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またつまずいた!バイデンに「介助をつけてあげて」と共和党弁護士

ニューズウィーク日本版 2023年9月28日 18時36分

<エアフォースワンのタラップで何度もつまずき、平らなところでも転ぶ危なっかしい足取りに、ホワイトハウスは苦しい言い訳に大わらわ。いっそ付き添いをつけては?>

【動画】天皇陛下も乗ったバスを拒否したバイデン

公の場でよろけたり失言するたびに取り沙汰されるジョー・バイデン米大統領の「高齢」不安説。9月26日にミシガン州を訪れた際にも、大統領専用機エアフォースワンのタラップで足を滑らせたとみられる動画が拡散し、共和党系の弁護士がタラップの上り下りでは介助が必要だと、「親切な忠告」をした。

エアフォースワンのタラップで足を踏み外した大統領はバイデンが初めてではないが、御年80歳のバイデンはこれまでに何度も失態を演じてきた。全米自動車労組の賃上げ要求ストを支援するためデトロイトに駆けつけたこの日は、空港でタラップを降りる際に足を滑らせ、一瞬後ろにのけぞった。カメラはこの瞬間を見逃さなかった。

この時バイデンが降りたのは、機体に格納してある短いタラップだ。米公共放送ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)が最近指摘したように、バイデンがエアフォースワンに上り下りする際には、空港側が用意する赤絨毯付きの長いタラップではなく、乗務員や緊急時の昇降に使用される備え付けの短いタラップが使われることが多くなっている。

長いタラップでは足元が危ぶまれるためかというNPRの質問に対し、ホワイトハウスは「ノー」と回答。いずれを使うかは警備上の理由や天候、空港側がタラップを用意できるかなどによると説明したが、バイデンが醜態をさらすのを避けるためだとみる向きもある。

「アメリカの恥さらしだ」と主張

「エアフォースワンには短いタラップがあるが、今のバイデンは、それを降りることすら危なっかしい」──X(旧ツイッター)にそう投稿したのは、上院司法委員長を務めた共和党のベテラン議員チャールズ・グラスリーの元顧問で、共和党全国弁護士連合から2019年にその功績をたたえて名誉ある賞を授与された共和党系弁護士、マイク・デービスだ。

「タラップを上り下りする際は、シークレットサービスが手を貸すべきだ。さもないと、また転んで大怪我しかねない。アメリカの大統領がそんなザマをさらすのは、あまりにもみっともない」

These are the small stairs on Air Force One.And Biden is still almost falling down them.Biden's military aides should escort him up and down stairs.He is going to fall again.And hurt himself badly.That would be a terrible look for the President of the United States. https://t.co/05Ftdukcrc— Mike Davis (@mrddmia) September 26, 2023
全米自動車労組の賃上げ要求ストを支援するためデトロイトに駆けつけた9月26日

本誌はこれについて27日にホワイトハウスにメールで問い合わせ中だ。

大統領就任後2カ月足らずの2021年3月には、バイデンがエアフォースワンに搭乗するためタラップを上がる途中で3度も転ぶ様子を捉えた動画がネット上で大々的に拡散。ホワイトハウスは「強風のせいだ」と釈明に追われた。

今年2月にはウクライナの首都キーウを電撃訪問し、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した後、ポーランドで演説を行い、首都ワルシャワの空港から帰途に着くためタラップを上る途中でバイデンはまたまたよろけ、メディアに派手に取り上げられる羽目になった。

しかもその翌日には、よろけたのは帰りだけではなく、ポーランド入りしたときにも同じタラップを降りる途中で転んでいたとして、それらしき動画がネット上に出回った。だが到着時の様子を伝えたABCニュースの映像では、バイデンは危なげなくタラップを降りている。本誌の問い合わせに対し、ホワイトハウスは到着時の転倒の証拠としてネットに投稿された動画に映っているのは大統領とは別人だと回答した。

今年7月には北欧5カ国の首脳との会談のためフィンランドを訪れ、首都ヘルシンキの空港から出立する際にもバイデンはまたしてもエアフォースワンのタラップを上る途中でよろけたように見えた。その数日前にはイギリスのスタンステッド空港に到着した際に、バイデンが降りたタラップに「足元注意!」のサインが貼られていたことがネット上で話題になったばかり。それだけになおさらヘルシンキ空港での失態が注目を浴びた。

こうした騒ぎについて、バラク・オバマ大統領の上級顧問を務めた政治コンサルタントのデービッド・アクセルロッドはNPRの取材で「階段の上り下りで、大統領の能力が試されるわけではない」と述べた。「問われるのはさまざまな問題に対処する能力だ」

主治医は体調万全と保証

バイデンの鬼門はタラップだけではない。今年6月にはコロラドスプリングスの米空軍士官学校の卒業式でも、卒業証書授与の最中に壇上に置かれていた砂袋に蹴つまずいて倒れる騒ぎが起き、誰が何のためにそんな所に砂袋を置いたかが問題になった。

現役の米大統領としては既に最高齢を記録しているバイデン。足元の危うさだけでなく、認知能力の衰えについても不安視する声がある。だが、本人は心身ともに大統領の職務をこなすには問題なしと主張、2022年にはテレビ番組のインタビューで「自分はもう年だなんて思ったことはない」と断言した。

バイデンの主治医を務めるケビン・オコナーは、「足取りがぎこちない」ことを認めつつ、「職務をこなすには十分に健康で、特例的な免除や配慮なしでも十全に大統領の責務を果たせる」と太鼓判を押している。

<動画>誰がこんなところに砂袋を置いた?

<動画>ちょこっと2回踏み外す

<動画>一見問題なさそうだが見逃してもらえなかった

<動画>赤絨毯のタラップでは3度こけてしまった

<動画>自転車でも転ぶ



アレックス・フィリップス

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