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トランプの「国に帰れ」発言に全米が人種差別反対コール

ニューズウィーク日本版 2019年7月16日 15時30分

<自らに批判的な民主党の新人女性議員4人に宛てたツイートが大炎上、「#人種差別の最高司令官」「#トランプはレイシスト」がトレンド入り>

ドナルド・トランプ米大統領が7月14日、自らに批判的な民主党議員4人に対して「国に帰れ」とツイートしたことが大炎上している。ツイッターのユーザーたちはトランプを「レイシスト(人種差別主義者)」と強く非難し、「#RacistInChief(人種差別の最高司令官)」「#TrumpIsARacist(トランプはレイシスト)」のハッシュタグが全米でトレンド入りした。

トランプは7月14日朝、民主党の「進歩的な」新人議員と同党のナンシー・ペロシ下院議長との間で移民対策をめぐる対立が続いていることに言及。これらの新人女性議員は「元々は政府が完全な壊滅状態にある国から来た」として、破産し犯罪まみれの国の再建を手伝ってはどうか、と促した。「ナンシー・ペロシも喜んで無料で帰国できるよう手配をしてくれるだろう!」

<参考記事>アメリカを諦めはじめた中米移民とメキシコの過酷な運命

標的は民主党の新人女性4人組

ツイートの中でトランプは、この「進歩的な女性議員」が誰かを名指しはしなかったが、反トランプの急先鋒として注目を集める民主党下院の新人4人組、「スクワッド」のことを指しているのは明らかだ。トランプは、アレクサンドリア・オカシオコルテス(AOC)、イルハン・オマル、ラシダ・トレイブとアヤナ・プレスリーの4人はいずれも外国生まれのように言っているが、実際には外国生まれはオマルだけ。オマルは元ソマリア難民で、17歳の時に米市民権を取得した。他の3人は全員アメリカ生まれだ。

トランプの人種差別ツイートに真っ先に反論したのが、このところメキシコ国境の移民対策をめぐって移民保護に傾き過ぎる4人との確執が表面化していたペロシだ。ペロシは「女性下院議員に『国へ帰れ』と促したツイートによって、ドナルド・トランプの『アメリカを再び偉大にする』というスローガンは、『アメリカを再び白人の国にする』という意味だったことが確認された」と、トランプを非難した。

<参考記事>オカシオコルテスの過激発言が波紋「まるで強制収容所」

オカシオコルテスら他の民主党議員たちもすぐに、トランプのツイートを非難。大勢のツイッターユーザーも同様の反応を示し、14日午後には「#RacistInChief(人種差別の最高司令官)」「#TrumpIsARacist(トランプはレイシスト)」のハッシュタグがトレンド入りし始めた。



元スポーツキャスターのホリー・ホートンは、「4人の下院議員に国へ帰れと言うなら、#人種差別の最高司令官は自分の移民の妻(メラニア)と姻族を元の国に帰すべきだ」とツイートした。

While the #RacistInChief is telling our four congressman to go back to their country; he need to send his immigrant wife and in-laws back to the country he brought them from. https://t.co/ldO2th6RKQ— Holly Horton (@LilChocnSC) 2019年7月15日



アンドリュー・シュレーダーは、アドルフ・ヒトラーにトランプのヘアスタイルを合成した画像を添えて「1930年代のドイツが#レイシストの最高司令官が呼んでいる。ヒトラーを元のところに返してやれ」とツイート。

#RacistInChief 1930's Germany called..they want their leader back pic.twitter.com/MlYQm2dZJN— Andrew Schrader (@andrewschrade_r) 2019年7月14日



実業家のフレデリック・ジョセフは「女性議員たちに対する今回の人種差別的な攻撃について、トランプに責任を取らせるべきだ」とツイート。「同時にナンシー・ペロシなどの民主党議員らが、いかにトランプを助長しているかについても議論が必要だ」と主張した。

It's important that we hold Donald Trump accountable for his most recent racist attack on congresswomen Ilhan Omar, Rashida Tlaib, and others. While doing so, we also need to discuss how Democrats such as Nancy Pelosi are inherently helping Trump. #RacistInChief #TrumpIsARacist pic.twitter.com/JPWN2XY3Q5— Frederick Joseph (@FredTJoseph) 2019年7月14日



「ジャックに通報しよう」

アカウント名@mmpadellanのユーザーは「私もよく人種差別主義者たちから『この国が気に入らないなら元の国に帰れ』というツイートを受け取る」と投稿。「だが私も両親もこの国で生まれたのだ」

I get tweets from racists all the time, telling me to "go back to my country" if I don't like it here.But I was BORN HERE.And my parents were BORN HERE.That's besides the point. You don't expect to see a "president" saying it to duly-elected Congresswomen.#RacistInChief pic.twitter.com/xUKkpRCeNg— BrooklynDad_Defiant! (@mmpadellan) 2019年7月14日



次は、ツイッターユーザーの@gusamongus999。「合衆国大統領が明らかに人種差別的なツイートを投稿したと、5000万人が@jack(ツイッターのジャック・ドーシー共同創設者兼CEO)に通報したらアカウント閉鎖してくれないかな」


What if 50 million people reported @POTUS obviously racist tweet to @jack?I did.#RacistInChief #RacistTrump #racist #racistPOTUS #racistPOTUS— Gusamongus (@gusamongus999) 2019年7月15日



こんな皮肉も。「移民のメラニアを妻にして、その両親も連鎖的にアメリカに連れてきた人物が、アメリカ生まれの人間に『国に帰れ』なんてよく言う」


How can someone who has a immigrant wife , who brought over her parents through chain migration tell someone to "Go back" even though they were born here ? #RacistInChief #TrumpIsARacist— Wayne (@Lo_sWayne) 2019年7月14日


今のところ炎が消える気配はないが、トランプと共和党はどう対処するのだろう。


(翻訳:森美歩)


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クリスティナ・チャオ

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