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「メーガン大統領になりたい」?...たびたび政治に色気を出してきたが、有権者は総スカン

ニューズウィーク日本版 2023年10月25日 13時45分

<大物政治家ダイアン・ファインスタインの後釜を狙っていたと言われるが、後任に指名されなかったメーガン妃。2024年の米大統領選挙に関与すると言われるが...>

メディアの予想は外れ、9月に死去したダイアン・ファインスタイン上院議員(民主党)の後任にメーガン妃が指名されることはなかった。

だが2024年のアメリカ大統領選にメーガンが何らかの形で関わるのではないかとの臆測は、飛び交っている。

サセックス公爵夫人ことメーガンはイギリス王室を離脱して数カ月後の2020年8月、米大統領選に向けてアメリカ人に投票に行くよう呼びかけて、反ドナルド・トランプの姿勢を示した。

これをきっかけに政界進出の噂が世間をにぎわせ、上院議員への指名から大統領選出馬まで、さまざまな可能性が取り沙汰されてきた。

本人が出馬の意向を明らかにしたことは一度もない。だが有給育児休暇の制度化を連邦議会に働きかけたことを考えるなら、政治的な活動を少なくとも視野に入れたことはあるようだ。

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政治家に転身するなら、まず問うべきは共和党支持層を敵に回す覚悟があるかどうかだと、レピュテーション・マネジメント・コンサルタントのエリック・シファー会長は指摘する。同社は有名人のイメージ戦略に強いコンサルティング会社だ。

「メーガンは目標を決める必要がある」と、シファーは言う。

「万人受けするイメージを構築したいのか。それとも国民の半分を敵に回しかねない立場を選ぶのか。セレブが特定の大統領候補への支持を表明すれば、対立候補に強い思い入れのある層に嫌われるリスクがある」。

もともとヘンリー王子とメーガンの夫妻は政治的分断を超えて人気があった。だが今年1月にヘンリーの自伝『スペア』が発表されるとバッシングが起きて、人気が凋落。民主党支持者の間では人気が回復したが、共和党支持者の間では今も低迷している。

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9月に本誌がコンサルティング会社レッドフィールド&ウィルトンに調査を依頼したところ、20年の大統領選でトランプに投票した人の45%がメーガンに「好感を持っていない」と答えたのに対し、「好感を持っている」とした人は25%で、正味の好感度はマイナス20だった。

一方、ジョー・バイデンに投票した有権者でメーガンに「好感を持っている」と答えた人は41%、「持っていない」は24%で、正味の好感度はプラス17。つまり共和党支持層と民主党支持層では、正味の好感度に37ポイントの開きがある。

肩書も問題だ。非公式な形であれメーガンが今以上に政治の世界に踏み込めば、王室の称号を剝奪せよとの声が保守派から上がるだろう。

米メディアは彼女をメーガン・マークルと呼び習わしているが、正式名称はサセックス公爵夫人メーガンで、名字はない。20年に彼女が「私たち皆が必要とし、享受するに値する変化」を求めて大統領選への投票を呼びかけたときも、称号についての反発が沸き起こった。

地方レベルで下積みを

保守系シンクタンク、ヘリテージ財団のマーガレット・サッチャー自由センターは6月、ヘンリーが自伝で違法薬物の使用を認めたことを問題視し、彼の入国記録の開示を要求した。

センター長のナイル・ガーディナーは「サセックス公爵夫人がアメリカの政治活動に関わるのは間違っている」と、断言する。

「公務を退いても、彼女は英王室の一員で称号の保持者だ。政治家として活動するなら称号を捨てるか、王室が称号を剝奪するべきだ。バイデンや民主党議員を表立って支援すれば、剝奪を求める声はエスカレートする。王室の人間が政治活動をすべきではない」

妻の政治活動を公の場でサポートすれば、ヘンリーもまたサセックス公爵のみならず、「王子」の称号まで放棄するよう圧力をかけられるかもしれない。

「メーガンはアメリカ国籍だが、イギリス人のヘンリーがアメリカの政治に関与するのは言語道断。政治に関わるなら称号を捨てるべきだ」と、ガーディナーは言う。

一方シファーは、米国民は称号を気にしないと予想する。

「アメリカ人は肩書に左右されないだろう。私たちが注目するのは候補者の自信、好感度、そして本気で国民を支え、重要な問題のために戦う意欲があるかどうかだ。メーガンが環境保護、メンタルヘルスの重要性、若者の支援、平等の実現に長年尽力してきたことはアメリカではよく知られている」

だが選挙に出馬すれば共和党との対決が待っている。対立候補も保守系の論客もメディアも、ここぞとばかりに夫妻のスキャンダルを蒸し返し攻撃するはずだ。

政治家として将来有望でも下積みは必要だと、シファーは考える。

「地方レベルで経験を積んだほうがいい。メーガンの弱点は経験不足。市議会議員や市長を務め上げて実力を証明すれば、今後プラスになる。その上で州議会や連邦議会に挑戦するなら、チャンスはある。とはいえ選挙戦でどれだけ戦えるか、議員としてどれだけの実行力を発揮できるかは未知数だ」

ガーディナーは手厳しい。「メーガンが上院議員になるなど笑止千万。彼女にそんな資格はない。メーガンが上院議員に立候補して当選し、いずれ大統領候補になるなど、考えるだけバカバカしい」と切り捨て、こう続けた。

「メーガンが政界に進出したところで、保守派の有権者は見向きもしないだろう。今でも人気がないのだから、政治家になれば総スカンを食うのがオチだ」

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