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ロシア主力戦車T-72B3が暴発するレア映像

ニューズウィーク日本版 2023年9月11日 15時24分

<誰もがまさかと思う動画がインターネットで話題に>

<動画>「これが現代の戦争だ」 数千ドルのドローンが、ロシア「最新型」戦車を破壊する映像...ウクライナが公開

ウクライナ侵攻の前線でロシア軍の戦車が爆発する動画がインターネットで話題だ。

南東部ザポリージャ州で撮影されたとする15秒の動画で、投稿したのはオープンソース・インテリジェンス(公開情報を分析して諜報活動を行うこと)の専門サイト「オシント・テニクカル」で、すでに45万回以上再生されている。

本誌は動画の内容や撮影日について確認できていない。

動画はドローンから撮影されたもので、道路の角近くの畑の中に停まった戦車が突然、爆発する。画像はズームアウトし、空に立ち上る煙が映し出される。

オシント・テクニカルは別の角度でもっと離れた距離から撮影された動画も投稿している。撮影場所は北緯47.449291度、東経35.793038度とされ、これはザポリージャ州ポロヒの位置に相当する。

動画には「ロボティネで、ロシア軍の主力戦車T-72B3戦車の弾薬がクックオフ(暴発)し、砲塔が吹き飛ぶ」というキャプションが添えられている。ロボティネは、ウクライナが8月28日に反転攻勢で奪還したと発表した村だ。

クックオフとは、周囲の熱で弾薬が発射される前に爆発してしまうことを言う。装填される前の弾薬が爆発することもあるし、装填後の弾薬が暴発することもある。

攻撃の標的は兵器に限らない

T-72B3はロシア軍の主力戦車だが、オランダの軍事情報サイト、オリックスによれば、ウクライナ侵攻を開始して以降、580両が破壊されたという。オリックスはロシアとウクライナ双方の被害を、動画や写真を元に算出している。

また9日には、やはりロシア占領下のザポリージャ州で撮影されたとされるもう1本の動画も注目を集めた。

ザポリッジー州の村に建つ建物に突っ込んでいくドローンから捉えられた映像で、東欧の親ウクライナ派のニュースメディア「ネクスタ」が、ウクライナの情報当局が撮影した動画として報じた。この建物は投票用紙や書類の保管に使われていたという。

「爆発の後、ロシア人たちは周囲の道路を通行止めにし、検問を始めるとともに自分たちのドローンを飛ばした」とネクスタは伝えている。

 

ロシアでは9月8日から統一地方選挙が行われ、一方的に併合を宣言したウクライナの南部・東部の4州(ザポリッジャ、ヘルソン、ドネツク、ルハンスク)でも実施された。ドローン攻撃は、この地方選挙の妨害を狙ったウクライナによるものとみられる。

南部・東部4州における選挙は、ロシア政府にとって軍事的・政治的な支配強化に向けた試みだったと、ロシアの英字紙モスクワ・タイムズは伝えている。

ロシアは1年前には4州で併合の是非を問う住民投票を行っている。あるロシア政府関係者は匿名で、今回の地方選挙にはロシアの支配を正当化するとともに、住民がロシア側に立っていることを示す目的があったとモスクワ・タイムズに語っている。

 

<動画>ロシアの主力戦車がなぜこんなことに?
Robotyne, catastrophic Russian T-72B3 ammunition cookoff and turret toss. pic.twitter.com/S698mnLe7o— OSINTtechnical (@Osinttechnical) September 8, 2023

 

<動画>ロシアの地方選挙を妨害したカミカゼドローン
The #SBU attacked the "election" headquarters of the occupiers in the #Zaporizhzhia region with kamikaze dronesTwo drones flew to the #Russian headquarters in the occupied village of Skelki, Vasilyevsky district. The building was used to store ballots and documents.After the... pic.twitter.com/FFl1VXYODN— NEXTA (@nexta_tv) September 9, 2023

 



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