<不正会計疑惑など、スキャンダルまみれのインドのアダニ財閥。モディ首相とアメリカがそれでも支え続ける、地政学的意味について>
インドの新興財閥アダニグループがスリランカの最大都市コロンボで進める港湾開発に、アメリカが5億5300万ドルを出資する計画が発表された。
この港湾プロジェクトは中国の一帯一路構想への対抗策の一環で、米印両国にとって大きな戦略的意義がある。一方、スキャンダルまみれのアダニにとっても、アメリカの後ろ盾は強力な追い風だ。
急成長を遂げてきたアダニを大規模な不正会計疑惑が直撃したのは今年1月。同財閥は疑惑を全面否定したが、株価は急落し、財閥を率いるゴータム・アダニ会長の個人資産も半減した。
それでも同財閥は、新規買収を一時的に控えるなどの賢明な経営判断により、短期間で復活の道筋を整えてきた。
アダニ会長とモディ首相の緊密な関係も復活劇の重要な要素だ。インフラ整備と再生可能エネルギーという政権の重点施策をアダニ財閥が担っているという意味でも、両者は一蓮托生の関係にある。
From Foreign Policy Magazine
アダニの「スリランカ港湾開発」に出資するアメリカ
US to invest $553 million in Adani's Sri Lanka port to curtail China's influence/The Economic Times
マイケル・クーゲルマン(米ウッドロー・ウィルソン国際研究センター南アジア研究所長)
インドの新興財閥アダニグループがスリランカの最大都市コロンボで進める港湾開発に、アメリカが5億5300万ドルを出資する計画が発表された。
この港湾プロジェクトは中国の一帯一路構想への対抗策の一環で、米印両国にとって大きな戦略的意義がある。一方、スキャンダルまみれのアダニにとっても、アメリカの後ろ盾は強力な追い風だ。
急成長を遂げてきたアダニを大規模な不正会計疑惑が直撃したのは今年1月。同財閥は疑惑を全面否定したが、株価は急落し、財閥を率いるゴータム・アダニ会長の個人資産も半減した。
それでも同財閥は、新規買収を一時的に控えるなどの賢明な経営判断により、短期間で復活の道筋を整えてきた。
アダニ会長とモディ首相の緊密な関係も復活劇の重要な要素だ。インフラ整備と再生可能エネルギーという政権の重点施策をアダニ財閥が担っているという意味でも、両者は一蓮托生の関係にある。
From Foreign Policy Magazine
アダニの「スリランカ港湾開発」に出資するアメリカ
US to invest $553 million in Adani's Sri Lanka port to curtail China's influence/The Economic Times
マイケル・クーゲルマン(米ウッドロー・ウィルソン国際研究センター南アジア研究所長)