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次の休暇はイタリアのカモーリへ? Newsweekが選ぶ「穴場」の旅50選

ニューズウィーク日本版 2019年7月9日 12時55分

<有名でなくてもとっておきの時間が過ごせる場所や、テーマ性のある旅がトレンドになっている。エコで豪華なホテルや沈船ダイビング、ニューヨークの書店めぐり、倫理的なゾウの保護区......。いざ定番ではないあの場所へ>

人はなぜ旅をするのか。

遺跡や文化、食、自然と理由はさまざまだが、共通するのはそこにしかない体験。技術革新や情報網の発達であらゆることが瞬時に知られ、世界はこれまでになく身近に感じられるようになっている。それでも実際に足を運び、その土地の歴史や生活を肌で感じられる旅に代えられるものはない。

もちろん定番の観光地には時代を超えた、たくさんの魅力が詰まっている。でも旅のベテランにとっては、それほど有名ではなくてもとっておきの時間が過ごせる場所や、テーマ性のある旅こそがトレンドになりつつある。

例えば、イタリアのカモーリ(上写真)。ガイド本に載ることが少ないので、知らない人も多いかもしれないが、ビーチの散歩道にはジェラートやケーキの店が並び、それを見下ろすように家々がぎっしり立つ美しい港町だ。漁師たちの住居はおとぎ話のように幻想的で、外壁は色鮮やか。窓やレンガのだまし絵も駆使されている。高級リゾート地のポルトフィーノへは船ですぐ行けるし、ジェノバも近いという立地だが、このカモーリでのんびり過ごす旅はどうだろうか。

ニューズウィーク日本版は7月19日号の「とっておきの世界旅50選」特集(7月9日発売)で、誰も知らない場所でひと味違う旅を楽しみたいという人のために、世界の愛すべき旅先をたっぷり紹介する。

1年半かけてイタリア各地をドライブ旅行したというアメリカの作家・詩人、フランシス・メイズには、「観光大国」イタリアの知られざる小都市を選んでもらった。「それこそ人生を10回生きても、『イタリアを知り尽くした』とは言えないだろう」と言うメイズがお勧めするのは、冒頭のカモーリを含む以下の10カ所だ。

・カモーリ(リグーリア州)
・サンタディ(サルデーニャ州)
・トベル湖(トレンティノ・アルトアディジェ州)
・ジェノバ(リグーリア州)
・シクリ(シチリア州)
・パルマ(エミリア・ロマーニャ州)
・サンタンジェロインバード(マルケ州)
・トレント(トレンティノ・アルトアディジェ州)
・スペルロンガ(ラツィオ州)
・プティニャーノ(プーリア州)

国立公園だけでは分からない米ワイオミング州・モンタナ州の魅力

上質な休暇を楽しみつつも環境への配慮は忘れたくない――そんな旅人には、地球に優しい8つのリゾートを。バホスデルトロ(コスタリカ)のエルシレンシオ・ロッジ&スパや、グルガオン(インド)のITCグランドバーラト・グルガオン、モルディブのソネバフシなど、今や世界各地にエコフレンドリーな豪華ホテルがある。

ソネバフシでは砂浜でディナーを楽しみウミガメが泳ぐ海でシュノーケリング RICHARD WAITE



大自然の中で自分を取り戻す旅を求めているなら、アメリカ西部、ワイオミング州とモンタナ州のドライブはどうだろう。自然美の宝庫で、毎年多くの人がハイキングやサイクリングやキャンピングのために訪れるが、観光名所や国立公園に行くだけではこの2州の本当の魅力は分からない。

モンタナ州のフラットヘッド・レイク・ロッジでは乗馬体験も COURTESY OF FLATHEAD LAKE LODGE

特集の「スマホを捨てて冒険の地へ」という記事では、旅行サイト「Fathom」共同創設者であるジェラリン・ガーバとパビア・ロザティが、日常から解放される6つのプランを紹介する。ネット接続を強引に断ち切れる旅、電波の届かない辺ぴな地域で過ごすツアーだ。

・火山の火口で「人口雷」を体験(米ニューメキシコ州)
・徒歩10キロのガイド付きサファリツアー(ザンビア・南ルアングア国立公園)
・川と湖をカヌーで旅し、豊かな自然に触れる(カナダ・ノバスコシア州)
・心と体の毒を抜くデトックスキャンプ(米カリフォルニア州マリブ)
・アフリカの星空と野生動物を満喫(ボツワナ・オカバンゴデルタ)
・遊牧民に学ぶ生きる術(ロシア・シベリア)

ザンビアの南ルアングア国立公園で行われている7日間のトレッキングツアー ROBIN POPE SAFARIS

ハモン・イベリコ好きならバルセロナのポケリア市場へ!

世界の海に、なんらかの理由で沈んだままになっている船が何隻あるか知っているだろうか。答えは推定300万隻。中にはサンゴなどの海洋生物に覆われて、格好のダイビングスポットになっている船も少なくない。興味をひかれた人には、以下8つの「名所」について説明した記事「沈船ダイビングのディープな世界」が役に立つだろう。

・アルバ島
・グレートバリアリーフ
・バリ島
・ラムケイ島
・バルバドス島
・フォートローダーデール
・マウイ島
・バヌアツ

商船や軍艦や旅客船などそれぞれの船の歴史を知るのも魅力の1つ。写真はバリ島のリバティー号 DAVID LOH-REUTERS

他にも、ニューヨークでぜひ訪れたい「本物の本屋」(ストランド・ブックストア、スリー・ライブス、ブルー・ストッキングス......)や、倫理面で安心して交流を楽しめるゾウの保護区(観光客にゾウを見せてくれる施設はたくさんあるが、飼い主に虐待されていることも少なくない)、地元の新鮮な食品が並ぶ「おいしい市場オススメ10選」(ハモン・イベリコ〔イベリコ豚の生ハム〕好きならバルセロナのポケリア市場へ!)などなど。

少し長めの休暇が取れる季節には、友人や家族と、あるいは1人で、素敵な体験を探しに行こう。

※特集には、オーストラリア在住で、『東京ポケット・エリア(Tokyo Pocket Precincts)』の著者であるスティーブ・ワイド(ライター、DJ)とミシェル・マッキントッシュ(文具・ブックデザイナー、イラストレーター)による「東京パーフェクトガイド」も収録。東京を愛してやまない東京フリークである2人の視点に、新鮮な驚きを感じるかもしれない(ちなみに、代々木公園のジョギングに始まり、高円寺のライブハウスで終わる1日を提案している)。


※7月16日号は「とっておきの世界旅50選」特集。7月9日発売。


【参考記事】日本人は旅行が下手だ(テロ時代の海外旅行術)

ニューズウィーク日本版編集部

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