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「死を待つのみ」「一体なぜ?」 上顎が完全に失われたワニが発見される...ショッキングな写真に大きな反響

ニューズウィーク日本版 2023年9月10日 13時10分

<くくり罠のスネアは動物に深刻な怪我を負わせることで悪名高いが、このワニもその罠で大怪我を負った可能性が指摘されている>

米フロリダ州の公園を、上顎のないワニが歩きまわっている様子が目撃され、大怪我の原因をめぐる議論が勃発している。上顎が完全にないワニの衝撃的な姿は写真に捉えられているが、このワニは食事をとることができずに死を待つだけだと考える人が多いようだ。

■【写真】閲覧注意:罠か、ワニ同士の喧嘩か、プロペラか...上顎が完全に失われたワニのショッキングな姿

地元メディアのWESHによれば、問題のワニが目撃されたのは、フロリダ州オーランド北部にあるウィルソンズ・ランディングと呼ばれる公園。ワニが公園内をうろついているところを地元在住の女性が発見し、写真を撮影した。

問題のワニがどのような経緯で上顎を失ったのかは不明だが、幾つかの仮説が浮上している。

一つ目は、別のワニとの喧嘩で怪我をしたという仮説。ワニは一般に縄張り意識が非常に強く、激しい縄張り争いの中でこのような重傷を負うことは考え得る。

もう一つは、このワニが罠にかかった可能性だ。スネア(ワイヤー製の輪で動物の足などをくくる仕掛け)のような罠は、動物にこのような深刻な傷を負わせることで悪名高い。スネアは動物の足などをくくって捕獲し、その場から動けないようにするよう設計されている。ワニがこの罠から抜け出そうともがいた際に、上顎が引きちぎれた可能性がある。

「安楽死が唯一の選択肢」とする指摘も

非営利の野生生物・環境保護組織「ベアー・ウォリアーズ・ユナイテッド」の事務局長を務めるカトリーナ・シャディックスは、フェイスブックの「フロリダ州野生生物リハビリ&レスキュー」グループに写真を投稿。フロリダ州魚類野生生物保護委員会にメールで支援を求めたと書き添えた。

ライセンスを取得したトラッパー(罠を仕掛ける人)がワニ捕獲のために派遣されたが、怪我をしたワニは水の中に戻ってしまい、捕獲は困難となった。

シャデックスはフェイスブックに「ライセンスを取得した人道的なトラッパーが浅瀬に入り、ワニを捕獲しようとしたが、ワニはもっと深いところに潜り込んでしまった」と書き込み、さらにこう続けた。

「この可哀そうなワニに何があったのか、私たちは永遠に知ることはないだろう。怪我の原因は別のワニによるものだと考える人もいれば、プロペラによるものだと考える人もいる。私はスネアの罠による怪我かもしれないと考えている」

フェイスブックユーザーの中には、ワニの今後を絶望視する者もいる。

あるユーザーは「残念ながら、このワニを救う方法はない。安楽死が唯一の選択肢だ」と書き込み、さらにこう続けた。「このワニには噛みついたり食べたりする手段がなく、飢えで徐々に死に向かっていくだろう。ワニを捕獲することは可能なのだろうか。捕獲して獣医の元に連れて行き、安楽死させるべきだ」

フロリダ州には推定130万頭のワニが生息しており、ワニの捕獲には特別な許可が必要だ。ワニは通常、水路や沼地などの好みの生息地にとどまり、人間に被害をもたらすことはそれほど多くはない。

ライセンスを持つトラッパーは、ワニが人間に混乱や危険をもたらしていると見なした場合、あるいは助けが必要な場合に、ワニをその地域から排除することができる。だがワニと人間の衝突は比較的まれで、ワニがなんらかの方法で刺激されたと感じた場合にしか発生しない。



ロビン・ホワイト

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