<世界にはこんな公園があったのか...。旅先で見つけた公園で心身共にリフレッシュしたい>
公園は日常を離れてほっと一息つく場であり、探索や内省の場でもある。世界には規模も形もさまざまな公園がある。自然や芸術などテーマも多種多様。サンゴ礁の島々から成る公園から彫刻作品を集めた広場まで、世界各地の個性的な公園を訪ねてみよう。
01. 度胆を抜く広大さ
バルボアパーク(米カリフォルニア州サンディエゴ)
F11PHOTO/ISTOCK
面積は、ニューヨークのセントラルパークとシカゴのミレニアムパークを合わせたより広い。約4.8平方キロの敷地内に全長100キロ超の遊歩道が延び、美術館、動物園、劇場などがある。「カリフォルニアタワー」の125段の階段を登れば、サンディエゴ市内を一望できる
02. 古い修道院が公園に
トラピスト修道院史跡公園(ウィニペグ)
CASTAVERON/ISTOCK
カトリックの「厳律シトー会」(トラピスト)の50人の修道士が祈りと労働の日々を送っていた由緒ある修道院は、1983年の火災で焼失。その残骸をカナダのマニトバ州政府が修復保存し、史跡公園として一般公開した。
いくつもの庭園、アートセンターや温室、世界平和パゴダがある。地元の劇団が遺構を利用してシェークスピア作品を上演する恒例イベント「廃墟の中のシェークスピア」は、観光客にも人気だ
03. 大都会の「空中散歩」
ハイライン(ニューヨーク)
SYLVAIN SONNET/GETTY IMAGES
廃線になった高架鉄道を利用して、マンハッタンの西側に都会の喧騒を見下ろす全長2キロ余りの遊歩道ができた。近未来的なビルが林立するハドソン川沿いの再開発地区から、しゃれた屋内市場や歴史的な街並みがあるミートパッキング地区まで、季節の草花を楽しみながら空中散歩はいかが
04. 豊満な造形に安らぐ
ボテロ広場(メデジン)
SURA ARK/GETTY IMAGES
コロンビアの画家・彫刻家フェルナンド・ボテロの作品は世界各地で見られるが、彼の生誕の地であるコロンビア第2の都市メデジンは郷土が生んだ異才に特別の敬意を表している。豊満なフォルムを特徴とするそのユニークな彫刻23点を旧市街の約7000平方メートルの広場に展示し、訪れる人を和ませている
05. 南米のジャポニズム
日本庭園(ブエノスアイレス)
RUDOLF ERNST/ISTOCK
アジア以外では最大級の日本庭園が、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスのおしゃれなパレルモ地区にある。
約2万平方メートルの庭園は、現地の日系人の奮闘で1967年に一部が完成。いくつもの庭に加え、和食レストラン、野外劇場、仏教寺院、文化センター、ショップ、さらにニューヨークの国連本部の日本庭園にある日本式の釣り鐘と同じ「平和の鐘」、盆栽のコレクションで名高い温室がある
06. 歴史が彩る美しさ
ピーク・ディストリクト(ベークウェル)
JOHN FINNEY PHOTOGRAPHY/GETTY IMAGES
イギリス最古の国立公園。広大な丘陵地帯で、北部の湿原地帯「ダークピーク」と、農村、保養地として開けた南部の「ホワイトピーク」に分かれ、その中間にヒースの茂る荒地や牧草地がある。
徒歩でのトレッキングのほか、自転車やグライダー、馬に乗って変化に富んだ風景美を堪能することも。敷地内にはデボンシャー公爵家の邸宅「チャッツワース・ハウス」もあり、有料で見学できる
07. ガウディが遺した街
グエル公園(バルセロナ)
MAXIM MORALES/ISTOCK
ユネスコの世界遺産に登録されたスペイン・バルセロナの「アントニ・ガウディ作品群」の1つ、グエル公園はガウディが分譲住宅地として設計し、未完成のまま市に寄贈されて公園になった。
ガウディの家もあり、彼の作品と一目で分かる凝った独創的なモチーフにあふれている。公園内の広場からは建設中のサグラダ・ファミリアなど市内が一望できる
08. 樹上のつり橋を歩く
カクム国立公園(ガーナ・アブラフォ)
WOLFGANG KAEHLERーLIGHTROCKET/GETTY IMAGES
ガーナ南部に位置するカクム国立公園は、鬱蒼とした熱帯雨林で知られる。スイギュウ、センザンコウ、コビトワニ、タテガミヤマアラシなどが生息し、266種の野鳥が飛び交うこの森には、7本の木の樹冠を結ぶ全長約350メートルのキャノピー・ウオーク(林冠に設置された観察用のつり橋)がある。
アフリカではこうした設備がある森は3カ所だけで、世界中から大勢の観光客がここを訪れる
09. 島巡りの冒険を満喫
コルナティ国立公園(クロアチア・アドリア海)
XBRCHX/ISTOCK
150もの島々や岩から成る公園。劇作家のバーナード・ショーが神の「涙と星くずと息吹」で生まれたと、その美しさをたたえた。誰もいないビーチで寝そべったり、岬に隠されている入り江を見つけたり、小島を覆う深い森を探索したりと、楽しみは尽きない。
島々を囲むサンゴ礁は絶好のシュノーケリング・スポット。いくつかの島には新石器時代の住居跡や古代ローマの遺跡があり、歴史好きのロマンも誘う
10. 息をのむ神秘の世界
九寨溝(中国・四川省)
DULYANUT SWDP/GETTY IMAGES
ユネスコの世界遺産で、ユネスコエコパーク(生物圏保存地域)にも指定されている九寨溝は、雪を頂いた山々に囲まれた全長約450キロの渓谷。瀑布や湖沼、森林が連なる。
なかでも神秘的な美しさを誇るのは五花海と呼ばれる湖。透明度の高い水は光の屈折で青、緑、オレンジ、黄、赤の色調を帯び、地元チベット人の村人たちは聖水として尊んでいる
11. 都市国家の憩いの場
マウントフェーバー(シンガポール)
GWENGOAT/ISTOCK
二次林の熱帯林に覆われた標高100メートルほどの小高い丘にある公園。展望台に立つと、多様な文化が入り交じるシンガポールの街並みと沖合に浮かぶ島々が新たな表情を見せる。水族館やカジノがあるセントーサ島には、この丘からケーブルカーで渡れる。公園内にはマーライオン像やグルメ御用達の2軒のレストランもある
アイリーン・ファンケルバークハル
公園は日常を離れてほっと一息つく場であり、探索や内省の場でもある。世界には規模も形もさまざまな公園がある。自然や芸術などテーマも多種多様。サンゴ礁の島々から成る公園から彫刻作品を集めた広場まで、世界各地の個性的な公園を訪ねてみよう。
01. 度胆を抜く広大さ
バルボアパーク(米カリフォルニア州サンディエゴ)
F11PHOTO/ISTOCK
面積は、ニューヨークのセントラルパークとシカゴのミレニアムパークを合わせたより広い。約4.8平方キロの敷地内に全長100キロ超の遊歩道が延び、美術館、動物園、劇場などがある。「カリフォルニアタワー」の125段の階段を登れば、サンディエゴ市内を一望できる
02. 古い修道院が公園に
トラピスト修道院史跡公園(ウィニペグ)
CASTAVERON/ISTOCK
カトリックの「厳律シトー会」(トラピスト)の50人の修道士が祈りと労働の日々を送っていた由緒ある修道院は、1983年の火災で焼失。その残骸をカナダのマニトバ州政府が修復保存し、史跡公園として一般公開した。
いくつもの庭園、アートセンターや温室、世界平和パゴダがある。地元の劇団が遺構を利用してシェークスピア作品を上演する恒例イベント「廃墟の中のシェークスピア」は、観光客にも人気だ
03. 大都会の「空中散歩」
ハイライン(ニューヨーク)
SYLVAIN SONNET/GETTY IMAGES
廃線になった高架鉄道を利用して、マンハッタンの西側に都会の喧騒を見下ろす全長2キロ余りの遊歩道ができた。近未来的なビルが林立するハドソン川沿いの再開発地区から、しゃれた屋内市場や歴史的な街並みがあるミートパッキング地区まで、季節の草花を楽しみながら空中散歩はいかが
04. 豊満な造形に安らぐ
ボテロ広場(メデジン)
SURA ARK/GETTY IMAGES
コロンビアの画家・彫刻家フェルナンド・ボテロの作品は世界各地で見られるが、彼の生誕の地であるコロンビア第2の都市メデジンは郷土が生んだ異才に特別の敬意を表している。豊満なフォルムを特徴とするそのユニークな彫刻23点を旧市街の約7000平方メートルの広場に展示し、訪れる人を和ませている
05. 南米のジャポニズム
日本庭園(ブエノスアイレス)
RUDOLF ERNST/ISTOCK
アジア以外では最大級の日本庭園が、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスのおしゃれなパレルモ地区にある。
約2万平方メートルの庭園は、現地の日系人の奮闘で1967年に一部が完成。いくつもの庭に加え、和食レストラン、野外劇場、仏教寺院、文化センター、ショップ、さらにニューヨークの国連本部の日本庭園にある日本式の釣り鐘と同じ「平和の鐘」、盆栽のコレクションで名高い温室がある
06. 歴史が彩る美しさ
ピーク・ディストリクト(ベークウェル)
JOHN FINNEY PHOTOGRAPHY/GETTY IMAGES
イギリス最古の国立公園。広大な丘陵地帯で、北部の湿原地帯「ダークピーク」と、農村、保養地として開けた南部の「ホワイトピーク」に分かれ、その中間にヒースの茂る荒地や牧草地がある。
徒歩でのトレッキングのほか、自転車やグライダー、馬に乗って変化に富んだ風景美を堪能することも。敷地内にはデボンシャー公爵家の邸宅「チャッツワース・ハウス」もあり、有料で見学できる
07. ガウディが遺した街
グエル公園(バルセロナ)
MAXIM MORALES/ISTOCK
ユネスコの世界遺産に登録されたスペイン・バルセロナの「アントニ・ガウディ作品群」の1つ、グエル公園はガウディが分譲住宅地として設計し、未完成のまま市に寄贈されて公園になった。
ガウディの家もあり、彼の作品と一目で分かる凝った独創的なモチーフにあふれている。公園内の広場からは建設中のサグラダ・ファミリアなど市内が一望できる
08. 樹上のつり橋を歩く
カクム国立公園(ガーナ・アブラフォ)
WOLFGANG KAEHLERーLIGHTROCKET/GETTY IMAGES
ガーナ南部に位置するカクム国立公園は、鬱蒼とした熱帯雨林で知られる。スイギュウ、センザンコウ、コビトワニ、タテガミヤマアラシなどが生息し、266種の野鳥が飛び交うこの森には、7本の木の樹冠を結ぶ全長約350メートルのキャノピー・ウオーク(林冠に設置された観察用のつり橋)がある。
アフリカではこうした設備がある森は3カ所だけで、世界中から大勢の観光客がここを訪れる
09. 島巡りの冒険を満喫
コルナティ国立公園(クロアチア・アドリア海)
XBRCHX/ISTOCK
150もの島々や岩から成る公園。劇作家のバーナード・ショーが神の「涙と星くずと息吹」で生まれたと、その美しさをたたえた。誰もいないビーチで寝そべったり、岬に隠されている入り江を見つけたり、小島を覆う深い森を探索したりと、楽しみは尽きない。
島々を囲むサンゴ礁は絶好のシュノーケリング・スポット。いくつかの島には新石器時代の住居跡や古代ローマの遺跡があり、歴史好きのロマンも誘う
10. 息をのむ神秘の世界
九寨溝(中国・四川省)
DULYANUT SWDP/GETTY IMAGES
ユネスコの世界遺産で、ユネスコエコパーク(生物圏保存地域)にも指定されている九寨溝は、雪を頂いた山々に囲まれた全長約450キロの渓谷。瀑布や湖沼、森林が連なる。
なかでも神秘的な美しさを誇るのは五花海と呼ばれる湖。透明度の高い水は光の屈折で青、緑、オレンジ、黄、赤の色調を帯び、地元チベット人の村人たちは聖水として尊んでいる
11. 都市国家の憩いの場
マウントフェーバー(シンガポール)
GWENGOAT/ISTOCK
二次林の熱帯林に覆われた標高100メートルほどの小高い丘にある公園。展望台に立つと、多様な文化が入り交じるシンガポールの街並みと沖合に浮かぶ島々が新たな表情を見せる。水族館やカジノがあるセントーサ島には、この丘からケーブルカーで渡れる。公園内にはマーライオン像やグルメ御用達の2軒のレストランもある
アイリーン・ファンケルバークハル