプレイヤーの交代や「一つの中国」懐疑論に対する対抗など、経済貿易と安全保障に関して包括的に概観する。
グローバル経済のトップ・プレイヤーを狙う中国
トランプ氏は選挙中からTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)離脱を宣言していたが、当選後も繰り返してきたので、政権誕生後も離脱の方針は変わらないだろう。北米大陸におけるNAFTA(北米自由貿易協定)さえ見直すとしているくらいだから、グローバル経済のリーダーからは降りることになる。それでもアメリカが豊かになり、「アメリカ・ファースト」を優先するようだ。
となれば、アメリカが不在となったグローバル経済のプレイヤーとして、至るところで存在感を高めていこうと狙っているのが中国である。
一番目の戦略として、中国はまずRCEP(東アジア地域包括的経済連携。東南アジア諸国連合加盟10カ国に、日本、中国、韓国、インド、オーストリア、ニュージーランドを含めた16カ国)内でGDPが最も高い国として、リーダーシップを発揮しようとしている。
そのためアメリカも入っているFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)よりも前に、まずはRCEPにおいてリーダーとなるべく、昨年のペルーAPECで、東アジアの経済連携であるRCEPに、ペルーを加盟させる方向で習近平国家主席は積極的に動いた。
これにより、安倍首相が最も避けたかった「中国による貿易ルール作り」に一歩近づいたことになる。
安倍首相が、トランプ政権がTPPから離脱することが分かっている中でも、何としても日本の国会でTPP加盟可決に漕ぎ着けたかったのは、そのためだったと思う。1月12日から17日にかけて、安倍首相がフィリピン、オーストラリア、インドネシアおよびベトナムを歴訪したのは、その中にTPPに加盟している国(オーストラリア、ベトナムなど)があるからだろう。
一方、習近平国家主席はその間、スイスのダボスを訪問し、初めてダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)(1月17日~20日)に出席した。これが二番目の戦略だ。
中国はこれまで、ダボス会議には国務院総理レベル(党内序列ナンバー2かナンバー3)などが出席していたが、国家主席(党内序列ナンバー1)が出席したことはない。
この力の入れようは、ほかでもない。アメリカが不在となったグローバル経済のトップリーダーとして、中国が世界のグローバル経済を牽引していこうという狙いがあるからだ。
ダボス会議は各国の競争力を指数化して公表し、グローバル化に貢献する経営環境を推奨している。2002年には同時多発テロの影響がありニューヨークで開催されたが、中国の大連などで開催されたこともある。世界レベルの経済フォーラムだ。
日本からは2001年に当時の森首相が現職の首相として初めて出席し、2008年には福田(元)首相が、そして2009年には麻生(元)首相が出席し、しかも2年連続で演説さえしている。
ただ基本的には発祥地の関係から、ヨーロッパ経済界に強い影響力を持つ傾向があり、習近平国家主席が、トランプ政権誕生前夜という、このタイミングでダボス会議に出席しただけでなく、基調講演まで行なった事実は大きい。
1月18日付の本コラム<習近平、ダボス会議で主役 ――「鬼」のいぬ間に>でも書いたが、習近平国家主席は「中国こそはグローバル経済の旗手である」という印象を与えるスピーチをした。
それに対してダボス会議のシュワブ会長は習近平国家主席のスピーチを絶賛しただけでなく、「中国こそが今後のグローバル経済を牽引していく大国だ」と二人の会談で述べている。中国メディアが伝えた。
イギリスのメイ首相が同日、EU(欧州連合)からの離脱を正式に発表し、ヨーロッパでもグローバル経済が揺れる中、トランプ次期大統領はイギリスの行動を絶賛し「このあともイギリスにならう国が続くだろう」とツイートした。EU加盟国が一斉にトランプ次期大統領に反発した、まさにそのタイミングでの習近平国家主席のスピーチは、あたかも「中国はEUの味方だ」というエールを送ったような形になった。
中国にとっては、一見、「結構づくし」のように見えるかもしれない。
外交安全に関して追いつめられる中国
しかし、なぜ習近平国家主席自らが、初めてダボス会議に出席しなければならなかったかというと、実は裏を返せば、中国が外交安全に関しては(あるいは国内事情においても)、完全に「追い詰められている証拠」なのでもある。
昨年12月13日のコラム<トランプ氏「一つの中国」疑問視に中国猛反発>や、今年1月12日のコラム<中国、次は第二列島線!――遼寧の台湾一周もその一環>など、本コラムの多くで書いてきたように、トランプ次期大統領が「一つの中国」原則論にメスを入れたことにより、中国は退路のないところに追い込まれている。
「一つの中国」原則は中国にとって最大の核心的利益であり、たとえ米中の国交を断絶してでも守り抜くだろう。へたすれば戦争になる可能性だって否定できない。
しかし中国には弱みがいくつかある。
一つは、どんなに中国が経済大国としてだけでなく軍事大国としても成長したとはいえ、アメリカには勝てない。特に軍事力において、いま戦争することはできないのである。
習近平国家主席は、中央軍事委員会主席として中国人民解放軍に「いつでもすぐに参戦できる態勢を取り、参戦したからには絶対に勝利すると覚悟せよ!」と厳しく訓示を垂れてきた。
その戦争相手が誰であると想定しているのかは別として、絶対に勝利すると考えられる戦争でないと、自分の方から開戦することはできないだろう。
もう一つには、中国の経済はトータルのGDPでは日本を抜いているものの(日本の2倍以上)、1人当たりのGDPとなると世界ランキングで80位前後。貧富の格差が激しいのだ。おまけに党幹部の底なしの腐敗問題を解決することに手詰まりを覚えている。逮捕しても逮捕しても尽きることなく蔓延し過ぎている。ここで戦争などが起きたら、一党支配体制は崩壊するだろう。
第一列島線に空母「遼寧」が姿を現し、「つぎは第二列島線」と中国は豪語した。
そして習近平国家主席はダボスでアメリカのバイデン副大統領と会談し、「オバマ政権時代、米中は新型大国として互いに認め合い仲良くやってきた」と述べた。新型大国関係をアメリカが認めたとは思えないが、中国としては第二列島線の東の太平洋をアメリカが、西の太平洋を中国が、それぞれ「制覇する」という形のパワーバランスを夢見てきた。
しかし、そのアメリカが「一つの中国」原則をめぐって中国と対立し、せっかく蜜月を演じてきたロシアのプーチン大統領をトランプ大統領が「受け入れる」とすれば、日米同盟が揺るがないという条件の下で、日米露三カ国による「対中包囲網」ができ上がる可能性がある。
外交安全政策に関して、中国はいま、弱い立場にあるのである。
オバマ政権の延長線(ヒラリー・クリントン政権)だったとしたら、こういう事態は起きていなかっただろう。
その意味では、「中国をのさばらせてきた」アメリカが、責任を取る形になる。
トランプ次期大統領の個人的性格や言動に関しては批判もあろうが、しかし、中国の独裁的な覇権と膨張を抑える意味では、意義のある大統領が誕生すると言っていいだろう。
問われる中国共産党政権の統治の正当性
そもそも拙著『毛沢東 日本軍と共謀した男』にも書いたように、中国共産党は日中戦争中に日本軍とはまもとに戦わず、日本側に政敵であった蒋介石・国民党軍の軍事情報を高値で売り付け、国民党軍の弱体化に主力を注いできた。
国民党軍も中華民族。中国の人民である。
その人民を裏切って強大化した中共軍は、それによって中華人民共和国を誕生させた(日本敗戦4年後の1949年10月1日)。だというのに、抗日戦争中の中流砥柱(大黒柱)は中共軍であったと、事実を歪曲して、中国共産党が中国という国家を統治する正当性を主張している。
中国の知性ある人はその真相を知っているし、中共指導層自体が、自分の歴史を知っている。ノーベル平和賞を受賞し、そのときすでに投獄されていた劉暁波氏は、投獄される前にこの真相をネットで公開していた。
昨年2月に他界した顧雪擁氏(日中戦争時の中共側戦場記者。1920年生まれ)は生前、「覆い隠された抗日戦争の真相」という論評を残している。
中国人民の多くがこの真相を知るのは、それこそ時間の問題だ。
中国は、本当は、そのことを恐れている。
「一つの中国」原則を深めていけば、必ず最終的にはそこに行きつく。「中国共産党はいかにして強大化したのか」という問題に行きつくのである。
だから軍事的にも経済的にも、世界を制覇し、膨張を続けていくしかない。日中戦争で勇猛果敢に戦ったという歪曲した「抗日神話」を維持し、戦後の国際秩序を形成したのは中国(中華人民共和国)なので、その国際秩序を維持するために軍事大国にならなければならないという論理である。
「一つの中国」を最初に認めてしまったアメリカは、それを全世界に拡散させ、中国を強大化させてしまった責任を、どこかで取らなければならないだろう。
いま世界は、その分岐点に立っている。
安倍外交が成功するのか、それとも習近平外交が成功するのか、注意深く今後を考察したい。
[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』『完全解読 中国外交戦略の狙い』『中国人が選んだワースト中国人番付 やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ』『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』など著書多数。近著に『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮新書)
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
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遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)
グローバル経済のトップ・プレイヤーを狙う中国
トランプ氏は選挙中からTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)離脱を宣言していたが、当選後も繰り返してきたので、政権誕生後も離脱の方針は変わらないだろう。北米大陸におけるNAFTA(北米自由貿易協定)さえ見直すとしているくらいだから、グローバル経済のリーダーからは降りることになる。それでもアメリカが豊かになり、「アメリカ・ファースト」を優先するようだ。
となれば、アメリカが不在となったグローバル経済のプレイヤーとして、至るところで存在感を高めていこうと狙っているのが中国である。
一番目の戦略として、中国はまずRCEP(東アジア地域包括的経済連携。東南アジア諸国連合加盟10カ国に、日本、中国、韓国、インド、オーストリア、ニュージーランドを含めた16カ国)内でGDPが最も高い国として、リーダーシップを発揮しようとしている。
そのためアメリカも入っているFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)よりも前に、まずはRCEPにおいてリーダーとなるべく、昨年のペルーAPECで、東アジアの経済連携であるRCEPに、ペルーを加盟させる方向で習近平国家主席は積極的に動いた。
これにより、安倍首相が最も避けたかった「中国による貿易ルール作り」に一歩近づいたことになる。
安倍首相が、トランプ政権がTPPから離脱することが分かっている中でも、何としても日本の国会でTPP加盟可決に漕ぎ着けたかったのは、そのためだったと思う。1月12日から17日にかけて、安倍首相がフィリピン、オーストラリア、インドネシアおよびベトナムを歴訪したのは、その中にTPPに加盟している国(オーストラリア、ベトナムなど)があるからだろう。
一方、習近平国家主席はその間、スイスのダボスを訪問し、初めてダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)(1月17日~20日)に出席した。これが二番目の戦略だ。
中国はこれまで、ダボス会議には国務院総理レベル(党内序列ナンバー2かナンバー3)などが出席していたが、国家主席(党内序列ナンバー1)が出席したことはない。
この力の入れようは、ほかでもない。アメリカが不在となったグローバル経済のトップリーダーとして、中国が世界のグローバル経済を牽引していこうという狙いがあるからだ。
ダボス会議は各国の競争力を指数化して公表し、グローバル化に貢献する経営環境を推奨している。2002年には同時多発テロの影響がありニューヨークで開催されたが、中国の大連などで開催されたこともある。世界レベルの経済フォーラムだ。
日本からは2001年に当時の森首相が現職の首相として初めて出席し、2008年には福田(元)首相が、そして2009年には麻生(元)首相が出席し、しかも2年連続で演説さえしている。
ただ基本的には発祥地の関係から、ヨーロッパ経済界に強い影響力を持つ傾向があり、習近平国家主席が、トランプ政権誕生前夜という、このタイミングでダボス会議に出席しただけでなく、基調講演まで行なった事実は大きい。
1月18日付の本コラム<習近平、ダボス会議で主役 ――「鬼」のいぬ間に>でも書いたが、習近平国家主席は「中国こそはグローバル経済の旗手である」という印象を与えるスピーチをした。
それに対してダボス会議のシュワブ会長は習近平国家主席のスピーチを絶賛しただけでなく、「中国こそが今後のグローバル経済を牽引していく大国だ」と二人の会談で述べている。中国メディアが伝えた。
イギリスのメイ首相が同日、EU(欧州連合)からの離脱を正式に発表し、ヨーロッパでもグローバル経済が揺れる中、トランプ次期大統領はイギリスの行動を絶賛し「このあともイギリスにならう国が続くだろう」とツイートした。EU加盟国が一斉にトランプ次期大統領に反発した、まさにそのタイミングでの習近平国家主席のスピーチは、あたかも「中国はEUの味方だ」というエールを送ったような形になった。
中国にとっては、一見、「結構づくし」のように見えるかもしれない。
外交安全に関して追いつめられる中国
しかし、なぜ習近平国家主席自らが、初めてダボス会議に出席しなければならなかったかというと、実は裏を返せば、中国が外交安全に関しては(あるいは国内事情においても)、完全に「追い詰められている証拠」なのでもある。
昨年12月13日のコラム<トランプ氏「一つの中国」疑問視に中国猛反発>や、今年1月12日のコラム<中国、次は第二列島線!――遼寧の台湾一周もその一環>など、本コラムの多くで書いてきたように、トランプ次期大統領が「一つの中国」原則論にメスを入れたことにより、中国は退路のないところに追い込まれている。
「一つの中国」原則は中国にとって最大の核心的利益であり、たとえ米中の国交を断絶してでも守り抜くだろう。へたすれば戦争になる可能性だって否定できない。
しかし中国には弱みがいくつかある。
一つは、どんなに中国が経済大国としてだけでなく軍事大国としても成長したとはいえ、アメリカには勝てない。特に軍事力において、いま戦争することはできないのである。
習近平国家主席は、中央軍事委員会主席として中国人民解放軍に「いつでもすぐに参戦できる態勢を取り、参戦したからには絶対に勝利すると覚悟せよ!」と厳しく訓示を垂れてきた。
その戦争相手が誰であると想定しているのかは別として、絶対に勝利すると考えられる戦争でないと、自分の方から開戦することはできないだろう。
もう一つには、中国の経済はトータルのGDPでは日本を抜いているものの(日本の2倍以上)、1人当たりのGDPとなると世界ランキングで80位前後。貧富の格差が激しいのだ。おまけに党幹部の底なしの腐敗問題を解決することに手詰まりを覚えている。逮捕しても逮捕しても尽きることなく蔓延し過ぎている。ここで戦争などが起きたら、一党支配体制は崩壊するだろう。
第一列島線に空母「遼寧」が姿を現し、「つぎは第二列島線」と中国は豪語した。
そして習近平国家主席はダボスでアメリカのバイデン副大統領と会談し、「オバマ政権時代、米中は新型大国として互いに認め合い仲良くやってきた」と述べた。新型大国関係をアメリカが認めたとは思えないが、中国としては第二列島線の東の太平洋をアメリカが、西の太平洋を中国が、それぞれ「制覇する」という形のパワーバランスを夢見てきた。
しかし、そのアメリカが「一つの中国」原則をめぐって中国と対立し、せっかく蜜月を演じてきたロシアのプーチン大統領をトランプ大統領が「受け入れる」とすれば、日米同盟が揺るがないという条件の下で、日米露三カ国による「対中包囲網」ができ上がる可能性がある。
外交安全政策に関して、中国はいま、弱い立場にあるのである。
オバマ政権の延長線(ヒラリー・クリントン政権)だったとしたら、こういう事態は起きていなかっただろう。
その意味では、「中国をのさばらせてきた」アメリカが、責任を取る形になる。
トランプ次期大統領の個人的性格や言動に関しては批判もあろうが、しかし、中国の独裁的な覇権と膨張を抑える意味では、意義のある大統領が誕生すると言っていいだろう。
問われる中国共産党政権の統治の正当性
そもそも拙著『毛沢東 日本軍と共謀した男』にも書いたように、中国共産党は日中戦争中に日本軍とはまもとに戦わず、日本側に政敵であった蒋介石・国民党軍の軍事情報を高値で売り付け、国民党軍の弱体化に主力を注いできた。
国民党軍も中華民族。中国の人民である。
その人民を裏切って強大化した中共軍は、それによって中華人民共和国を誕生させた(日本敗戦4年後の1949年10月1日)。だというのに、抗日戦争中の中流砥柱(大黒柱)は中共軍であったと、事実を歪曲して、中国共産党が中国という国家を統治する正当性を主張している。
中国の知性ある人はその真相を知っているし、中共指導層自体が、自分の歴史を知っている。ノーベル平和賞を受賞し、そのときすでに投獄されていた劉暁波氏は、投獄される前にこの真相をネットで公開していた。
昨年2月に他界した顧雪擁氏(日中戦争時の中共側戦場記者。1920年生まれ)は生前、「覆い隠された抗日戦争の真相」という論評を残している。
中国人民の多くがこの真相を知るのは、それこそ時間の問題だ。
中国は、本当は、そのことを恐れている。
「一つの中国」原則を深めていけば、必ず最終的にはそこに行きつく。「中国共産党はいかにして強大化したのか」という問題に行きつくのである。
だから軍事的にも経済的にも、世界を制覇し、膨張を続けていくしかない。日中戦争で勇猛果敢に戦ったという歪曲した「抗日神話」を維持し、戦後の国際秩序を形成したのは中国(中華人民共和国)なので、その国際秩序を維持するために軍事大国にならなければならないという論理である。
「一つの中国」を最初に認めてしまったアメリカは、それを全世界に拡散させ、中国を強大化させてしまった責任を、どこかで取らなければならないだろう。
いま世界は、その分岐点に立っている。
安倍外交が成功するのか、それとも習近平外交が成功するのか、注意深く今後を考察したい。
[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』『完全解読 中国外交戦略の狙い』『中国人が選んだワースト中国人番付 やはり紅い中国は腐敗で滅ぶ』『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』など著書多数。近著に『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮新書)
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。
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遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)