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美容整形は自分でできるDIYの時代へ でも「お金の無駄」だそうです

ニューズウィーク日本版 2017年11月28日 17時50分

<美容グッズを買うくらいなら、貯金して外科手術に備えた方が賢い!? >

中国の美容整形口コミサイト「SoYoung」は、監査法人・コンサルティング会社のデロイトなどの調査をもとに、今年美容整形手術を受ける中国人が昨年比42%増の1400万人に達すると発表した。

ますます多くのアジア人が欧米人の顔に憧れ、同じような顔を手に入れたい欲求が高まっているという報告まで出ている。アジアを中心としたこの美のトレンドは今、外科手術に手が届かない消費者をも巻き込み一大市場に成長した。

香港英字紙サウスチャイナ・モーニングポストによると、香港で鼻の美容整形手術の値段は3800ドル(約42万円)。香港政府統計処が発表した中期人口統計で香港の2016年の世帯月収の平均が2万5000香港ドル(約36万2500円)だったことを考えると、決して安くはない。

そんな懐事情もあり、外科施術より安価でお手軽な方法が注目されている。それは「DIY美容整形」だ。自分自身でできる美容グッズの市場は活況を呈しており、ボトックス注射液とシリンジ(注射器)のセットのオーソドックスなものから拷問器具を連想させるものまで、さまざまなアイテムで溢れている。


(「DIY美容整形」グッズを紹介するチャンネルまで出現)


美容情報サイトを運営するオーストラリア人のキンベリー・ニッセンは、実際に「DIY美容整形」を行った美容通。そんな彼女は「DIY美容整形」アイテムに「効果はほとんどない」と指摘している。

このようなアイテムの多くは痛みを伴わない速効性を謳うが、実態の伴わない「希望」を売っているようなものだ。購入者は半永久的な効果を期待して商品を買っているので、期待した効果を求めて日夜アイテムを使い続ける。でも、そんな効果が表れることはない。運よく短期的な効果が見られても、アイテムを使わなくなれば消えていく。



結局のところ「DIY美容整形」アイテムを使っても何の解決にもならない。ニッセンは「お金の無駄」と言い切っている。その分のお金を節約し貯めて、外科施術を受けたほうが効率的だという。

医療情報サイト「Scalpel」で専門家は、「DIY美容整形」には何のメリットもないと強調している。唯一例外があるとすれば、心理的な偽薬(プラシーボ)効果である。

外科施術の売れ筋は「目を丸くする手術」

一方、実際の美容整形手術も相変わらずの勢いだ。アジアで人気なのは、目を丸く見せるための二重手術。日本も例外でない。電車や街中で「加工済み」と思われるまぶたや目頭の人に遭遇する頻度は間違いなく上がった。

なかでも世界一の美容整形率を誇る韓国は活発だ。男性患者も多く、韓国では女性にもてたい男性たちがK-POPアイドルの顔をモデルに美容整形をしている。オーストラリアのニュースサイト「News.com.au」によれば、韓国の4000の美容クリニックで年間65万人が手術を受けるそうだ。

美容整形を目的に中国や日本から足を運ぶ患者も多く、その需要を見込んで仁川国際空港の新ターミナル3階、2500平方メートルの敷地を「美容整形センター」として展開する計画(2018年完成予定)まで発表した。

もはや、化粧するのと同じような感覚で美容整形が受け入れられているとサウスチャイナ・モーニングポストは指摘している。


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ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

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