<世界を恐怖に陥れた首切り処刑人「ジハーディ・ジョー」を含むイギリス人4人組処刑部隊の幕切れた見えてきた>
テロ組織ISIS(自称イスラム国)処刑部隊の英国人メンバーで、2018年1月に身柄を拘束された二人のうちの一人が、欧米人の誘拐に関与したことを告白し、謝罪した。この告白によってアメリカへの身柄引き渡しが早まる可能性もあるが、それは承知の上だと語った。
元ISIS戦闘員のシャフィ・シェイクは、共に身柄を拘束されたアレクサンダ・アモン・コーティと共にCNNのニック・パトン・ウォルシュのインタビューに応じた。残虐行為と英国風のアクセントから「ビートルズ」と呼ばれていた悪名高い4人組で、27人の欧米人を処刑したといも言われている。処刑部隊のうち、残っているのは3人。彼らはそのうちの2人だ。
コーティとシェイクは、ISIS がイラクとシリアの広い地域を支配していた2014年ごろに、欧米人の誘拐を手伝っていたことを認めた。だが、ISISの代名詞となった残虐行為や殺人については、関与していないと否定した。
「私は戦闘員だった」とコーティは主張した。「人質たちから連絡用のメールアドレスを聞き出すのが役目だった。たとえば人質の生死について聞かれたときのために、本人でなければ知りえない情報を聞き出した」と彼は語った。
元人質は「ビートルズから拷問を受けた」
シェイクは、欧米人の誘拐についても、「欧米人捕虜と彼らの解放交渉に携わっている人々との連絡役をしただけ」だったと主張した。米国務省は、2人が人質の拷問も行っていたとしている。
ISISに身柄を拘束されたことのある複数の人物が、「ビートルズ」が拷問や殺害を行っていたと証言している。
ビートルズのうち「ジハーディ・ジョン」と呼ばれて恐れられたイギリス人は、米国人ジャーナリストのジェームス・フォーリーとスティーブン・ソトロフを「処刑」している。本名はモハメド・エムワジで、2015年にドローン攻撃で殺された。
<参考記事>「イスラム国」機関誌、ジハーディ・ジョン死亡を発表
拘留先で、手錠を外されジャーナリストと話すコーティー(左)とシェイク
ISISに拉致された経験があるスペイン人カメラマン、リカルド・ガルシア・ビラノバは、こう証言する。「私はISISに拉致されていた間、覆面をかぶり英国風のアクセントで話す複数の男から拷問を受けた。一緒に拉致されていた多くの人質たちも彼らから拷問を受け、中には命を落とした者もいる。彼らが、自分たちのしたことについて裁かれることを望む」
1990年代に家族でスーダンからイギリスに逃れたというシェイクは、自分がしたことについて申し訳なかったと語った。「ISISのなかで自分が果たした役割は過ちのひとつで、謝罪したい。直接・間接に影響を受けた、すべての人に謝罪したい」
現在2人はシリア北部でクルド人主体の反政府組織、シリア民主軍に身柄を拘束されているが、2019年1月、イギリスの裁判所はその身柄をアメリカに移送して裁判を受けさせることを認める判断を下した。英政府は2015年に2人の市民権をはく奪している。
シェイクは、罪を告白することでアメリカへの送還を回避したいとは考えていないと語った。「むしろ告白したことで、私たちのアメリカへの送還または身柄引き渡しが早まることもあると考えている。今回の告白で、アメリカ行きを避けられるとは思っていない。ただ、もう終わりにしたいだけだ。何をすべきかは分かっている。真実が明らかにされるべきだ」と彼は語った。
「ザ・ビートルズ」の4人目のメンバーであるエイネ・デービスは2015年、トルコへの攻撃を計画していた疑いでイスタンブールで身柄を拘束された。2017年にはISISの幹部だった罪に問われ、同国で有罪評決を受けている。
(翻訳:森美歩)
※6月18日号(6月11日発売)は「名門・ジョージタウン大学:世界のエリートが学ぶ至高のリーダー論」特集。「全米最高の教授」の1人、サム・ポトリッキオが説く「勝ち残る指導者」の条件とは? 必読リーダー本16選、ポトリッキオ教授から日本人への提言も。
拘禁先で手錠を外されジャーナリストと話すコーティー(左)とシェイク
カラム・ペイトン
テロ組織ISIS(自称イスラム国)処刑部隊の英国人メンバーで、2018年1月に身柄を拘束された二人のうちの一人が、欧米人の誘拐に関与したことを告白し、謝罪した。この告白によってアメリカへの身柄引き渡しが早まる可能性もあるが、それは承知の上だと語った。
元ISIS戦闘員のシャフィ・シェイクは、共に身柄を拘束されたアレクサンダ・アモン・コーティと共にCNNのニック・パトン・ウォルシュのインタビューに応じた。残虐行為と英国風のアクセントから「ビートルズ」と呼ばれていた悪名高い4人組で、27人の欧米人を処刑したといも言われている。処刑部隊のうち、残っているのは3人。彼らはそのうちの2人だ。
コーティとシェイクは、ISIS がイラクとシリアの広い地域を支配していた2014年ごろに、欧米人の誘拐を手伝っていたことを認めた。だが、ISISの代名詞となった残虐行為や殺人については、関与していないと否定した。
「私は戦闘員だった」とコーティは主張した。「人質たちから連絡用のメールアドレスを聞き出すのが役目だった。たとえば人質の生死について聞かれたときのために、本人でなければ知りえない情報を聞き出した」と彼は語った。
元人質は「ビートルズから拷問を受けた」
シェイクは、欧米人の誘拐についても、「欧米人捕虜と彼らの解放交渉に携わっている人々との連絡役をしただけ」だったと主張した。米国務省は、2人が人質の拷問も行っていたとしている。
ISISに身柄を拘束されたことのある複数の人物が、「ビートルズ」が拷問や殺害を行っていたと証言している。
ビートルズのうち「ジハーディ・ジョン」と呼ばれて恐れられたイギリス人は、米国人ジャーナリストのジェームス・フォーリーとスティーブン・ソトロフを「処刑」している。本名はモハメド・エムワジで、2015年にドローン攻撃で殺された。
<参考記事>「イスラム国」機関誌、ジハーディ・ジョン死亡を発表
拘留先で、手錠を外されジャーナリストと話すコーティー(左)とシェイク
ISISに拉致された経験があるスペイン人カメラマン、リカルド・ガルシア・ビラノバは、こう証言する。「私はISISに拉致されていた間、覆面をかぶり英国風のアクセントで話す複数の男から拷問を受けた。一緒に拉致されていた多くの人質たちも彼らから拷問を受け、中には命を落とした者もいる。彼らが、自分たちのしたことについて裁かれることを望む」
1990年代に家族でスーダンからイギリスに逃れたというシェイクは、自分がしたことについて申し訳なかったと語った。「ISISのなかで自分が果たした役割は過ちのひとつで、謝罪したい。直接・間接に影響を受けた、すべての人に謝罪したい」
現在2人はシリア北部でクルド人主体の反政府組織、シリア民主軍に身柄を拘束されているが、2019年1月、イギリスの裁判所はその身柄をアメリカに移送して裁判を受けさせることを認める判断を下した。英政府は2015年に2人の市民権をはく奪している。
シェイクは、罪を告白することでアメリカへの送還を回避したいとは考えていないと語った。「むしろ告白したことで、私たちのアメリカへの送還または身柄引き渡しが早まることもあると考えている。今回の告白で、アメリカ行きを避けられるとは思っていない。ただ、もう終わりにしたいだけだ。何をすべきかは分かっている。真実が明らかにされるべきだ」と彼は語った。
「ザ・ビートルズ」の4人目のメンバーであるエイネ・デービスは2015年、トルコへの攻撃を計画していた疑いでイスタンブールで身柄を拘束された。2017年にはISISの幹部だった罪に問われ、同国で有罪評決を受けている。
(翻訳:森美歩)
※6月18日号(6月11日発売)は「名門・ジョージタウン大学:世界のエリートが学ぶ至高のリーダー論」特集。「全米最高の教授」の1人、サム・ポトリッキオが説く「勝ち残る指導者」の条件とは? 必読リーダー本16選、ポトリッキオ教授から日本人への提言も。
拘禁先で手錠を外されジャーナリストと話すコーティー(左)とシェイク
カラム・ペイトン