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英ネズミ捕獲長ラリーはサボってる? 立場を脅かすルーキーとの争い過熱

ニューズウィーク日本版 2017年9月4日 18時20分

<イギリス官庁街で、抗争勃発!? 3匹目の加入で「ネズミ捕獲長」の座をかけたレースの行方はどうなる>

欧州連合(EU)離脱交渉など、何かと騒々しいイギリスだが、これは人間社会だけの話ではない。ロンドンの官庁街「ホワイトホール」では、ネズミ取り名人の威厳をかけて、猫たちの抗争が続いているようだ。

デイリーメールによると、ロンドンの首相官邸で放し飼いされ、公務員としてネズミ捕獲長の肩書を持つ、猫のラリーに「業務怠惰」の疑いが浮上している。というのも、すぐ近くの外務省に住む猫のパーマストンが見事なネズミ取りの腕前を披露しているからだ。

複数のメディアによると、パーマストンは2016年4月に、ラリーと同じ動物保護施設「バタシー・ドッグズ&キャッツ・ホーム」から、ネズミ捕獲のために外務省に引き取られ、少なくとも27匹のネズミを捕獲した。この数字は、あくまで目撃情報による集計というから、実際の捕獲数はさらに多いと見られる。

【参考記事】【EU残留派ネコ】ブレグジットはボクも心配だニャ~!

Come to @openhouselondon today @foreignoffice & help me #findthemice with @BDCH. pic.twitter.com/rE3kNxmbxL— Palmerston (@DiploMog) 2016年9月18日

(ネズミのぬいぐるみに囲まれるパーマストン)


ちなみに、パーマストンはひもじさからネズミを獲っているわけじゃない。しっかりと食事も与えられている。外務省が明らかにした情報によると、普段は「ウィスカス」(日本ではカルカンの名前で親しまれている)を食べているそうだ。

一方、ラリーの業務成績はここのところ芳しくない。元祖ネズミ捕獲長なのに、それに相応しい働きはなさそうだ。ただ、新入りパーマストンの活躍で、自身の進退について弱気になっているかと思いきや、そうでもなさそうだ。7月上旬、元祖ネズミ捕獲長とルーキーの2匹が、路地裏でタイマン勝負をしている様子をBBCの記者が捉えた。

【参考記事】「世界猫の日」分断解消のカギを握るネコたち

Here is the exclusive video...... pic.twitter.com/YusArW8kkH— Laura Kuenssberg (@bbclaurak) 2016年7月11日

(深夜に衝突した2匹)


2匹の抗争に昼夜など関係ない。パーマストンは昼間からラリーの縄張りを訪れ、公衆の面前での戦いも辞さない。ラリーの留守を見計らって首相官邸に忍び込もうとしたこともある。この時はあえなく捕まり、追い出された。





ODN-YouTube


ダークホースも存在!?

勝敗は定かでないが、実はラリーのライバルは他にもいる。2016年6月に官庁街で3番目のネズミ捕獲猫として財務省に配属された黒猫のグラッドストンだ。過去4度首相を務めたウィリアム・グラッドストンの名前から名付けられた。

グラッドストンのネズミ取りの実力は未知数だが、ツイッタ―の公式アカウントの投稿を見る限り、やる気は十分だ。

Well the cat's out of the bag now (excuse the pun). Guess you can let me out; gots mice to catch! pic.twitter.com/sR6luV7SQL— Gladstone (@HMTreasuryCat) 2016年7月29日

(初投稿で早速「外に出してネズミを捕まえさせて!」)


ネズミ捕獲レースは、新たな局面を迎えるのか。イギリスの行方はもちろんだが、猫たちの戦いからも目が離せない。

【参考記事】垂れ耳猫のスコフォがこの世から消える!? 動物愛護団体から残酷との声
【参考記事】「ホントは、マタタビよりもゴハンよりも人間が好き」――猫より


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ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

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