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退職後30年以上ある時代を、投資せずに乗り切れますか?

ニューズウィーク日本版 2018年9月28日 11時5分

<日本人の投資熱はいまだに低いが、つみたてNISAやiDeCoなど、投資初心者が取り組みやすい仕組みが整ってきている。今こそ資産運用について考えるいい機会だ>

ただ銀行に預けるだけでは資産は増えない。将来もらえる年金もどれだけ減るかと不安が尽きない。そんな時代になっていることは誰もが知っているはずだが、それでも日本人の投資熱はいまだ低い。

日本銀行調査統計局の2018年のレポートによれば、日本の家計の金融資産のうち、債務証券・投資信託・株式等の運用資産が占める比率はわずか16.2%。アメリカの53.9%、ヨーロッパ(ユーロ圏)の31.3%と比べて、格段に低いのが現状だ。

なぜだろうか。理由のひとつには、「投資は難しい」という漠然としたイメージを抱く人が多いことが挙げられるだろう。

確かに「簡単」ではないかもしれない。しかし最近は、つみたてNISAやiDeCoなど、投資初心者が取り組みやすい仕組みが整ってきている。寿命が延び、退職後の人生のための資産形成がますます重要になってきている今、まだ資産運用をしていない人も、すでに始めている人も、投資についてじっくり考えるいい機会だ。

ここでは、覚えておきたい5つのキーワードを紹介する。自分の資産を管理・運用し、増やしていくために、いま身につけておきたい最新の知識だ。

(1)100年Life

リンダ・グラットン(ロンドン・ビジネススクール教授)の著書『LIFE SHIFT』のヒットにより、「人生100年」が当たり前とも言える時代になった。そうなれば、退職後30年以上を豊かに生きるための資金が必要になってくる。これから資産運用をしていく上で、頭に入れておきたい変化だ。

そこで覚えておきたいキーワードが「100年Life」。不動産販売事業者向けに投資物件を仕入れて卸してきたランドネットが、新たに打ち出そうとしているサービス・コンセプトである。

「100年Life」とは何か? それは、人生の円熟期の30年間を、現代社会が生み出した新しい人生のステージと捉え、ひとりひとりがこのステージを存分に楽しみ尽くすための「学び」と、財政面でのサポートを提供しようというコンセプトだという。

ランドネットは昨年から、物件を個人投資家に直接販売するサービスを始め、個人投資家たちの間で話題になってきた。つまり、不動産投資(マンション投資)のサービスを提供しているわけだが、それと「100年Life」にどういう関係があるのだろうか。

その謎を解くカギは、ストック収入とフロー収入という考え方にあった――。

●詳しくはこちら「100年Life」を楽しく生きるための「私的年金」の作り方|PR|


(2)iDeCo

公的年金(国民年金や厚生年金)と違い、加入者本人が運用方法を選んで積み立てていくのが「確定拠出年金」。そして、確定拠出年金のうち個人で行う個人型が「iDeCo(イデコ)」である。これも、資産運用をする上で覚えておきたいキーワードのひとつだ。

iDeCoでは、支払った掛金がすべて課税対象から控除される。また、通常の金融商品と違って、運用益はすべて非課税だ。こうした節税効果の高さから「絶対に儲かる資産運用術」などと絶賛する声もあるが、果たして落とし穴はないのか......。

忘れてならないのは、iDeCoはあくまで「年金」だということだ。

●詳しくはこちら>iDeCoは「絶対に儲かる資産運用術」? 実は、落とし穴も少なくない



(3)つみたてNISA

今年からスタートした「つみたてNISA」が3つ目のキーワード。従来の「NISA(少額投資非課税制度)」と何が同じで、何が違うのか。つみたてNISAならではの利点と注意点は何か。

そもそもは投資の初心者向けに、一定の金額までを非課税にする制度だ。NISAもつみたてNISAも、その最大の特徴は「運用益が非課税」という点にある。一方、両者の違いは、つみたてNISAのほうが非課税投資枠が小さく、その代わりに非課税期間が長いこと。

だが、知っておくべきことはそれだけではない。つみたてNISAの対象商品は、とにかく手数料が低い。そしてそれこそが、ベテラン投資家であっても注目すべき理由なのだ。

●詳しくはこちら>つみたてNISAの利点と注意点、ベテラン投資家も知っておきたいこと

(4)AI投資

「ロボアドバイザー」という言葉を聞いたことがあるだろうか。世の中は今、空前のAIブームだが、それは株の世界でも同じ。ロボアドバイザーは「投資家のニーズを入力することによって最適なポートフォリオをおすすめしてくれるシステム」のことで、いわば「AI投資」である。

これが4つ目のキーワードだ。果たしてAI投資は、証券会社の営業マンより優秀なのか。どういう点において人間に勝っているのか。

個人投資家としては大いに気になるところで、実際「夢のようなシステム」と言えるような利点がある。しかし、投資に「100%」はない。

●詳しくはこちら>株の世界もAIブーム、ロボアドバイザーに死角はないのか

(5)ESG投資

最後のキーワードは、ヨーロッパの機関投資家を中心に急速に普及した「ESG投資」。環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に配慮した取り組みを積極的に行っている企業を選別して行う投資のことだ。

この流れにあるのが、日本で2012年度から始まった「なでしこ銘柄」である。経済産業省と東京証券取引所が選定する「女性の活躍推進に優れた企業」で、いま株式市場で注目を集めている。

具体的に、どの企業がなでしこ銘柄に入っているのか。個人投資家にとって、なでしこ銘柄に投資するメリットは何か。そして何より、実際の業績パフォーマンスはどうなのか。これからの資産運用に、知っておいて損はないだろう。

●詳しくはこちら>世界的潮流「ESG投資」とは何か、「なでしこ銘柄」は儲かるか


ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

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