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「みっともない!」 中東を訪問したプーチンとドイツ大統領...2人の「扱い」の差が大き過ぎると話題に

ニューズウィーク日本版 2023年12月8日 17時35分

<ロシアのプーチン大統領のUAE訪問時と、ドイツのシュタインマイヤー大統領のカタール訪問時の「対応の差」を見比べると>

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が12月6日、アラブ首長国連邦(UAE)を訪問した。現在、ウクライナ侵攻をめぐって西側諸国と対立するロシアだが、中東では仰々しいほどの大歓迎を受けた。11月にUAEの隣国カタールを訪問した際、ドイツのフランクワルター・シュタインマイヤー大統領が受けた対応とのあまりの違いが注目を集めている。

■【動画】中東を訪問したプーチンとドイツ大統領の「扱い」の差が大き過ぎる...比較してみると

ロシアがウクライナに本格侵攻を開始して以降、アメリカをはじめウクライナを支援する国々は、ロシアを国際的な金融システムから孤立させようとさまざまな制裁を科してきた。国際刑事裁判所(ICC)も、ウクライナの子どもたちを拉致したとしてプーチンに逮捕状を出した。

だが今回のUAE訪問では、プーチンがのけ者にされている兆候はみられなかった。プーチン到着を受けて上空ではジェット戦闘機がロシア国旗の色の煙を放出しながら飛び、プーチンの車列がアブダビ市街を走行した際には騎兵隊がエスコートし、道路脇にはロシア国旗が掲げられる......といった具合だ。なおUAEは、国際刑事裁判所に加盟していない。

駐南アフリカ・ロシア大統領特使のX(旧ツイッター)には、プーチンが歓待される様子を示す動画と共に「これが国際的に『孤立している』ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がUAEで受けた待遇だ」と皮肉を込めた文章が投稿された。

ドイツの大統領はタラップの上で待ちぼうけ

あるソーシャルメディアユーザーは、プーチンのこの動画とドイツのシュタインマイヤーの動画を比較した。シュタインマイヤーが11月にカタールを訪問した際、空港にカタールの政府関係者が到着するまでドイツ政府特別機のタラップの上にぽつんと立って待っている様子を捉えた動画だ。ドイツ大統領はこのまま30分近く待たされたという。

このユーザーはXに「シュタインマイヤーはカタールで政府関係者に忘れられていた。これが、ロシアとドイツの大統領がアラブ諸国で受ける待遇の差だ」と投稿した。

シュタインマイヤーに同行取材したドイツの国際公共放送「ドイチェ・ウェレ」のジャーナリストであるロザリア・ロマニエクは、この外交的な不手際について、計画立案のミスだったのか、それともイスラエルで3日間を過ごしてきたシュタインマイヤーを冷遇したのか分からなかったと述べた。

UAEの対応にSNSでは怒りの声が噴出

ロシア政府によればプーチンはUAEを「実務訪問」し、ムハンマド・ビン・ザイド・ナハヤン大統領と会談。中東の状況に加えて、「多角的な二国間協力の現状」についても議論した。

機密情報やサイバーセキュリティを専門に扱うコンサルティング会社S-RMのサイフ・イスラムは、プーチンがUAEを訪問したもう一つの目的は「UAEとサウジアラビアとの関係を利用して、ウクライナ侵攻をめぐる西側諸国の制裁に対処すること」だったと本誌へのメールで指摘し、イスラエルとハマスの戦争も議題に入っていたとつけ加えた。

ソーシャルメディアユーザーからは、この訪問に怒りの声が上がっている。

プーチンに批判的なことで知られる政治活動家のビル・ブラウダーは、「UAEは戦争犯罪で起訴されているウラジーミル・プーチンを盛大に歓迎した。『みっともない』の一言に尽きる」と投稿した。


ブレンダン・コール

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