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「未来の王妃」キャサリン妃が着用を許された、6本のネックレスとは?

ニューズウィーク日本版 2023年12月10日 9時55分

<エリザベス女王や歴代王妃の歴史ある貴重なネックレスが貸与されたキャサリン妃。6つのジュエリーの歴史について>

2022年に「プリンセス・オブ・ウェールズ」、つまり皇太子妃として王室のシニアメンバーの1人になったキャサリン妃は、その地位と信頼を示すかのように、王室の最も貴重な宝飾品のいくつかを身に着けることがこれまでに許されている。

これらはメアリー王妃、アレクサンドラ王妃、そしてダイアナ妃などと強いつながりをもっており、その華やかな系譜と歴史あるエリザベス女王の個人コレクションが「義理の孫娘」キャサリン妃に貸与されてきたのだ。

本誌が注目した、キャサリン妃に貸し出された王室の貴重なネックレスを6本紹介する。

「ニザーム家ハイデラバード・ネックレス」

2014年ナショナル・ポートレート・ギャラリーにて POOL New-REUTERS

1947年、エリザベス王女(当時)はギリシャ及びデンマーク王室出身で英国海軍中尉のフィリップ王子(当時)とウェストミンスター寺院で結婚した。

その際に多くの宝飾品が結婚祝いとして贈られたが、その1つがインド中部のハイデラバードを統治していたニザーム家から贈られたネックレスだ。

ニザーム家はエリザベス王女にロンドンのカルティエで宝石を自由に選ぶように伝え、ダイヤモンドのティアラと大きなダイヤモンドのネックレスが選ばれた。

ティアラは後に分解されて作り直されたが、ネックレスは当時のままに現存しており、ニザーム家への敬意を込めて「ニザーム家ハイデラバード・ネックレス」と呼ばれている。

エリザベス女王の治世の中でそのネックレスはたびたび着用され、所有する個人の宝飾品の中でも最も価値のあるものの1つとされている。

2014年にキャサリン妃がそのネックレスを初めて着用。エリザベス女王以外の王室メンバーでそのネックレスの付けている姿を写真に撮られた唯一の人物となっている。2019年にもキャサリン妃はこのネックレスを着用している。

エリザベス女王の「ジャパニーズ・パール・チョーカー」

The Queen's Japanese Pearl Choker #RoyalYearinReview2022 https://t.co/GONNky6wHT— The Royal Watcher (@saadsalman719) December 31, 2022

2022年9月 エリザベス女王の国葬にて PeterCziborra-REUTERS

キャサリン妃が着用したエリザベス女王の個人コレクションとして、センター部分に現代的なダイアモンドが施された4連のパール・チョーカーも有名だ。

これはエリザベス女王が訪日した際に贈られた真珠がネックレスとして作られ、1980年代から愛用されてきた。

このネックレスはダイアナ妃やエディンバラ公爵夫人ソフィー妃にも貸与されており、キャサリン妃は2017年に行われた、エリザベス女王とエディンバラ公フィリップ殿下のダイアモンド婚の祝賀の席で初めて着用した姿がキャッチされている。

その後、キャサリン妃は何度もこのネックレスを着用しているが、フィリップ殿下とエリザベス女王の双方の葬儀の際に着用した姿は涙を誘った。

アレクサンドラ王妃の「ウェディングネックレス」

2018年10月 オランダのウィレム=アレクサンダー国王とマキシマ王妃を迎えての宮中晩さん会にて「ラバーズ・ノット・ティアラ」にアレクサンドラ王妃のウェディングネックレスをあわせた POOL New-REUTERS

キャサリン妃が身に着けたネックレスの中で最も歴史があるものがアレクサンドラ王妃のネックレスであろう。

1863年、ヴィクトリア女王の長男アルバート・エドワード王子(後のエドワード7世)がデンマークのアレクサンドラ王女(後のアレクサンドラ王妃)に結婚祝いとして最初に贈った大きな真珠とダイヤモンドのネックレスはクイーン・マザーのお気に入りでもあった。

その後、クイーン・マザーから娘のエリザベス女王へと引き継がれたと言われている。

実はエリザベス女王自身は公の場でこのネックレスを着用したことはないが、クイーン・マザーの逝去後、16年の歳月を経て、オランダ国王夫妻を国賓として迎えた晩さん会でキャサリン妃が着用している。

メアリー王妃の「アールデコ・エメラルド・チョーカー」

2022年12月 ボストンで開催された「アース・ショット賞」の授賞式にて Katherine Taylor-REUTERS

1993年、宮中晩さん会にて実家スペンサー家に伝わる「スペンサー・ティアラ」にメアリー王妃のアールデコ・エメラルド・チョーカーをあわせたダイアナ妃 Stringer-REUTERS

Worn #onthisday in 1985 by Princess Diana at a Melbourne, Australia, gala. The Queen inherited the 14" Art Deco emerald choker from Queen Mary and gave it to Diana as a wedding gift. Diana had it mounted on green Velcro so she could wear it as a headband, dubbed "Disco Di." #OTD pic.twitter.com/mUao7wOj7N— Worn On This Day (@WornOnThisDay) October 30, 2020

キャサリン妃にとって最も重要なジュエリーの1つが、亡き義理の母であるダイアナ妃がかつて身に着けていたものであろう。

2022年、ボストンで開催された「アース・ショット賞」の授賞式でダイヤモンドとエメラルドのチョーカーを着用したキャサリン妃。実は1997年にダイアナ妃が亡くなって以来、初めて公の場で身に付けられたことでも話題となった。

1921年にエリザベス2世女王の祖母メアリー王妃のために作られたアールデコ・スタイルのネックレスは、エリザベス女王が結婚祝いとしてダイアナ妃に贈ったもの。ダイアナ妃はネックレスとしてだけでなく、ティアラとして着用していたこともよく知られている。

エリザベス女王のダイヤモンドの花輪ネックレス

Now we can see the Windsor women's white dresses -- and Kate is wearing the late Queen's festoon necklace, which was a gift from her father, George VI, and made by Garrard of loose diamonds owned by the monarch pic.twitter.com/JEZyEcKNIa— Patricia Treble (@PatriciaTreble) May 8, 2023

Russell Boyce-REUTERS

故エリザベス女王にとって重要かつお気に入りだったのが、1952年に亡くなる直前の父ジョージ6世から贈られたダイヤモンドの花輪ネックレスだ。

キャサリン妃はチャールズ国王の戴冠式にこの貴重なネックレスを初めて着用したが、チャールズ国王によって貸与されたと考えられている。

エリザベス女王の真珠の3連ネックレス

2023年11月の「リメンバランス・デー」にて POOL New-REUTERS

2019年11月の「リメンバランス・デー」にて POOL New-REUTERS

エリザベス女王はさまざまなネックレスを所有していたが、常に愛用していたのが真珠のネックレスだ。

女王が所有していた真珠のネックレスの正確な数は不明だが、3連ネックレスの少なくとも1つが女王逝去後にキャサリン妃によって着用されていると考えられている。

直近では、11月に行われた「リメンバランス・デー」の式典で着用したキャサリン妃。それは4年前にエリザベス女王がまさにその式典で着用していたことを彷彿とさせた。

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