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「ゾッとする」「不気味すぎ」 早朝、我が家に向かう「濡れた人間の足跡」を発見...その正体は?

ニューズウィーク日本版 2023年9月3日 7時5分

<自宅の玄関前の外階段を、家に向かって上った人間の足跡を発見。いったい誰が? その人物はどこに消えたのか?>

ゾッとするような写真が、アメリカのネットユーザーたちの間で話題になっている。ある男性が午前6時に家を出たときに撮影した一枚で、そこには玄関の外階段を家に向かって上る「濡れた人間の足跡」がくっきり写っている。こんな時間にいったい誰が裸足で自宅にやってきたのか、その人物はどこに行ったのか。

■【動画】誰が残した足跡? 早朝に自宅の玄関前の外階段に残されていた、濡れた人間の足跡

レディットユーザーのu/NastyPotatoesは、「r/oddlyterrifying(奇妙で恐ろしい)」というサブレディットに、この写真を投稿した。この投稿は人々の注目を集めることになり、さまざまな説が唱えられている。

あるユーザーは、「全く問題ない。よくいる、濡れた幽霊だよ」とコメントし、「シャッターチャンスに通り掛かっただけ」だと述べた。一方で、「恐ろしいのは、階段を下りる足跡がないことだ」と指摘する人もいた。ほかにも、「不気味すぎる」「これは怖い」といった感想が寄せられている。

幽霊の仕業だという説と並んで、もう少し合理的な考えを示す人たちもいた。あるユーザーは、「住んでいる場所の湿度にもよるが、前夜に素足で階段を上ると、油分が残り、夜露をはじくことがある」と述べている。

「ここで見えているのは、誰かの肌によって(板の表面に)残った疎水性の油から、水分が失われた状態だと思う」とする人もいた。

気象学者による「謎の足跡」の説明は?

英レディング大学の気象学者ロブ・トンプソンは本誌の取材に対し、この足跡はおそらく合理的に説明できると述べた。「結露は、地上の空気が相対湿度100%に達すると発生する。通常は、夜の冷え込みによって発生するものだが、今回はそれが起こったのだと思う」

トンプソンは、さらに科学的に説明してくれた。「ものの表面に露がどれくらい効率的に形成されるかは、その表面によって異なる。素足で歩いた結果として、汗や油分が残されることも、表面の性質を変えるのに十分だ」とトンプソンは説明する。

例えば、浴室の窓に指でメッセージを書いた場合、シャワーの水をかければ結露と一緒にメッセージも消えるが、次に湯気が立つと再びメッセージが現れることがある。これは、皮膚が窓のガラスに触れたとき、肉眼では見えないほど薄い油脂の層がガラス面に残されたためだ。窓の表面温度が露点を下回るときには、油脂の薄い層がほんの少し水をはじき、まずは窓の他の部分から結露していく。

しかし今回の「謎の足跡」のケースについては、トンプソンは別の仮説を立てている。「『踏まれた板の表面』と『踏まれていない板の表面』のあいだに、熱容量のわずかな変化があった可能性が高いと思う」と、トンプソンは言う。

「熱容量とは、ある物質を一定量だけ温めるのに必要なエネルギー量のことだ。このような効果が常に見られるわけではない。これは極めて稀なケースで、小さな変化が、たまたま違いを生むのに十分だったのではないかと思う」

ほぼ無風のとても静かな朝だったはず

珍しい現象ではあるものの、レディットに投稿された足跡は、露の形成のわずかな違いによって生じた可能性がある、とトンプソンは言う。

「階段表面は熱を放射しているが、夜のうちにそうした熱が失われるとき、足跡の部分だけ、熱の失われ方がほんの少し違ったのだろう。そのため、最終的に、わずかな温度差が生じた」とトンプソンは説明する。「足跡が撮影される直前に、わずかな温度差、ひいては湿度差がしばらく続いた結果、露の形成の小さな差がかすかに見えるようになったのだろう」

さらにトンプソンは、これはほぼ無風のとても静かな朝に起きた可能性が高いと付け加えた。「風が強いと、露が降りること自体がほぼなくなる。そのため、露の形成の違いが生じることもない」

インターネットでは、こうした「謎」が取り沙汰されることが多い。昨年には、米ウェストバージニア州の住宅の写真に映り込んでいた「幽霊トラック」が注目を集めた。また、ノルウェーの洞窟で発見された不気味な人形も、大きな話題をさらった。
(翻訳:ガリレオ)


アリス・ギブス

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