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フェイスブック版仮想通貨は誰も信用しない?

ニューズウィーク日本版 2019年6月4日 18時45分

<社内で「グローバルコイン」と呼ばれる仮想通貨が来年初めにも十数カ国で利用できるようになるかもしれないが、問題は誰もフェイスブックを信用していないこと>

フェイスブックが独自に開発している仮想通貨――社内で「グローバルコイン」と呼ばれている――が、20年第1四半期にも十数カ国で利用できるようになるかもしれない。

BBCによると、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOはイングランド銀行(英中央銀行)総裁と面談。米財務省にも法的な助言を求めている。

ソーシャルメディア業界に詳しいマット・ナバラは次のように指摘する。

「フェイスブックには、実現可能な仮想通貨を構築する技術的および経済的資源がある。問題は信用だ。今は誰もフェイスブックを信用していない。彼らがユーザーの金融とそれに伴う情報に手を付けようとしていることに、規制当局もユーザーも、ことさら警戒するはずだ」

自前の仮想通貨は、フェイスブックに新たな収益の流れを生むとも、ナバラは言う。「独自の送金プラットフォームを持てば、ユーザーや消費者の行動を推察する大きな情報源になって、製品の開発に利用でき、広告主に売り込むこともできる」

<本誌2019年6月11日号掲載>


※6月11日号(6月4日発売)は「天安門事件30年:変わる中国、消せない記憶」特集。人民解放軍が人民を虐殺した悪夢から30年。アメリカに迫る大国となった中国は、これからどこへ向かうのか。独裁中国を待つ「落とし穴」をレポートする。



ジェイソン・マードック

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