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これがメイド・イン・チャイナ!?「中国国旗」に火をつける女性...意外な展開を見せる動画が米国でバズる

ニューズウィーク日本版 2023年11月18日 13時20分

<バイデン米大統領と1年ぶりとなる対面での会談を行った中国の習近平国家主席を批判するデモが会場付近で行われたが...>

アメリカでAPEC(アジア太平洋経済協力会議)が開かれ、その会場周辺ではさまざまな主張を掲げる人々が抗議デモを展開したのだが、その場で何とも「笑えるシーン」が撮影され、大きな注目を集めている。中国共産党を批判するデモ参加者の女性が「中国国旗」に火をつけようとするのだが、意外な展開を見せてしまうのだ。

■【動画】さすがメイド・イン・チャイナ!「中国国旗」に火をつける女性...意外な展開を見せる動画が米国でバズる

11月15日に米カリフォルニア州サンフランシスコで開幕したAPEC首脳会議の会場周辺に集まった人の多くは、中国の習近平国家主席が率いる体制を批判する抗議デモを行った。この日、習は1年ぶりにジョー・バイデン米大統領と対面での会談を行った。

リベラル派のメディア「MeidasTouch」の編集長を務めるロン・フィリップコウスキーは、ドナルド・トランプ前大統領の長年の盟友であるスティーブ・バノンが組織したとされる抗議デモに参加したある女性が、中国の国旗を燃やそうとして失敗した瞬間を捉えた動画を共有した。

X(旧ツイッター)上に投稿された動画は、右派系チャンネル「リアル・アメリカズ・ボイス」で放送されているバノンの番組「ウォー・ルーム」の一場面だ。ここに登場する男性はバノンに向かって、集まった人々に「中国本土で」聞こえるぐらいの大きな声を上げさせると告げると、デモ参加者たちに「CCP(中国共産党)をやっつけろ」というスローガンを叫ぶようたきつけた。

ライターも旗もメイド・イン・チャイナ?

するとそのすぐ後、画面には一人の女性が映し出された。女性は別の人物が持っている中国の国旗に、ライターで火をつけようとし始める。

女性は何度も国旗に火をつけようとするものの、ライターの火がつかなかったり、すぐに消えてしまったりしてことごとく失敗。最後には諦めて旗を持っていた人物と共に歩き去ってしまった。

フィリップコウスキーはXに「スティーブ・バノンが組織した15日の習近平批判の抗議デモは、思いがけない喜劇の寄せ集めだった」と書き込み、さらにこう続けた。「中国国旗に火をつけるはずが、どうしても燃やせなかった」

本誌はバノンの番組にメールでコメントを求めたが、返答はなかった。

この動画を見た人たちからは、「あのライターはメイド・イン・チャイナかな」「旗はメイド・イン・チャイナじゃなかったみたいだ」「言っとくけど、旗はメイド・イン・チャイナだよ」などのコメントが寄せられた。

バイデンは習との会談を「建設的かつ生産的」と評価

ほかにもSNSでは、バノンと中国の大富豪・郭文貴の関係を指摘する声も上がった。バノンは2020年、米南部の「(メキシコとの)国境の壁」建設に向けた募金活動で数千人から資金を詐取したとして詐欺罪で逮捕されたが、それは彼が郭の所有するヨットに乗っているときのことだった。なおその後の21年1月、トランプが任期終了を前にバノンに恩赦を与えている。

別の人物はX上に、「なんという愚か者だ。好きかどうかに関係なく、アメリカと中国は経済的に結びつきがある。どちらかが行き詰まれば、双方の国にその影響が及ぶ。それにもし習と会談したのがトランプだったら、極右の人々はそれを絶賛していたはずだ」と書き込んだ。

習が14日にサンフランシスコに到着した際には、大勢の支持者(中国系住民)が中国の国旗を掲げて熱烈に歓迎していた。サンフランシスコ・スタンダード紙は、習の宿泊先であるサンフランシスコ中心部の高級ホテル「セントレジス」を取り囲む数ブロックにわたって、歓迎の意を示す横断幕やバルーンが掲げられたと報じた。ホテル周辺には、中国共産党に反対を掲げるデモ隊も集まっていたということだ。

バイデンは15日に習と会談を行った後、記者団に対して、習との会談には「これまでで最も建設的かつ生産的な話し合いの一部」が含まれたと語り、アメリカで販売されている中国製の違法薬物「フェンタニル」の生産抑制でも合意したと次のように述べた。「この合意により人々の命が救われる。この問題への習国家主席の尽力に感謝する」


ハレダ・ラーマン

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