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エリザベス女王からキャサリン妃まで、6つの「婚約指輪の物語」

ニューズウィーク日本版 2023年11月5日 9時5分

<母のティアラから取ったダイアモンドの婚約指輪、父が母に贈った婚約指輪へのオマージュ、母の婚約指輪を贈る...。イギリス王室に紡がれる婚約指輪の物語とは?>

王室には王冠、ティアラ、歴史あるジュエリーなど何世紀にもわたる家宝があるが、個人のジュエリーも存在している。その代表が婚約指輪であろう。王室の結婚式と同じく婚約も世界的なニュースになり、未来の花嫁の婚約指輪にも注目が集まる。

故エリザベス2世女王のダイヤモンドの婚約指輪は義理の母のティアラから取られたものであり、キャサリン妃のかの有名な楕円形のサファイアの婚約指輪は同じく義理の母である故ダイアナ妃から受け継がれたもの。

その思い出深く輝く、イギリス王室の婚約指輪を本誌が6つ厳選して紹介する。

    

エリザベス女王の婚約指輪

Prince Philip helped design Queen Elizabeth's engagement ring with the help of British jeweller Philip Antrobus Ltd. He also included diamonds in her ring that were handed down from his mother pic.twitter.com/a6jOF4euuB— Kate's Power Suit (@KatesPowerSuit) October 6, 2023

Today in 1947 Her Majesty Queen Elizabeth II then Princess Elizabeth and His Royal Highness Prince Phillip then Lieutenant Mountbatten announced their engagement.#QueenElizabethII #PrincePhillip #OnThisDay pic.twitter.com/xUJWFERV4y— George III (@GeorgeofHanover) July 9, 2023

エリザベス女王(当時はエリザベス王女)とエディンバラ公フィリップ殿下(当時はフィリップ・マウントバッテン)は1947年7月に婚約を発表しているが、実はその1年前にはプロポーズを受け入れていた。というのも、父ジョージ6世から王女が21歳になるまでは公にしないという条件がついていたからだ。

イギリス海軍中尉をつとめたフィリップ殿下は、ギリシャおよびデンマーク王家出身のアンドレアス王子とアリス妃の長男として生まれた。

エリザベス王女(当時)にプロポーズする際、自身の母親のティアラからの取ったダイアモンドを婚約指輪に仕立てるように英国のジュエラーであるフィリップ・アントロバス社に依頼。

この約3カラットの婚約指輪の他にもダイヤモンドのブレスレットもあわせて新妻への結婚の贈り物としている。

ソフィー妃の婚約指輪

Sophie Wessex engagement ring: The special link to Princess Diana and Kate Middletonhttps://t.co/G0F6Hcizc5 pic.twitter.com/ZsOdxJWGRF— Daily Express (@Daily_Express) December 14, 2021

POOL Old-REUTERS

    

エリザベス女王とフィリップ殿下の末息子であるエドワード王子(当時)が、長年の友人であったソフィー・リース=ジョーンズさん(当時)にプロポーズをしたのは1999年。

その際、父フィリップ殿下が母エリザベス女王に贈った婚約指輪に似た指輪を宝石商「アスプレイ&ガラード」社に依頼。

ロンドンのクラレンス・ハウスで婚約発表を行った際に報道陣に公開した婚約指輪は、10万5000ポンド(約1900万円)といわれている。ソフィー妃(現エディンバラ公爵夫人)は24年間にわたる結婚生活を通じて何度もこの指輪を着用する姿をキャッチされている。

カミラ王妃の婚約指輪

POOL New-REUTERS

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チャールズ皇太子(当時)は、2005年にカミラ・パーカー・ボウルズ夫人(当時)との婚約を発表。

チャールズ皇太子は1996年にダイアナ元妃と離婚、カミラ夫人も1995年にアンドリュー・パーカー・ボウルズ氏と離婚しており、互いに2度目の結婚となったため、民事婚と教会婚の2つの式を挙げている。

しかし、婚約指輪は重要視され、将来の王妃となるカミラ夫人には自らの祖母であるクイーン・マザーが所有していた貴重な宝石が贈られている。

アールデコ風の指輪の歴史は1920年代にさかのぼり、プラチナリングには8カラットのエメラルドカットのダイヤモンドに6つの小さなダイヤモンドが並んでいる。

キャサリン妃の婚約指輪

Suzanne Plunkett-REUTERS

Suzanne Plunkett-REUTERS

    

ウィリアム王子(当時)が2010年にケイト・ミドルトンさん(当時)にプロポーズした際、史上最も有名な婚約指輪を贈った。それは自身の母である故ダイアナ妃の婚約指輪で、ダイヤモンドとサファイアから成る指輪である。

■【写真】ダイアナ妃の婚約会見と婚約指輪 を見る

ダイアナ元妃の死後、この指輪は息子たちに受け継がれていた。キャサリン妃はこの指輪にあわせて「Issa London(イッサ ロンドン)」のサファイアブルーのドレスを着用し、セント・ジェームズ宮殿で婚約会見を行った。

2023年4月、キャサリン妃は「とても特別なものです。それを身につけ続けられることが名誉です」とこの指輪について珍しく話す場面もあった。

メーガン妃の婚約指輪

婚約会見にて TobyMelville-REUTERS

2017年11月 ケンジントン宮殿で行われた婚約会見 POOL New-REUTERS

    

ヘンリー王子が2017年にメーガン・マークルさん(当時)にプロポーズした際にも、母への敬意を示している。

特別な意味をもつ3つのダイヤモンドの中央の大きなダイヤモンドはボツワナ産で、ヘンリー王子とメーガン妃が交際初期に2人で訪れた思い出の地のもの。そのダイヤを挟んだ外側の2つのダイヤは故ダイアナ妃の宝石コレクションという、特別仕様の婚約指輪であった。

ヘンリー王子は婚約会見で「両側の小さなダイヤモンドは、私の母の宝石コレクションから取られたもので、母が私たちとともにいることを確認するためのものです」と述べた。

それに対してメーガンさんは「とても美しいです。彼がデザインしました。信じられないことです」と付け加えた。

しかし結婚後、この指輪は仕立て直されている。

ユージェニー王女の婚約指輪

POOL New-REUTERS

POOL New-REUTERS

    

エリザベス女王の孫であるユージェニー王女は、ビジネスマンのジャック・ブルックスバンク氏と2018年1月にバッキンガム宮殿で婚約を発表。

2人が選んだ婚約指輪は、ユージェニー王女の父であるヨーク公アンドルー王子がセーラ・ファーガソンさん(セーラ元妃)に1986年に贈ったルビーをダイアモンドで囲ったデザインを踏襲。

■【写真】セーラ元妃の婚約会見と婚約指輪 を見る

ユージェニー王女の指輪の中央はオレンジとピンクの中間色を持つ希少なパドパラドシャ・サファイアであるという。

ダイアナ元妃の結婚指輪

From the beginning the marriage between C&D was doomed. The cracks and red flags were all there even during their engagement. But convention and society pressure won over both. After 6 months of Courstship and meeting 13 times only in person, Charles called Diana from the... pic.twitter.com/RRBpiQY6MO— Canellecitadelle (@Canellelabelle) October 26, 2023

    

既に別居後の1993年5月、リバプールでの公務の際にダイアナ妃が着用していた婚約指輪 Russell Boyce-REUTERS

離婚が発表された1996年8月28日にパトロンを務めていたイングリッシュ・ナショナル・バレエ団でのダイアナ妃。婚約指輪と結婚指輪をはめていた Stringer-REUTERS

セーラ元妃の結婚指輪

Stringer-REUTERS

The Story Behind Sarah Ferguson's Extravagant Engagement Ring https://t.co/FGDjCBLWYl pic.twitter.com/98HQWrB4UP— Good Housekeeping (@goodhousemag) July 23, 2018

    


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