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「自分もやりたい」だけ?...ロシアがアメリカの核実験計画を強く牽制

ニューズウィーク日本版 2023年10月17日 17時45分

<「ロシアも同じことをせざるを得ない」と訴えるロシアの思惑とは?>

アメリカがネバダ州で核実験計画を再開させようとしている──ロシアのリャブコフ外務次官は10月10日、議会でそう訴え、「アメリカが核実験という破滅的な道を進むなら、ロシアも同じことをせざるを得ない」と牽制した。

この発言は、ロシアの包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准撤回をめぐる議論で飛び出した。だが実際には、アメリカが計画している核実験は冷戦時代の「破滅的」なものとは程遠い。

2027年にもアメリカが実施するのは、総額18億ドルの「さそり座プロジェクト」。

1950~60年代の大気圏内核実験や、その後の地下核実験では放射性物質が拡散した。だが30年ほど前からは核分裂の連鎖反応を伴わない臨界前核実験に切り替わり、ロシアや中国も同様だといわれる。

にもかかわらずロシアがアメリカを強く非難するのは、自国の核実験再開の正当化のためだと専門家は指摘する。5日にはプーチン大統領もCTBTの批准撤回を示唆した。

ネバダ核実験場

atomcentral

    

ブレンダン・コール

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