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最新兵器が飛び交う現代の戦場でも「恐怖」は健在...「スナイパー」がロシア兵を撃ち倒す瞬間とされる動画

ニューズウィーク日本版 2023年9月2日 18時53分

<用を足そうとズボンを下ろして茂みにかがみ込んだ人物が倒れる様子を捉えた動画。現在の戦況は、狙撃の危険度が高い局面に>

ロシアとウクライナの戦争が始まって以来、戦場の様子を捉えた(プロパガンダを含む)さまざまな動画が大量に出回っている。最新鋭の戦車やロケット砲システム、ドローンなど「現代の戦争」を象徴する兵器の有効性をアピールするものが多いが、そうした中で最近、はるか昔から戦場で恐れられてきた「スナイパー」の脅威を示す動画が拡散され、注目を集めている。

■【動画】閲覧注意:現代の戦場でも「恐怖の存在」...スナイパーによりロシア兵が倒される瞬間とされる動画

これは「ウクライナ軍の狙撃手が、用を足そうとズボンを下したロシア兵を遠距離から銃撃した」様子を捉えた動画だとされる。動画には(画質が粗いが)、一人の人物が茂みにしゃがみ込み、その後、倒れる様子が映っている。

動画には、いつ・どこで撮影されたのかを示す情報はなく、本誌はこの動画の信ぴょう性について独自に確認を取ることができていない。この件についてロシア国防省にメールでコメントを求めたが、返答はなかった。

ウクライナで続いている戦争の様子を捉えた動画は、頻繁にソーシャルメディア上で共有されており、その多くはウクライナ軍当局などの公式チャンネルが公開しているものだ。前線の様子を撮影したとされる動画の検証は困難だが、これらの動画は戦場の現実を垣間見せるものであると同時に、効果的なプロパガンダのツールにもなる。

敵部隊の士気を削ぐスナイパーの存在

新たな動画は、戦争におけるスナイパーの重要度を表す役割も果たしている。比較的平坦な地形を前線が少しずつ移動する現在の戦況においては、孤立した部隊は敵軍の狙撃手から狙われやすい。狙撃は、敵の部隊の士気を削ぐ効果も期待できる。

ウクライナ軍は8月31日の朝、ロシアが過去24時間でまたもやウクライナ領内に空爆やミサイル攻撃を行ってきたと明らかにした。ウクライナ軍参謀本部は声明で、ウクライナの防空システムが巡航ミサイル31発のうち28発を迎撃し、またイラン製の自爆型無人機「シャヘド131」と「シャヘド136」合わせて15機を撃墜したと述べた。

一方のロシア国防省はソーシャルメディアへの投稿の中で、同日朝にウクライナ軍から無人機を使った攻撃があったと主張。ロシアの防空システムがモスクワ州ボスクレセンスク地区の上空で複数のドローン(無人機)を撃墜したと述べた。ロシア国防省はこれに先立つ投稿の中で、8月30日の夜にウクライナとの国境地帯にある西部ブリャンスク州にもウクライナ軍のドローン2機による攻撃計画があり、これを阻止したと述べていた。

ロシアの攻勢展開は「失敗」とウクライナ軍

ロシア国防省は30日の戦況報告の中で、南部ザポリッジャ州のロボティネとベルボベ周辺からロボティネ東部にかけてのロシア軍掌握地域で、ウクライナの空挺攻撃部隊による「9件の攻撃を撃退」したと述べた。ウクライナ側は今週に入って、南部で軍が前進しており、ロボティネからオリヒウにかけての地域を奪還したとしている。

ウクライナ軍参謀本部は8月31日に、ウクライナ軍の複数部隊がベルボベ周辺でロシア軍の攻勢作戦を阻止したと述べ、またロシアがベルボベやロボティネをはじめとするザポリッジャ州内の複数の集落に空爆を行ったとつけ加えた。

同参謀本部はまた、同日更新した戦況報告の中で、ウクライナ軍は東部ドネツク州のバフムト南部で「順調に」作戦を展開し、新たな拠点を強化したと述べた。ウクライナ軍は、ロシア軍の兵士たちがバフムト南部にあるクリシチウカやクルジュミウカの集落周辺で「攻勢を展開したが失敗した」と述べた。

ロシアは5月半ばにバフムトの制圧を宣言し、その後民間軍事会社「ワグネル」の傭兵部隊が現地から撤退していた。


エリー・クック

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