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フランス大統領選で盛り上がるオバマ・コール!

ニューズウィーク日本版 2017年3月1日 19時20分

<フランス大統領選で極右・ルペンがトップを走り、対立候補はスキャンダルまみれ。そんなフランスからオバマ・コールがあふれ出す>

アメリカのバラク・オバマ前大統領は引退生活に華々しいスタートを切った。富豪が所有する島でくつろいだり、カイトサーフィンを楽しんだり、常人には到底かなわない日々を過ごしているようだ。そこへ今、オバマを隠居から連れ戻し、フランスの大統領に推そうとする声が高まっている。

大統領選たけなわのフランス・パリでは、オバマのキャンペーンポスターが町なかのあちこちに現れ始めた。ポスターに踊る文字は「Oui, on peut(イエス・ウィー・キャン)」。

Ce matin dans Paris. #obama #obama17 #ouionpeut #ouionveut ! pic.twitter.com/J1ot8dBG4R— notb3n (@notb3n) 2017年2月22日



アンチ既成政党の波

発端は、ある友人グループの間で交わされた「オバマが大統領になってくれたらいいね」という冗談。それ以来、運動は急速に拡大した。今では独自のウェブサイトもある。オバマ擁立の嘆願書にはすでに4万2000を超える署名が集まった。

「フランスで極右が大量の票を獲得しようとしている今、外国人を大統領に選ぶことで、われわれは民主主義の教訓を世界に伝えることができる」と、ウェブサイトはうたう。

こうしたメッセージの矛先にいるのは国民戦線のマリーヌ・ルペン党首。移民排斥を訴えるルペンは、最近の世論調査でライバル候補たちに大きく差をつけている。アンチ・エスタブリッシュメント(反既成政党)の波がヨーロッパ全土に押し寄せる中で、フランス左派と中道右派はルペンの台頭を阻止できずにいる



オバマへのノスタルジアは、候補者の顔ぶれに対する不満の表れなのかもしれない。ルペンは、欧州議会から秘書給与を不正受給し選挙資金に回していたとされる疑惑に巻き込まれ、中道候補のエマニュエル・マクロン前経済相も、同性愛者との不倫疑惑に悩まされている。一時は最有力だった保守派のフランソワ・フィヨン元首相は議員秘書給与の不正受給問題で謝罪するはめになった。

アメリカより欧州で人気?

オバマの支持率はアメリカでは低迷することもあったが、ヨーロッパでは強い人気を維持してきた。2015年11月のパリ同時多発テロ直後に同市を訪れたこともあり、オバマの人気はフランスでとくに高い。

フランスからの出馬要請に対し、オバマからの回答はまだないが、フランスの法律は外国人が大統領になることを禁じているので、オバマが引退後の趣味としてフランス大統領になろうと思ったとしても無理な相談だ。

From Foreign Policy Magazine

ロビー・グレイマー

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