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子供の運動能力から超常現象好きまで 指の長さで分かるいろんなこと

ニューズウィーク日本版 2017年8月29日 16時45分

<米ノース・ダコタ大学の研究者が、人差し指の長さと薬指の長さの比率(示指環指比)と筋力との関係を調べ論文にまとめた。指の長さには、その他にもさまざまな傾向があった・・>

人差し指と薬指の長さ比率

「うちの子は将来、イチローやホンダのようにスポーツで大成するかな?」と思ったら、お子さんの指の長さを見てみるといい。少年の指の長さと運動能力の関係を解き明かした調査が発表された。

調査を行ったのは、米ノース・ダコタ大学のグラント・トムキンソン教授。少年の人差し指の長さと薬指の長さの比率(示指環指比)と筋力との関係を調べ、結果を「少年期における示指環指比と筋力の関係」という論文にまとめて「幼児発育ジャーナル」に掲載した。

トムキンソン教授の出身校である南オーストラリア大学のサイトによると、トムキンソン教授の息子で11年生(日本の高校2年生に該当)のジョーダン君が通う米国セイクレッド・ハート・スクールの男子生徒(13〜18歳)57人が調査に参加。年齢、示指環指比、体重、握力を記録した。

胎児期のテストステロン量に関係

トムキンソン教授によると、生徒の握力は、人差し指と薬指の長さの比率が小さい方が強いという結果となり、年齢や体格は関係なかったという。「若年層のスポーツや体育イベントにおいて、筋力の違いが試合結果の重要な決定要因となることを考えると、筋力を必要とする試合などで子供たちがどれだけの結果を出せるかは、この比率から予測が可能かもしれない」とトムキンソン教授は述べている。

さらに、筋力が全体的な健康状態の指標にもなると言い、示指環指比が小さい方が健康である可能性が高いとしている。

トムキンソン教授によると、一般的に男性は、人差し指と比べ薬指の方が長い人の方が多く、女性の場合は人差し指と薬指の長さはほぼ同じ。指の長さの比率は、胎児の発達時におけるテストステロンの量によって決定される。胎児がテストステロンを作れば作るほど薬指は長くなり、比率は小さくなる。テストステロンは、運動やスポーツでのパフォーマンスを上げる自然のステロイド・ホルモンであり、示指環指比が小さい人の方が概して運動能力が高いという。

示指環指比からはこんなことも分かる

この示指環指比からは、上記以外にも多くを知ることができるようだ。英紙ガーディアンが2015年に掲載した記事から、算出のしかたと平均値をお教えしよう。



指の付け根(折れる部分)から指先まで、人差し指と薬指の長さをそれぞれ測る。人差し指の長さを薬指の長さで割って出てくる数字が、あなたの「示指環指比」だ。例えば人差し指が7.8センチで薬指が8.2センチなら、示指環指比は0.95だ。男性の平均値は0.95、女性は0.97だという。

ガーディアンによると、示指環指比が平均値よりも小さい場合、その人は積極的で、攻撃的でさえあるかもしれない。摂食障害に陥る可能性は、平均値より大きい人と比べて低い。男性で平均値より小さい場合は、より男性的で支配的な力を持つ人という印象を与える。ある調査では、プロのミュージシャンの場合、平均値よりも小さい人の方が、スキルが高かったという。

一方で示指環指比が平均値よりも大きい場合、性格的な特徴としては、同調性に長けている傾向にあるという。つまり、示指環指比が平均値よりも小さい人と比べ、「良い人」という印象になる。男性の場合、試験の成績は良いが、超常現象や迷信を信じやすいところがあるという。ストレートの女性やゲイの男性の場合は、示指環指比が平均値よりも大きいと、男性的な顔つきのパートナーを好む傾向があるという。

トムキンソン教授の調査同様、ガーディアンによるとこうした特徴は、胎児の時に受けたテストステロンの量によって出てくる違いとのことだが、テストステロン以外にも指の長さに影響する要因はあるので、こうした特徴に当てはまらなくても心配しないように、とのことだ。

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松丸さとみ

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