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新NISAでさらに身近に...「米国株」投資が、実は「初心者にこそ」向いている理由

ニューズウィーク日本版 2023年11月30日 17時30分

<日本株と比べても多様な強みがある米国株。どこに、どのように投資すればよいかを「株の学校ドットコム」講師の窪田剛氏に聞いた。本誌「まだ間に合う 新NISA 投資入門」特集より>

外国株は「何となく難しそう」というイメージを持つ人も多いかもしれない。だが実は、米国株には初心者にこそ向いている要素がいくつもある。新NISAを機に取り扱い銘柄を増やす金融機関もあるなかで、米国株とどう向き合えばよいのか。「株の学校ドットコム」講師の窪田剛氏にメリットや注意点を聞いた。

◇ ◇ ◇

──米国株の魅力とは?

何といっても、長い目で見ればずっと右肩上がりが続いていて、今後もそうなると予想される点です。長期的に成長している企業が多く、世界中で事業展開している企業も多い。企業が成長しやすい土壌が整っているため資金も集まりやすく、若年人口も多いので国として強いのです。NISAで長期的な資産形成のために株式投資をするのなら、今は米国株しかないとさえ思います。私は短期トレードが生業ですが、10年以上のスパンで長期的に資産を増やす目的で、米国株を運用しています。

──日本株と比べたメリットは?

日本にも素晴らしい企業は多くあります。ただ、長期的かつ効率的な資産形成の投資対象としては、米国株に軍配が上がります。また、日本株を購入する際は100株単位が原則ですが、米国株は1株から買えます。株価7000円の任天堂を買うには70万円が必要ですが、アップルなら3万円弱から買えるのです。

──今後の相場の見通しは?

長期金利が落ち着いて株価は上昇に転じ、これが来年前半まで続きそう......ではありますが、長期の投資をするのであれば、現在のトレンドや相場状況などはあまり気にしないほうがいいと思います。為替も同じで、円安がどこまで進むかなどは誰にも分かりませんので、有利なときに買おうとするよりも、すぐに始めたほうが結果的に有利に働きます。

──どんな銘柄を選ぶべき?

長い目で資産形成をするなら、今、勢いのある企業ではなく、50年後100年後も第一線に残っているだろうと思える企業を選ぶべきです。例えばマイクロソフトやアップル、ビザ、コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ディズニー、あるいはアマゾンなど世界中で支持される商品・サービスを扱う企業です。

──おすすめの買い方は?

分散投資のメリットを考えれば、個別株よりも、ダウ平均株価やS&P 500といった指数に連動するインデックス型の投資信託やETF(上場投資信託)を買うのが最善の策です。各企業の業績を気にする必要もなく、基本的にはほったらかしで大丈夫。ただし、指数の2倍3倍動くレバレッジ型やインバース型はリスクが高いので、長期投資には向いていません。

──米国株はどうすれば買える?

米国株を扱う日本の証券会社に口座を開けば買えます(NISAで買えるかは金融機関に要確認)が、取り扱う銘柄数に違いがあります。また注意すべきは手数料。米国株は通常の売買手数料のほかに為替手数料もかかります。毎月積み立てるならばかにならないので、必ず確認してください。基本的にネット証券は手数料が安く、無料の場合もあります。

──買った後の注意点は?

長期で取り組むなら、株価は見ないでください。見ると気になって、少しの下落でも売りたくなるので。運用は時間が有利に働きます。だから早く始めたほうがいいですし、長ければ長いほど有利です。より大きな成果につなげるには、まず何のために株を買うのか考えてから始めてください。株式投資には数多くの方法がありますので、ぜひ目的に合った道を選ぶようにしてください。

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構成・土居悦子(編集者)

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