<「リスクは確実に高まっている...」。「2025年説」、「2027年説」など諸説ある中で、本誌編集長がジャーナリストの野嶋剛氏に聞いた>
なぜ台湾有事のリスクが高まっているのか? その背景と理由とは何か。台湾有事を防ぐためにはどうしたらいいのか。また、日本は何ができるのか。台湾の専門家でジャーナリストの野嶋剛氏に本誌編集長・長岡義博が聞く。
本記事では、本誌YouTubeチャンネルの動画「「台湾有事は2032年?」 編集長の爆弾予測 独裁者が「判断を誤る」条件とは? 野嶋剛×長岡義博」の内容をダイジェスト的に紹介する。
Newsweek Japan-YouTube
◇ ◇ ◇
周囲はイエスマンしかいなくなる
中国は経済重視している、台湾侵攻は難しいなど「合理的」な理由を挙げて、台湾侵攻は起こり得ないという分析がある。しかし、「期待込みの楽観論」は危険であると野嶋氏が指摘する。
では、なぜ台湾侵攻のリスクが高まっていると考えるのか。
それは長く権力の座に居座ることで周囲はイエスマンしかいなくなり、悪い情報が入らなくなる。そして老いも独裁者の判断力を鈍らせる原因になるからだ。それはプーチン大統領にも毛沢東にも起こったことであると本誌編集長・長岡は述べる。
台湾有事を防ぐには日本は何ができるのか?
それでは中国に対して何ができるのか? 「台湾を攻めても得なことは1つもない」というメッセージを中国に伝え続けることが重要であると野嶋氏は述べる。
日本に赴任する中国の外交官は台湾問題を発信するように言われるという。それは中国が日本の発信力を高く評価しているからだ。したがって中国に対して「台湾を攻めるようなバカなことはしてはいけない」と日本から発信し続けることが重要である、と。
また、台湾に対しても中国からの圧力に負けないように「できることはする」という励ましのメッセージを送り続けることが大切であるという指摘も。
■詳しくは動画をご覧ください。
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「歪んだ」台湾観
ただし、「台湾は日本が好き」「自分たちを好きでいてくれる国」など、都合よく台湾を見る「歪んだ」台湾観が日本にはあり、台湾人が苦境に立たされていることを知らないと本誌編集長・長岡が指摘する。
保守政治家はうまく自分たちの主張を補強する存在として台湾を利用し、リベラル派と言われる政治家も中国を重要視するあまり、台湾をないがしろにする主張をしていることについて野嶋氏は苦言を呈す。
メディアなど言論空間でも、中国を遇するあまり「台湾の記事を書くな」という圧力が長らくあったが、現在はメディア環境はかなり正常化していると野嶋氏は指摘する。
かつての中国への期待
かつて改革・開放政策の中、中国への期待が高まり、多くの日本人が中国語を学び、中国に留学した。それはその当時の理念としても現実利益にも合っていたからだ。
しかし、現在の習近平体制では理由もなく拘束されることがあるため、訪中が難しくなっている。「巨大な隣人」と一切の関係を断つことは経済的にも不可能ないま、どのように中国と関わり、付き合っていくか。日本にとっても大きな課題の1つとなっている。
■詳しくは動画をご覧ください。
第4回目 ニューズウィーク日本版編集長が聞く!
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■野嶋剛氏のニューズウィーク日本版への寄稿記事はこちらをご覧ください。
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ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
なぜ台湾有事のリスクが高まっているのか? その背景と理由とは何か。台湾有事を防ぐためにはどうしたらいいのか。また、日本は何ができるのか。台湾の専門家でジャーナリストの野嶋剛氏に本誌編集長・長岡義博が聞く。
本記事では、本誌YouTubeチャンネルの動画「「台湾有事は2032年?」 編集長の爆弾予測 独裁者が「判断を誤る」条件とは? 野嶋剛×長岡義博」の内容をダイジェスト的に紹介する。
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周囲はイエスマンしかいなくなる
中国は経済重視している、台湾侵攻は難しいなど「合理的」な理由を挙げて、台湾侵攻は起こり得ないという分析がある。しかし、「期待込みの楽観論」は危険であると野嶋氏が指摘する。
では、なぜ台湾侵攻のリスクが高まっていると考えるのか。
それは長く権力の座に居座ることで周囲はイエスマンしかいなくなり、悪い情報が入らなくなる。そして老いも独裁者の判断力を鈍らせる原因になるからだ。それはプーチン大統領にも毛沢東にも起こったことであると本誌編集長・長岡は述べる。
台湾有事を防ぐには日本は何ができるのか?
それでは中国に対して何ができるのか? 「台湾を攻めても得なことは1つもない」というメッセージを中国に伝え続けることが重要であると野嶋氏は述べる。
日本に赴任する中国の外交官は台湾問題を発信するように言われるという。それは中国が日本の発信力を高く評価しているからだ。したがって中国に対して「台湾を攻めるようなバカなことはしてはいけない」と日本から発信し続けることが重要である、と。
また、台湾に対しても中国からの圧力に負けないように「できることはする」という励ましのメッセージを送り続けることが大切であるという指摘も。
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「歪んだ」台湾観
ただし、「台湾は日本が好き」「自分たちを好きでいてくれる国」など、都合よく台湾を見る「歪んだ」台湾観が日本にはあり、台湾人が苦境に立たされていることを知らないと本誌編集長・長岡が指摘する。
保守政治家はうまく自分たちの主張を補強する存在として台湾を利用し、リベラル派と言われる政治家も中国を重要視するあまり、台湾をないがしろにする主張をしていることについて野嶋氏は苦言を呈す。
メディアなど言論空間でも、中国を遇するあまり「台湾の記事を書くな」という圧力が長らくあったが、現在はメディア環境はかなり正常化していると野嶋氏は指摘する。
かつての中国への期待
かつて改革・開放政策の中、中国への期待が高まり、多くの日本人が中国語を学び、中国に留学した。それはその当時の理念としても現実利益にも合っていたからだ。
しかし、現在の習近平体制では理由もなく拘束されることがあるため、訪中が難しくなっている。「巨大な隣人」と一切の関係を断つことは経済的にも不可能ないま、どのように中国と関わり、付き合っていくか。日本にとっても大きな課題の1つとなっている。
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第4回目 ニューズウィーク日本版編集長が聞く!
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