<オーバーブッキングのユナイテッド航空機で起きた乗客引きずり出し事件で明らかになった客に対する傲慢さ。だが、航空業界ではこのぐらい日常茶飯事>
鼻は骨折して血まみれ、歯は2本折れて脳震盪を起こした客の様子を映した動画が拡散――4月10日、飛行機から乗客のデイビッド・ダオを引きずり降ろした米ユナイテッド航空は、世界最低の航空会社として知られるようになってしまった。
【参考記事】オーバーブッキングのユナイテッド航空機、乗客引きずり出しの一部始終
同社は謝罪文を発表し、今後は搭乗済みの乗客は降ろさないと約束した。ところが4月15日、ユナイテッド航空を利用した婚約中のカップルが、力ずくではないにせよ、飛行機から降ろされたことがわかった。テキサス州ヒューストンからコスタリカに飛び結婚式を挙げようとしていたこのカップルが降ろされた理由は、自分たちが購入した座席よりグレードの高い座席に座っていたから。
【参考記事】ユナイテッド航空「炎上」、その後わかった5つのこと
「機はガラガラだったのに」
カップルによれば、その便は半分ほどしか席が埋まっておらず、割り当てられていた席に戻ろうとしたのに飛行機を降りるように言われたという(ユナイテッド航空側は、カップルがクルーの指示に従わず何度もいい座席に座ろうとしたと言っている)。
こうした出来事が重なった結果、ユナイテッド航空の評判は地に落ち、嘲笑を浴びている。だが、最低の航空会社はユナイテッド航空だけではない。ぞっとするエピソードを紹介しよう。
■ジェットエアウェイズ
航空会社を選ぶ時に、必要最低限の設備として、空調を考慮することはあまりない。当然ついているものだからだ。
しかし、4月14日にインドのムンバイから中部ボパールに向かったジェットエアウェイズの場合は別だった。空調が故障し、一部から窒息するという抗議が出たため、出発直前になって離陸を中止せざるをえなくなった。ジェットエアウェイズは、ムンバイを拠点とするインドで2番目に大きい航空会社だ。
■スパイスジェット
インドの大手航空会社の1つ、スパイスジェットは4月16日、多くの乗客を震え上がらせた。着陸時に、パイロットが何の予告もなくタッチダウン直前で着陸を断念して再浮上したのだ。2回目で無事に着陸したものの、大きな揺れを感じた。機長からも他のクルーからも、何があったのか説明はなかった。
■アエロメヒコ航空
サミュエル・L・ジャクソン主演の有名な映画『スネーク・フライト』は、機内に放たれた大量の毒ヘビと乗客が激闘を繰り広げるストーリーだった。メキシコシティを拠点とするアエロメヒコ航空の乗客たちも2016年11月、「機内毒ヘビ事件」に遭遇した。動画を見ると、ある乗客がこっそりと持ち込んだ緑色の毒ヘビ1匹が、頭上の荷物棚から垂れ下がっている。同機は優先的に着陸が許可され、けが人は出なかったという。
La vibora voladora...ja ja ja. Una experiencia única en el Vuelo Torreón-México, vuelo 231 de Aeroméxico. Eso si...Prioridad en aterrizaje. pic.twitter.com/qwDk6Wtszw— Indalecio Medina (@Inda_medina) 2016年11月6日
■エア・トランザット
飛行経験が豊富で、情報を詳しく提供してくれる礼儀正しいパイロットというのは、乗客たちが求める基本的条件のひとつだろう。もちろん、しらふは大前提。ところが、モントリオールを本拠とするエア・トランザットのカナダ人パイロット2名は2016年7月、スコットランドのグラスゴーからカナダのトロントへのフライトを前に、酒に酔っていたとして逮捕・起訴された。2人はのちに保釈されたが、同社は2人を停職処分とした。
■ハワイアン航空とヴァージン・アメリカ
ユナイテッド航空は乗客のダオを引きずり降ろしたことで集中砲火を浴びている。しかし、オーバーブッキングで乗客を機内から追い出すことにかけては上手がいた。航空会社は、チケットの購入者が実際に搭乗するかしないかという確率に応じて余分に予約を取る。厳しい批判にさらされているこの方法を最も多用しているのはハワイアン航空とヴァージン・アメリカだ。CNBCが言及した連邦政府の統計によると、2013年から2016年の間、両社はそれぞれ、乗客10万人につき1人を強制的に降機させている。
(翻訳:ガリレオ)
グレッグ・プライス
鼻は骨折して血まみれ、歯は2本折れて脳震盪を起こした客の様子を映した動画が拡散――4月10日、飛行機から乗客のデイビッド・ダオを引きずり降ろした米ユナイテッド航空は、世界最低の航空会社として知られるようになってしまった。
【参考記事】オーバーブッキングのユナイテッド航空機、乗客引きずり出しの一部始終
同社は謝罪文を発表し、今後は搭乗済みの乗客は降ろさないと約束した。ところが4月15日、ユナイテッド航空を利用した婚約中のカップルが、力ずくではないにせよ、飛行機から降ろされたことがわかった。テキサス州ヒューストンからコスタリカに飛び結婚式を挙げようとしていたこのカップルが降ろされた理由は、自分たちが購入した座席よりグレードの高い座席に座っていたから。
【参考記事】ユナイテッド航空「炎上」、その後わかった5つのこと
「機はガラガラだったのに」
カップルによれば、その便は半分ほどしか席が埋まっておらず、割り当てられていた席に戻ろうとしたのに飛行機を降りるように言われたという(ユナイテッド航空側は、カップルがクルーの指示に従わず何度もいい座席に座ろうとしたと言っている)。
こうした出来事が重なった結果、ユナイテッド航空の評判は地に落ち、嘲笑を浴びている。だが、最低の航空会社はユナイテッド航空だけではない。ぞっとするエピソードを紹介しよう。
■ジェットエアウェイズ
航空会社を選ぶ時に、必要最低限の設備として、空調を考慮することはあまりない。当然ついているものだからだ。
しかし、4月14日にインドのムンバイから中部ボパールに向かったジェットエアウェイズの場合は別だった。空調が故障し、一部から窒息するという抗議が出たため、出発直前になって離陸を中止せざるをえなくなった。ジェットエアウェイズは、ムンバイを拠点とするインドで2番目に大きい航空会社だ。
■スパイスジェット
インドの大手航空会社の1つ、スパイスジェットは4月16日、多くの乗客を震え上がらせた。着陸時に、パイロットが何の予告もなくタッチダウン直前で着陸を断念して再浮上したのだ。2回目で無事に着陸したものの、大きな揺れを感じた。機長からも他のクルーからも、何があったのか説明はなかった。
■アエロメヒコ航空
サミュエル・L・ジャクソン主演の有名な映画『スネーク・フライト』は、機内に放たれた大量の毒ヘビと乗客が激闘を繰り広げるストーリーだった。メキシコシティを拠点とするアエロメヒコ航空の乗客たちも2016年11月、「機内毒ヘビ事件」に遭遇した。動画を見ると、ある乗客がこっそりと持ち込んだ緑色の毒ヘビ1匹が、頭上の荷物棚から垂れ下がっている。同機は優先的に着陸が許可され、けが人は出なかったという。
La vibora voladora...ja ja ja. Una experiencia única en el Vuelo Torreón-México, vuelo 231 de Aeroméxico. Eso si...Prioridad en aterrizaje. pic.twitter.com/qwDk6Wtszw— Indalecio Medina (@Inda_medina) 2016年11月6日
■エア・トランザット
飛行経験が豊富で、情報を詳しく提供してくれる礼儀正しいパイロットというのは、乗客たちが求める基本的条件のひとつだろう。もちろん、しらふは大前提。ところが、モントリオールを本拠とするエア・トランザットのカナダ人パイロット2名は2016年7月、スコットランドのグラスゴーからカナダのトロントへのフライトを前に、酒に酔っていたとして逮捕・起訴された。2人はのちに保釈されたが、同社は2人を停職処分とした。
■ハワイアン航空とヴァージン・アメリカ
ユナイテッド航空は乗客のダオを引きずり降ろしたことで集中砲火を浴びている。しかし、オーバーブッキングで乗客を機内から追い出すことにかけては上手がいた。航空会社は、チケットの購入者が実際に搭乗するかしないかという確率に応じて余分に予約を取る。厳しい批判にさらされているこの方法を最も多用しているのはハワイアン航空とヴァージン・アメリカだ。CNBCが言及した連邦政府の統計によると、2013年から2016年の間、両社はそれぞれ、乗客10万人につき1人を強制的に降機させている。
(翻訳:ガリレオ)
グレッグ・プライス