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トランプはハリケーン被災者に1人も会わず。メンタルな問題か

ニューズウィーク日本版 2017年8月31日 14時30分

<ハリケーン・ハービーの被災地テキサスに飛んだトランプ米大統領、演説をしただけで被災者には会わずに帰ってきた!?>

ドナルド・トランプ米大統領は、ハリケーン・ハービーに襲われたテキサス州の被災地を訪れたが、被災者には1人も会わなかったと、政治情報サイトのポリティコは報じた。

トランプは集まった聴衆について「なんという聴衆、なんという数だ」と言っただけだった。
Trump to hurricane victims in Corpus Christi, TX: "Thank you everybody. What a crowd, what a turnout." (via Reuters) pic.twitter.com/kVe3f8NmTL— Kyle Griffin (@kylegriffin1) 2017年8月29日

(トランプから被災者へ:「みんなありがとう。なんという聴衆、なんという数だ」)


トランプがテキサスに来たのは自分のためで、被災者のためではなかったのではないか、という批判の声も上がった。トランプはツイッターで反論した。

After witnessing first hand the horror & devastation caused by Hurricane Harvey,my heart goes out even more so to the great people of Texas!— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年8月30日

(「ハリケーン・ハービーがもたらした恐怖と破壊をこの目で見て、心はテキサスの偉大な人々のことで一杯だ」)


【参考記事】あのジカ熱も?「ハービー」の被災者を感染症が襲う
【参考記事】ヒューストン豪雨災害に見る、「線状降水帯」の恐ろしさ

テキサスまで何しに行ったのか

自然災害で被害が出た州を大統領が慰問するのは珍しくないが、わざわざ現地まで行って被災者に会わないというのは変だ。ジョージ・W・ブッシュ元大統領は、2005年にハリケーン・カトリーナが襲来した後、メキシコ湾岸の被災地を訪ねるのが遅かったと批判された。だがやっと訪れたときは、被災者たちを抱擁した。

【参考記事】ハリケーン被災地にピンヒールで向かったメラニア

2012年にスーパーストーム・サンディが東海岸を襲ったときは、バラク・オバマ前大統領がただちに被災地を訪れ被災者を慰めた。オバマ政権の性格を決定づけた瞬間だった。

比べるなら、こうだ。
What a contrast. This is Obama after Sandy. This is Trump after Harvey "rally": "What a crowd, what a turnout" pic.twitter.com/W7BE42Cgl5— Sarah Burris (@SarahBurris) 2017年8月29日

(何て対照的。サンディの後のオバマと、ハービーの後に「政治集会」を開くトランプ。「なんという聴衆、なんという数だ」)


Didn't. Meet. With. Any. Victims. pic.twitter.com/ZHVy4oZBS8— Talia (@2020fight) 2017年8月30日

(被災者の誰とも会わないなんて)


Just in case you were unsure, Trump flew to Texas and did not meet with a single hurricane victims. Not one. But he had a rally.— Dane Rauschenberg (@SeeDaneRun) 2017年8月30日

(トランプはテキサスまで来て、1人の被災者とも会わなかった。誰にもだ。政治集会だけはやったんだ)

他人に共感できない?

トランプの支持率は危機的に低い。ギャラップの世論調査によれば、大統領の仕事ぶりを支持する人はたったの35%だ。オバマの場合、就任1年目の今頃は50%の支持率があった。

トランプは8月半ばにバージニア州シャーロッツビルで白人至上主義団体と反対派が衝突して反対派の女性1人が亡くなった事件を巡り、責任は双方にあると言ったことで今も批判されている。悲劇に対する正しい反応の仕方がわからない、とも言われている。他人に対する共感を表現するのが苦手なのであれば、歴史的に低い支持率も説明がつくかもしれない。

ジョン・ハルティワンガー

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