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【写真特集】土星探査機カッシーニがくれた贈り物----使命終え大気圏突入

ニューズウィーク日本版 2017年9月8日 19時15分

<土星探査機カッシーニが、13年に及んだ英雄的な冒険を終えて自ら消滅するときがきた。別れを惜しむ写真特集>

壮大な宇宙探査ミッションが劇的な最後を迎えようとしている。土星までの旅に7年、探査に13年を費やした土星探査機カッシーニは、9月15日、自ら土星の大気圏に突入してその使命を終える。最後の瞬間までレーダーを地球に向け、貴重なデータを送り続けながら。

【参考記事】土星探査機カッシーニ、最終任務は衛星タイタンへの「最後のキス」

初めての本格的な土星探査機カッシーニのおかげで、人類は土星とその環と衛星について、想像もしなかった多くの発見と研究材料を得た。カッシーニが小型探査機ホイヘンスを落とした土星最大の「月」タイタンには、雨や川、湖や海があった。間欠泉が噴き出す衛星エンケラドスでは、地球外で初めての熱水活動の証拠が見つかった。最も生命がいそうな星だ。土星の環の詳細な調査データは、太陽系の惑星の成り立ちを知るカギを握っている。

カッシーニの壮大な冒険は、新しい知識や発見がいかに人類を豊かにしてくれるかを思い出させてくれる。だがそんなカッシーニも、土星まであと1年半の距離にくるまで必要な予算が認められなかった。宇宙探査を絶やしてはいけない。カッシーニは、そう言っているようだ。


CASSINI MISSION from Chris Abbas on Vimeo.

以下は、カッシーニの贈り物のなかから選んだ印象深い写真10点。

1)

土星の第8衛星イアペタスに接近しようとしていたカッシーニが、振り返ってとらえた土星の姿(2007年9月) NASA/JPL/SPACE SCIENCE INSTITUTE

2)

土星の衛星タイタンに存在する2番目に大きな液体の湖、リゲイア海。タイタンの北極にある多くの海や湖の1つで、エタンやメタンなどの炭化水素に満ちている NASA/JPL-CALTECH

3)

土星から最も遠い月の1つ、フィービー。カッシーニを通じて科学者が初めて目にした土星の衛星だ。すぐ近くを飛んでいたため、クローズアップの詳細な画像が撮れた。2004年のことだ。それから13年、カッシーニは飛び続けてきたNASA/JPL/SPACE SCIENCE INSTITUTE

4)

土星とその月エンケラドス NASA/JPL/SPACE SCIENCE INSTITUTE

5)

不思議な形の月、パンの軌道は、「エンケの間隙」と呼ばれる土星の環の隙間にある。環の中を公転するパンがこの隙間を作っている NASA/JPL-CALTECH/SSI

6)

土星の環の端が大きく波立ち、環の上に長い影を作っている。環のすぐそばを公転する小衛星の影響とみられる。これらの小衛星は、環の間で公転するだけでなく、環から環へと移動することがわかっている NASA/JPL/SPACE SCIENCE INSTITUTE

7)

土星に映ったタイタンの影。タイタンは土星の月のなかでも最大の星 NASA/JPL/SPACE SCIENCE INSTITUTE

8)

2000年10月1日、カッシーニが「立ち寄った」木星。土星まで3年で飛ぶためには、太陽系で最大の木星の重力を利用する必要があった。近く見えるが、8400万キロの距離がある NASA/JPL/UNIVERSITY OF ARIZONA

9)

カッシーニが土星の最大の月タイタンに落とした小型探査機ホイヘンスが撮った地表 NASA/ESA/UNIVERSITY OF ARIZONA

10)

衛星エンケラドスの南極付近の地表の裂け目から噴き出す間欠泉。氷と水蒸気からなる柱は数千キロに達する NASA/JPL-CALTECH/SSI




スタブ・ジブ

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