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【写真特集】香港から脱出した写真家が最後に描いた 今はなき故郷

ニューズウィーク日本版 2023年10月25日 15時24分

<香港国家安全維持法(国安法)施行後、中国の統制強化は加速。香港脱出前に撮った故郷で過ごした最後の日々>

2021年5月に家族と共に香港を離れ、イギリスに渡った写真家の王仲偉(ウォン・チュンワイ)は出発までの半年間、持ち出すことのかなわない故郷・香港をカメラに収めることにした。

新刊写真集『香港アフター香港』に、世界有数の人口過密都市を象徴する人混みは見られない。王は孤独な人影、閉ざされた扉などを、自らのアイデンティティーと重ね合わせながら、郷愁と惜別の思いを込めてすくい取った。この街を内側から描き、細部まで自分の中に刻むことができるのはこれが最後だから。中国の統制強化を背景に、特別ビザでイギリスへ脱出する人は、26年までに推定25 万~32万人に上る。

香港よ、さようなら。
両親が中国から香港へ逃れたように、王も祖国を逃れた。王がいた香港があるのは、もう写真の中だけだ。

Photographs: ©Wong Chung-Wai, from "Hong Kong After Hong Kong" published by GOST Books

「警官の映像を投影する映写機」

(左)「オスカーとケニー 香港島西端のウォーターフロントで」(右)「アシュレイ カトリックの中学生」

「中国本土に臨む海岸線沿いの村、上白泥(シャンパクナイ)」

「銅鑼湾(コーズウェイベイ)の台風シェルター」

「香港と中国の境界」

Hong Kong After Hong Kong 『香港アフター香港』 
王仲偉(ウォン・チュンワイ)著 
ゴスト・ブックス刊 
40ポンド



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